2007年 06月 06日
中九州をめいっぱい下 |
いくら前日遅くまで酒を酌み交わそうとも、十中八九収穫がないと分かっていても、一晩あければ健気に朝のおつとめをスタート。その責任感たるや、よしはるもさすが「ザ・社会人」の鏡。
みなさんが汗水流して働きはじめる=相手してくれる人がいなくなる
というわけで、住所不定無職にはつらい時間帯がまた始まっちゃったみたいだから後ろ髪を引かれつつも午前9時、延岡を離れることに。
わたしらしくないことに「宮崎といえば…」のチキン南蛮や高千穂牛のステーキを断念してまでも、進路は北に、めざせ大分。
せっかく訪れた東九州、もう二度と来ないかもしれない(笑)東九州、だから、食い物を断念してまでナンバーワン行きたかったところ、大分県南部にある臼杵市まで車をかっ飛ばすことにしたのでした。
臼杵(うすき)
九州人以外には読み方すらメジャーじゃないかもしれないけど、これがまた訪れてみりゃ思った以上にけったいなところだったのよ。
日本にある石仏ではで唯一国宝に指定された臼杵石仏のふるさと。
もちろんわたしの目的も石仏参拝で、平安時代後期から鎌倉時代にかけて掘られた石仏は緑美しい山の斜面に4グループに分かれ、計59体。中尊(仏像の中心)は大日如来。
しかもすべての仏さんたちは、博物館の展示ケースにおさめられるような「小物」たちではなく、巨大な岩山や岩の塊に直接仏を彫り込まれるという自然の地形を生かした磨崖仏(まがいぶつ)だから、一帯はまさに巨大な屋外ミュージアム。
中国の4大石窟、敦煌、龍門、雲崗、大足で
インドのアジャンタ石窟で
チベットではラサ近郊にネタンの磨崖仏(まがい仏?)などなど
とにかく、大陸のあちらこちらで目にしてきた圧巻仏、なごみ仏、イケメン仏、おもしろ仏たち、さらに景色や思い出などなど、瞬く間のうちにフラッシュバックしてきましたよ。
だって、うれしいじゃない。
平安初期に入唐した空海が日本に持ち帰った仏教哲学こそ、当時世界最先端の密教教義だったわけで、その教義のシンボルである大日如来が、もっとも大陸アジアらしい石仏、磨崖仏という形で表現された、花開いたのが九州の臼杵の地だったというわけでしょ。
臼杵はその後、キリシタン大名大友宗麟の支配に置かれたりもしたんだけど、アフガニスタンはバーミヤンの巨大仏のように、異教徒たちに破壊されなかったことなんかも神仏習合な日本的で居心地は悪くなし。
そりゃあ破壊から生まれる芸術もあるかもしれないけど…
見ず知らずの地域を訪れるってことイコール、きのうから久しぶりの旅人モード、仏跡見学なんてまさに「ザ・観光」もしたりして、だいぶいけない虫がむずむずとうずき始めてしまったみたい。
収まりきれなくなったわたしはさらに進路を西へ、九州横断をはじめちゃいました。
熊本市までは一般道をてくてくと乗りも乗ったり約4時間、阿蘇の雄姿も再び拝み、なじみの浜線バイパスに入ったのはもう夕方の5時近く。
ここ熊本市ではお店をやってる知り合いを訪ねるのが目的だったんだけど、残念ながらその店自体は店休日だったみたい。
まあ、サプライズに失敗はつきもの。彼女を訪ねて東京から中国・成都まで赴き、会えずじまいだったレンイエンに比べればわたしなんてちっちゃいちっちゃい。
それに南九州の焼酎類からプラチナシングルモルトまで、熊本一のストックを誇る「飛鳥名酒販売」で久しぶり名酒たちに囲まれれば、すぐに満面の笑み。先日佐世保で初体験したテキーラ「PAATRON」があれば買ってもいいかな、なんて思ってたんだけど、幸いなことに店では扱っておらず。
衝動買いで一万円近くを出費することもめでたく避けられ、落ち着いた先は久しぶりの泡盛古酒「菊之露」(2000円)。ついでに熊本市川尻にある酒蔵、瑞鷹のその名も「超辛口」(4合瓶1000円)を購入して、こうなれば一時でも早く家に戻ってのどを潤し、疲れを癒さなきゃなりません。
つまりは国道3号線を一路北へ。熊本勤務時代に何十回と運転したルートだから、運転はもう目をつむっても大丈夫。午後6時50分、実家に到着したのでした。
中九州に8の字を描いたこの2日間の総走行距離は565、5kmで、運転時間は約12時間。
まだまだ道路整備は発展途上の中九州横断ルート、ハンドルを握りながらこの一年間にあったいろんなこと、これからすべきことなんかをぼちぼち考えてると、車窓から広がる九州の美しい景色、流れ込んでくるおいしい空気のおかげかもしれないけど色んなアイデアが浮かんでくるもんです。
一時うやむやになってた離日後の訪問地あたりもどうにか決まりそうだし、長距離ひとりドライブもなかなかおつなものですな。まだまだみなさん、わたしは日本におりますので、お声かけ宜しくお願いします。関東方面などはじゃっかん厳しいとは思われますが…
追伸:昨年11月のバイクでジャイプル日帰り往復も約560kmなんだよね。つくづく、あんなことよくやったよなぁ(笑)
by itoyamamakoto
| 2007-06-06 10:32
| まちかど歩けば新発見