2007年 02月 20日
快挙達成!13/19 |
みなさん、覚えてらっしゃいますか。
先学期、わたしらJawaharlal Nehru大学(JNU)非公認組織「チャンドラバーガーズ(チャンドラバーガ寮に住む日本人留学生3人)」が、同大日本語科の3年生に日本語能力試験2級の対策講座「打倒2級!めざせ全員合格!日本語能力試験超インテンシブコース」(略称:日本語授業)を開いていたということを。
日本式にまずは模試でクラス選別したり、始業時間守らん学生に「5分前行動」たたきこんだり、中だるみする学生にもやっぱり小言いったり…
とにかく優秀な学生はたくさんいるのに、彼らの話を聞くに連れ、大学で教わってる日本語にいまいち効率の悪さを感じ、
日本語学習熱をもっと高めたい
このまま宝の山を腐らすのはもったいない
日本語を学んだ結果としての資格を手にしてほしい
などの理由から、日本語科修士課程2年の蘇連独楽君(蘇君)を通じて2級試験(2006年12月)受験希望の3年生を集め、11月末まで約3ヶ月間、週3回夜に1時間ずつ、過去問中心の対策講座を開いてきたのでした。
もちろんその授業を通じてこっちもいろんな経験、勉強、日記のネタ仕込みをさせてもらいまして、その経緯については下記をご覧あれ。
「印度初日本語統一模試」:08月31日
「よたよたながらも発進」:09月05日
「酒の力でお口も滑らか」:11月06日
んでもって本日午後、わたしの部屋をノックする音。
「どうぞ」
現れたのは、10月からの日本留学が最近正式決定した蘇君ともう一人。
日本語科3年生一の寝業師こと阿比熱可君(阿君→10月25日の日記「日本語弁論王への道2」参照)。
「makotoさん、今日(きょ)はパティをしましょう」
「えっ、なんで?」
「日本語能力試験のお祝いパティです」
「おっ、阿君、どうだった?うかってた?」
「はい」
「おめでとー!で、ほかのみんなはどうだったの?」
「全部で13人が受かりました。みんなで先生たちにお礼のパティです」
ということなのです(嬉)!
授業に出ていた20数人のうち、実際に12月の本試験を受けたのが19人。
そしてそのうち13人が正解率6割(400点満点の240点)を上回り、みごと2級の資格をゲットしちゃったって吉報、本日インドに届いたのでした。
どっかの東大受験激烈ドラマみたいに「打倒2級!」「めざせ全員合格!」などとハデハデしく銘打ってはいたものの、例年JNUからの合格者数は多くて5人前後。
また、がんばって出席している中にも成績が思うようにのびない学生もいて、我々日本人連中も、結果にはかなり厳しいもんがあるんじゃないかと思ったりもしてたわけ。
ところがどっこい、この奇跡の数字「13/19」。
「Japan India Friendship Year(日印交流年)」の2007年幕開けを飾るにふさわしい歴史的な金字塔、すばらしい「Break Through(大台突破)」でしょう。
そりゃ、こっちだって興奮しないわけにはいかない。
パティとはいっても準備の不得手なインド人学生によるトタ企画なので、席の予約もしてなけりゃ、酒も出ないいわゆる「食事会」ではありますが、喜んで招待にあずかったわけです。
久しぶりに顔を合わす面々。さすがに吉報届いて間もないからか、一人ひとりが興奮気味で、抱き合ったり、握手したり、感謝の言葉をもらったり。
さらに合格者の一人、Yuktiさんからは我ら日本人教師あてに手書きのお礼メッセージまでいただきました。
このYuktiさん…
とにかくいいのよ。
見た目は四六時中眠たそうなおっとり系女の子なんだけど、バイクから落ちて頭をけがした直後だというのに包帯巻いた状態で授業にはちゃんとやってくる。
そんながんばりやさんなのに、問題を解かせりゃ本試験間近な11月に入ってもまだ正解率4割前後を右往左往。
「Yuktiさんとか、がんばってる子に合格してほしいよね」
と我々3人が一番気になっていた注目株。そんな彼女も奇跡の合格を果たしていたわけで、うれしくないはずがなし。
そんな彼女からのメッセージ、うれしすぎるから著作権無視の全文公開いたします。
To
Dearest 先生s,
Without your support and guidance
I would not have been able to
achieve what I have. You all are
really wonderful people, who took
out precious time for us, I enjoyed
your class very much, you gave
me the impetus to work hard.
Thank you so much.........
I will never be able to return
what you have done for me,
GOD BLESS U
TAKE CARE
LOVE and Respect you a lot.....
Yukti
日本語が一つしかないあたり、意味不明イラストなどは彼女の個性、ご愛敬(笑)。
Yoちゃんが
「Yuktiさん、問題難しかった?」
と尋ねれば、
「いえ」
だって。堂々としたもんです(笑)。
とにかくわたしらがやったことといえば、日本語を簡単に理解できる方法や問題を解くちょっとしたテクニックを教えたり…、要するに背中を押してあげただけ。
それなのに、あんな外見だと相手を油断させまくりなYuktiさんにもちゃんとそなわってるインド人的土壇場、火事場のバカ力はさすが、油断なりませんぞ。
そんなパティは楽しいおしゃべりも絡めながら延々と11時近くまで。
学生におまかせしたメニューはタンドリーチキン、カラヒ・チキン、カラヒ・パニールなどなど相変わらずのインド風、特別だったのはデザートのバニラアイスのフルーツカクテルくらいだったけど、気分が乗ってりゃ食も進むということ。
あまり先のこと考えずに食ってたもんだから、最後に日本人から一人ずつ祝辞を述べるとき、
「みなさん初めまして。髪の短くなったitoyamaです」
「これに懲りずに日本語の勉強を続けてください」
などとさえない言葉しか出てこなかったのが、残念といえば残念なところですかな。
ところで2級に合格した学生の大半は日本留学を希望しておりまして、3月11日には、文部科学省による奨学金付きの留学試験が実施されるのだとか。
全インドから毎年10人前後が採用されるんだけど、受験者数は30人超からの狭き門。
留学生活が語学上達の最短の道であるのはわれわれ日本人連中、骨身に感じてることだし、学生たちにとっても文字通り人生のターニングポイントになるわけで、潜在能力をみごと開花させた彼ら彼女らにはもう一度、JNUで留学枠全部かっさらうくらいの奇跡を実現してほしいもんです。
日本人だろうがインド人だろうが、がんばっている人を応援して結果を出してもらうってのは、こっちもやりがい感じられるし、ほんとうれしいもんだよね。
でも、自分も気合いを入れんといかんなぁ。色んなこと…
by itoyamamakoto
| 2007-02-20 15:10
| いろんな交流してます