2006年 01月 23日
あんた最高に美しいぜ |
#節操しらずの旅日記3
徳欽ー梅里雪山ー徳欽
起床は7時。
昨夜は冗談抜きで10回ほど目がさめた。
相部屋の中国人が8時には床に入るもんだから、8時半にはもう消灯。ただでさえ前日も寝台バスで寝まくってたわけだし、とにかく睡眠はすでに十分すぎるほど。
で、熟睡できなかったもうひとつの理由。
ベッドから這い出し、頭を振ってみる。
やっぱりと思っていたけどガンガンする。
久しぶりの高山病。
動かないときは何も感じなかったってことだから、症状は初級者レベル。
でも本日は梅里雪山(カワカルポ)巡礼の日。
日の出とともにゆっくり聖山を拝みたいと思うのが洋の東西を問わず人情ってもんだろうから、ゆっくりゆっくり深呼吸をしながら一歩一歩、乗合タクシーが発着するという町はずれの三叉路まで移動をはじめることに。
日の出にあわせて出発したわけだから当然あたりは真っ暗。でも逆三日月が思いのほか明るく道路を照らし、また夜空を照らしている。
そう。見たくないものまではっきりと。
思いっきり曇りじゃないですか本日は。
これじゃ山肌に雲がかかっていても仕方ない。
浅草寺で引いたおみくじのことが頭をよぎるが、まあしょうがない。とにかく行きましょうや。
乗合タクシーは乗合だから安いわけで、真っ暗な三叉路で約30分待った後に現れた車に乗り込むのはわたし一人。仕方なく10元の出費。
それにしても
なぜ誰もいない。せっかく徳欽まで来といて、梅里雪山の日の出見ないの?
なんて思いながら徳欽の町からチベット自治区方面に約10キロ。聖山がもっともよく見えるという展望台に到着。
うわぁ、わんさかいるじゃぁないですか。
どこからわいてきなさったんでぇ~
と思うくらいのざっと40人。
みなさん賢く展望台近くに宿をとるか、グループで車チャーターしてやってきてたみたい。
で、やっぱりというか、13もの峰峰すべてにきれいに雲がかかっておりました。かろうじて一番高い峰の山頂部分が顔をのぞかせたりすると、いっせいに記念写真撮影が始まる始末。
もちろんあきらめて帰るわけにはいかないわけで、待つこと30分。徐々に雲が動き出し、主峰の全貌が明らかに。
さらに30分。
40人の観客はいなくなったけど、主峰の左右2、3峰もよく見えるようになって、これは13峰デビューも間近かと思わせておきながら、どうやらここでうち止め。雲がとまってしまいました。
◎参考写真:梅里雪山。つたない写真だけどつたない文章よりはまし
旅行中、無理は禁物。
一日Ⅰイベントくらいがちょうどいいわけで、徳欽の町に戻ると後はのんびりモード。ちびちびとした水量のシャワー(温水!)を浴び終え、心も体もリフレッシュしていると、久しぶりに携帯の着信音。
かけてきたのはなんと四川の山の中にいるはずのレンイエン。
「もしもし。今デルゲ(徳格)の山の中にある村で、チベタンの家に居候しながら卒論の調査をしてます。今日は久しぶりに電話のある集落まで一時間かけて歩いて出てきました。そうそう、あまりにひまなんでヤクの放牧ができるようになりました。あとげっぷが完全にヤク肉のにおいにそまっちゃってます」
となかなか興味深いお話。
「で、こっちにはいついらっしゃるんですか?」
「えっ。そういうことも言ったかなぁ?僕今徳欽なのよ。これからデルゲとは逆、南下のおつもり。かげながら応援させてもらうよ。死なないようにって」
ここまでで携帯の電話代がなくなってしまいました。
いつしか変えよう変えようと思っていて結局買ったときのままにしている神州行の携帯。
中国各地から通話できるメリットがあるんだけど、常に北京から話しているようになるから通話代はバカ高。今回のカードなんて1月19日に買ったばかりだったのに…。さらにはこの徳欽の町には神州行のプリペイドカードは売ってなかったりするからダブルショック。
それにしても公共電話が一台しかない山間の集落で、ものめずらしそうに眺めるチベット人約10に囲まれながら、久しぶりの日本語をうれしそうにしゃべるレンイエンの姿。おかしくも思い浮かびます。
またこんな面白い話が思いがけず聞ける可能性があるかもしれないんだから、あと一回くらいは買ってもいいかな、というところでしょうか。
徳欽ー梅里雪山展望台 10元
梅里雪山展望台ー徳欽 5元
徳欽ー維西バス 76元
by itoyamamakoto
| 2006-01-23 12:10
| またまた旅に出ました