2007年 06月 25日
上海ってことは雑技団 |
昨日に引き続き、午前中はそぞろ町歩き。
周恩来故居、入りました。18元(約300円)。
彼が少年時代を過ごした家は、地元の名家らしいなかなか古式ゆかしき、どの部屋も正面向いてるような造り。
彼の生きた78年間について紹介した写真や絵画、自筆の文書などがいたるところに展示してあって、いわゆるひとつの故居兼記念館。
そして
故居に隣りあって建てられてたピカピカ新記念館は一転、中国共産党ゆかりの観光地として認定された「紅色旅遊重点基地」にふさわしいお金のかけ方、かつて西南民族大学時代に修学旅行で訪れた鄧小平故居とおんなじにおいも漂う、偉大な領袖の褒めちぎり方。
中国初代首相にして国内外に名をはせた外交家だった周恩来さんだけど、抗日戦争時代には優秀な軍事戦略家でもあったみたいで、ミリタリーマニアな中国人民たちを喜ばすだけ喜ばせ、とばかりにかなりのスペース、軍服着こんだ時代のお話が続いておりました。
でも、そこでかなりの息切れ。
独立後、外交家として第三諸国の連帯、米ソ間のパワーバランスの変化を見極めた手腕、文化大革命中の権力闘争を生き抜いたしたたかさ、あたりについてもう少し勉強させてもらいたかった、というのが本音でしょう。
中国とインドという二大国が第二次世界大戦の前後を経て独立を勝ち得たその過程で、変革の息吹を数億人の民衆にまで浸透させた情熱の革命家が毛沢東でありマハートマ・ガンディーならば、離陸後の国家を安定飛行まで持っていったのがジャワーハルラール・ネルーであり周恩来だというのが、わたしの偉大な実務家2人への評価なんですから。
ついで昨日も前を通った魯迅故居。
…入りませんでした。
だって入場券100元なんだもん。
ちょっと最近の中国観光地のインフレは異常でしょう。100元というお金を冒涜しすぎ。
そもそも原書(16元)を読んだ方がなんぼもましだし、DVDが20枚くらい買えて、パンク修理を100回もしてもらえて、臭豆腐16皿、約640個分もくえる(くえない?)くらいの大金は出せませんでしょう(笑)。
そういうことで昼過ぎには紹興の町を退散することに。行きの電車はずっと立っていたから帰りはどうしても席にありつきたく、郊外の長距離バスターミナルへ。
上海までは230キロでチケット80元(約1500円)。料金は鉄道の2等座席の約2倍。でも列車より若干速い2時間15分で上海南駅に到着してしまった驚きのスピード。
とうぜん行程はすべて高速道。とうとうバスの平均移動速度が時速100キロで移動できる時代が来てしまったわけです。
ところが、こんな早く戻ってきても、残念ながら宿主、おさむちゃんは昨日から安微省に出張中。
本日の帰りも夜何時になるか分からないということで、黄浦江近くのユースホステル「船長青年酒店」にチェックインして、上海ラストナイトの算段を取りはからうことに。
ガイドブック「地球の歩き方」をぱらぱらと。
北京なら京劇、四川なら川劇、トルファンだったらウイグルダンス、鄭州ならば少林寺のカンフーというように、中国にはその土地ならではの特色表演(パフォーマンス)ってのがあるわけだよね。
うん、どれもよかった、突っ込みどころも満載だったし。
ならば、上海、いわずもがなの雑技団でしょう。
場所は宿から歩けばたぶん1時間くらいかかる人民商場の特設ホール。入場券は座席によって100元〜200元。わたしが買ったのは150元の席。
とうとう臭豆腐1000個に届かんとする値段だけど、それだけの価値はあるはずなのよ。あと紹興と上海じゃ、移動にかかった2時間15分以上に金銭的な感覚(≒物価)も違ってきてるし。
白人ツアー客が過半数だけど、中国人や日本人観光客、それにインド系なんかもいちゃったりして、客席もなかなかインターナショナル。とにかく座席はすべて埋まっておりました。
だいたい技はどっかで見たことあるような、飛んだり跳ねたり回したり捻ったり、ウルトラCの連続。でも、
拍手がすごい。
振り付けがダサイからすごい。
ふつうに失敗するところがすごい。
爆笑レベルで言うなら、男女二人が抱き合ったり、もつれ合ったり、からみあったりしながら、空を飛びまくるメロドラマふうのパフォーマンスがもう五つ星レベル。もっと少し近くで顔とかも見たかったでしょうか。
終演後、また再び夜の上海を宿までてくてくと。
さすがは繁華街、夜景もまぶしい南京路。怪しいオヤジ、おねぇちゃん、たちがどんどん国際交流を挑んできたんだけど、さっきの表演を見てるとき以上の興奮をわたしに与えてくれるわけもなく、丁重にお断りさせていただいたのでした。
by itoyamamakoto
| 2007-06-25 23:01
| まちかど歩けば新発見