2007年 07月 24日
地獄の一日テストデス |
大草原や砂漠ではほとんど見られなかった太陽が、ここ北京では最高潮に輝いております。中国に入って以来いちばんの晴れっぷりかも。
まるでわたしの内外にまとわりつく毒素をすべてあぶり出そうかとしているみたい。
痛いです。
だって二日酔いだから。
数時間前、うまれて初めてテストをさぼろうか、真剣に考えました。
それもこれも昨晩、紹興酒一壺を空けタ大宴会のおかげ。
火鍋と酒。
安宿コンサルタントおよび一ヶ月のご愛顧に応えるため、北京の家のオーナーである中国人若夫婦がこれ以上ないほどに接待してくれたんだから、すすめられたものを断るのは全くもって失礼なはなし。
それに若主人にとっても久しぶりのお酒だったらしく、のっけからかなりノリノリ。すでにビールは6、7本が空になっており、
「ネイハイ(Taka)が好きですからね」
という口実で購入した紹興酒をとりだし、ギアはさらに一段アップ。
ああ、なんてうれしそうなんだろう。
「itoyamaさん、飲みましょう」
その後何度も何度も、紹興酒乾杯が続いたのでした。
そしてリビングのソファの上、のどの渇きで目が覚めました。
午前4時前だったか。
このときはまだぜんぜん本酔いの最中。
あら恥ずかしい。ちゃんとお部屋に帰って寝ましょうね、くらいの軽い気持ち。
次気づいたとき、午後7時半。
「昨日はご迷惑おかけしました。トイレで吐いちゃって… その後も部屋でダウンしちゃって…」
廊下から聞こえるTakaちゃんの声。一緒にマッサージに行くと行ってたシーグーさんに謝ってます。
普段は6時半には別の家からやってくる若夫婦の姿もなし。ふむふむ、やっこさんも撃沈したな。
おれもこんなに寝坊したのは中国入りして初めてだしな。うわぁ、まだぜんぜん寝足りん。今日はタクシーでいいや。テストは9時からだから8時半までお休みお休み。
と思って、事実8時半には北京の家を出てタクシーに乗り込んだものの、ここに来て二日酔いの悪魔が活動をはじめてしまっちゃったから、わたしはもう死に体。
久しぶりに味わう醸造酒特有の二日酔い、けっしてがんがん頭を叩くんじゃなくってねっとり体を締め付ける感じ。
「語言大学(yuyan)に」と告げたつもりなのに、タクシーの運ちゃんは「林業大学(linye)」に行ってしまうくらい、もう心も体も中国語もボロボロね。
すでにテスト時間間近。筆記試験じゃなくて先生と一対一の口述試験だから、これからの時間、遅れれば遅れるほど、先生を待たせてることになる。
「うっわー、やべぇ」
「このまま帰っちゃおうかなぁ。別に修了書がほしいわけでなし」
とはいえ、自分の成績如何よりも、このまま先生を待たせ続けることが人の道に反することだし。
もうこうなったらやけ。渋滞でにっちもさっちも進めぬタクシーを降り、最後の一キロは走ってしまいました。二日酔いの悪魔がほくそ笑むのも知らずに。
なんとか10分弱の遅刻でテストは受けました。
遅刻の理由を素直に白状し、いちおう笑っていただきました。
「男女平等についてあなたの意見を述べなさい」という質問についても、たぶんテンションがハイになってたぶん、普段より口数多かったと思われます。
ああ、これで終わったよ、いちおう。
そこで緊張の糸が
ぷつん
となっちゃったのよ。
次の視聴の授業。
「不見不散」という映画をリラックスしながら楽しむはずが、もうぜんぜん見てられない。
気持ち悪くて、気持ち悪くて。
この授業中も一回、その後も喫茶店入ったり、キャンパス内のベンチに横になったりしてるあいだあいだに、どうしても訪れなきゃいけなくなるトイレタイム。
スプライト、お茶、ウーロン茶、アイスモカ、オレンジジュース、アイスコーヒー、ミネラルウオーター…
口から入っていったものが、胃袋という折り返し地点をすぎ、再び口から外に出て行きます。
そして最後には久しぶりに黄色いものと再会しました。胆汁くんです。
さらにだいたい胆汁君が登場するのは最終段階、そのころには荒れた食道の粘膜からにじみ出た赤いものもまじります。
これまで経験した二日酔いはだいたい正午すぎにはクライマックスを超え、食欲も回復していたんだけど、本日は胆汁君の出番もようやく夕方近くになってのこと。なんとか生気がみなぎってまいりました。
ふぅ、ギリギリセーフ。
本日は午後5時半から4週間短期コースの終了式が行われるんです。
授業はいちおう明日もあるんだけど、これがこの学校の伝統らしく、修了証書が授与され、その後会食となります。
校内にある「会議中心」内のレストランにて、なんとか今日一発目の食事、北京ダックやスズキの蒸し煮、エビの塩ゆでなどなど、中国最後の晩餐にふさわしい料理を楽しむことができました。あと一時間二日酔いが続いてこれらを逃してたら、と思うと冷や汗もんです。
あっ、さすがにお酒には口をつけませんでしたよ。
食事会の最中にはクラスメートや先生との記念撮影や住所交換もあり、中には感激のあまり泣き出す某エジプト人も。
わたしはちゃっかり口語の先生の隣りで写真にうつりました。
だって先生、あなたが天使に見えたんです。遅刻してきた廃人のわたしに午前中のテストで91点もくださったのですから。
帰宅後、
「すゅいませんでした。きのうは…」
体全身から反省がにじみ出ていた若主人の姿がまたとっても印象的。うん、こんなふうに終わっていくとは、さすがに予想しなかったよなぁ。
by itoyamamakoto
| 2007-07-24 16:06
| エンジョイ!学生生活