2005年 08月 29日
自治区40周年ですって |
ラサは誕生日パーティーの準備中
【30日=South China Morning Post】
◎北京発各通信社情報まとめ チベット地方政府の成立40周年を祝う式典の準備が昨日行われた。
国営放送が伝えたところでは、中国人民政治協商会議の賈慶林主席はチベット自治区成立を祝う記念の日を前に、代表団を引き連れてラサを訪問した。
木曜日夜に全中国に放映される式典のリハーサルに余念がない着飾った歌い手や踊り手たちの姿もあわせて伝えた。
ある地元政府関係者は賈主席の他にも、チベット仏教界ではダライ・ラマに次ぐ地位にあるパンチェン・ラマ11世も当日の来賓に含まれるだろうとの見方を示した。
北京政府はダライ・ラマが1995年、パンチェン・ラマの転成として認めたチョエキ・ニマではなく、ギャルツェン・ノルブという名の少年(現在15歳)を転成ラマとして認定。一方で、ニマ少年は十数年間に渡って失踪状態にあり、この件について北京政府はニマ少年が「過程で幸せに暮らしている」との主張を続けている。
先週金曜日に開かれた会議で胡錦涛国家主席は、チベットの安定性を保つことの重要性に賛同の意を示した。
新華社通信によると、この会議では「チベット自治区の情勢は中国国家の統合と安定に『深刻な影響』を与えうることが強調された」と説明。
また、チベットはさらなる発展が求められる一方で、地域独自の「現実的な状況」にあわせることを優先する事の重要性、「エネルギー保護と自然保護」の観点も考慮することの必要性にも言及。チベットは、宗教的な活動においても「分裂主義的で破壊的な運動」には毅然とした態度をとり続ける必要がある、とした。
新華社は「チベットが長く平和と繁栄を享受し、人々の生活水準が安定的に上昇するため、開発と安定という二つの重要事項を適切に扱う必要がある」と論評。
北京政府によるチベット統治は、常に政府が人権の侵害と抑圧を続けていると主張する海外の活動家の批判に晒されている。
国連における犯罪者への拷問問題に取り組む専門家、マンフレッド・ノワックは11月に中国大陸を訪れて拷問の状況についての報告の事実関係を確かめるために収容施設などを視察する予定で、調査の間にはチベットも訪れることになっている。
AP通信、AFP通信、新華社通信
◎写真説明:木曜日のチベット自治区40周年記念式典に向けてポタラ宮前でリハーサルを行う僧侶たち/式典参加のためにラサを訪れた国家人民議会常任委員会のライディ副議長を迎えるチベット族の女性
【評】
さあて、これですよ。
前代未聞ではないでしょうが、西藏大学入学拒否事件の背景。
少なくとも主要な原因の一つにはなっているはずです。間違いなく
この40周年式典と国連査察官の収容所視察が、ね。
一般旅行者のチベット入域も厳しくなっていると聞いてますんで、被害者はわたしというより、チベットに向かおうとするまっとうな外国人すべてといってもいいんじゃないでしょうか。
そこまで心が狭い人たちではないと思ってたんですが、実際に心が狭い人たちだった大学の人たちには確かめるまでもない話です。
状況は状況で、向こうさんの立場を理解できない訳じゃないんだけれど、8月20日も過ぎて、しかもこっちの何回目かの問い合わせにようやくメールで返事を送ってくるなんて、さらに一般PCでは文字化けで読めなかったりするなんて、仁義の道から外れてます。
さてこの記事一本を読んだだけですが、香港のチベット報道の基本はさすがに中国の「完全な一部」ということで、台湾ほどあからさまではなし。今のところ中立というか、そうであることをPRするのが一番大切であると言わんかのように、国内と海外の論調を両論併記している、そんな立場のようです。
大陸(中国本土)の新聞でも、「本紙総合報道」みたいな形で、各通信社の原稿を切り貼りして記事を作り上げるということはよくおめにかかります。
でも、さすがに人の土俵で相撲を取るのは恥ずかしいのか、彼の国のプライドが許さないのか、どこのをどう使ったのかなんてのは分からず終い。
それが香港の場合、そのネタ元をきちんと原稿の最後に掲載しているあたりも、それが当然といや当然なんですが、逆にちょっと「リベラルさ」を装っているみたいで嫌らしさを感じてしまいます。
まあそれでも、「世界最年少の政治犯』と呼ばれ、失踪したままとなっているニマ少年のことなんてのは大陸の新聞やテレビでは絶対にお目にかかれない話ですから、そのくだりを実際に記事で見るだけでもやっぱり新鮮な感想を持ちました。
「中国政府は外国人のチベット入域の制限を強めている。特に留学希望者の前途ある希望と未来をつぶしてまで」なんてことまで触れていた日には、もう間違いなく私情を挟んで五つ星だったのですが、まあ北京への毒も一応は忘れていたなかったということで★★★★☆
by itoyamamakoto
| 2005-08-29 21:41
| これは面白ニュース!?