2005年 11月 11日
あくまで紅色旅遊・上 |
秋まっしぐらな今日この頃。
みなさん。いかがお過ごしでしょうか?
秋といえばやはり
食欲の秋。
読書の秋。
スポーツの秋。
そして全てを兼ね備えた「旅行の秋」に収れんされるでしょう。
わが民族大でも留学生向けに修学旅行なるものを準備してくれました。
思い起こせば半年前。
語言大学短期強化班が企画した5泊6日の「あくまで語言実践活動」旅行では河南、陝西両省を巡り、世界遺産を訪ねましたね。(参照→ http://itoyama.seesaa.net/article/3988433.html)
ですが今回は「あくまで紅色旅遊」。
そうそう。
この時期紅葉が綺麗だし。
紅葉がり
なんとも風流じゃないですか。
赤や黄色に燃える山肌。見ているだけでもう感動。
だから目的地は鄧小平故居
ほら、もうバリバリの紅色旅遊でしょ。
中国で一番、誰も文句のつけようのないレッドゾーン。
(紅色旅遊=共産党関連史跡、名所を訪ねる旅)
その神経が素晴らしすぎます。
誰のための修学旅行でしょうか。
もちろんわたしたちのためを思ってのことですよね。
そう思いたいのですが…
またしても湧いて出てきたその他大勢の登場。
誰のためかと首をかしげた歓迎会の時以来。
(→ http://itoyama.seesaa.net/article/7593794.html)
英語科の中国人学生が今度は「ただ食い」ではなく「ただ乗る」ために登場。
バス2台を連ねた総勢約80人はいるはず。
留学生20人。その家族10人。
国際交流事務所の職員ら10人。で残りは全て英語科学生。
なぜ日本語化が動員されんのか。
しょせん日本語なんて日陰のみ。
わたしゃ彼女らが不憫で不憫でなりませぬ。
ところで旅遊参加の留学生に髪の毛が金色、肌の白い人たちはいません。
偉大なる社会主義設計師、鄧小平同志のことなんて全く興味がないのでしょう。
でもこれを知ったらどうかな。
彼らの授業料がそのまま英語科学生の旅行費に充てられてること。
そんなこと知った日にゃ「金返せ」運動が起こりそうです。
さてそんな紅色旅遊ですが、日本人学生の出席率は75%。
たぶんどの国籍の留学生よりも高い出席率を成し遂げました。
以史為鑒
を声高に叫ぶ中国の方々に教えてあげたいですよ。日本人こそ歴史を重んじ、中国の未来をともに考えていこうとする人種だということを。
けっして「参加費タダ」というまばゆい光に吸い寄せられたカメムシ連中ではありませんからね。←ここ強調
成都からは東に約300キロ。
くわしくは広安市HP(http://www.scguangan.gov.cn/new/)を。
決して鄧小平ファンサイトでも、インターネットショッピングのサイトでもありません。
れっきとした行政機関のホームページです。
でもこの町に来れば何がどういうことなのか一目瞭然。
四川省の東の端に位置するはずの中都市に相応しくない巨大な町が建設されています。
江沢民にいわれがあるらしい景徳鎮周辺に最近とてつもない巨大道路が建造されているとか。温家宝の母校だから北京語現大学の南にある地質大学が急にどんどん校舎を建て替えるようになったとか。中国国内に山ほど存在するそんな話の一つ。
◎参考写真1:行き交う人まばら。「暇ですね」「広いですね」と世間話
昨年2004年が鄧小平同志生誕100周年紀念の年だったらしく、広安市の都市計画丸ごと大改造もそうだし、小平故居、記念館もオープンしたのだとか。
さて無駄に四つ星なホテルで昼飯くって荷物おいて、郊外約7キロの目的地に出発。
目指す「鄧小平故里」の入場料は60元(≒900円)。
もともと生家があった付近に記念館を作り、その周囲を全て公園にしました。という場所。敷地面積は約55ヘクタール。
まずもって「さすが中国ね」とうならせてもらったこと。
公園のあちこちには「交通林」「四川林」「北京林」など国の各機関、各省、大都市などが故人に「敬意」を表して寄贈した緑地帯がありました。何と「宣伝文明林」まであったから驚きです。これはもちろんあの「中共中央宣伝部」からの贈り物です。
そんな「○○林」「××林」の一番奥に御大が鎮座しておりました。
銅像。
ですが今もってVIPなので警備員つき。
何かを挑まれているような気になって、お茶目なわたしが考えついた唯一のアイデアがこれ。
◎参考写真2:指でつくったOKの中からシャオピン。う〜んラブリーモード
記念館の中に入ればさらに小平一色。
幼少時代、パリ留学、抗日、新中国成立、失脚、改革開放…と続く中国現代史の本流を生き抜いた彼の生涯が「惜しむことなく」「一滴すら漏らさぬ覚悟で」紹介されてました。
これを40分程度で見てしまえというのは所詮無理な話。
かといって2度と来ることはないだろう場所なんで、かじりついて見せてもらいました。
模範的「紅色」学生ですね。
◎参考写真3:展示はこんな感じ。左斜前からの顔写真が多いことに気付いたのね
最後の故居は普通の四合院づくり。
だれた旅行団はもうだらだらと眺め回るだけ。
バスに乗り込む同学たちを尻目に、残った最後の気力を振り絞り、おみやげ屋をあら探して見つけた逸品。プレイボーイのウサギマークと鄧小平ステッカーが同居したライター。意味深なようなんでとりあえずゲットしときました。ねぎりなし。時は金なり15元なり。
ところでこの日の夜8時半すぎ。
北京奥運会まで残り1000日を切りました。
これを機にオリンピックマスコットが発表されたのはご存知の通り。
貝貝(ベイ・ベイ)はお魚。
晶晶(ジン・ジン)はパンダ。
歓歓(フアン・フアン)は聖火。
迎迎(イン・イン)は藏羚羊。
女尼女尼(ニィ・ニィ)は燕。
5人あわせてゴレンジャイ(嘘)。
ペイジンフアンインニィ=北京はあなたを歓迎します
四川のパンダ、チベットのチベタンアンテロープ。そして北京の燕京ビール(笑)。キャラのデザイン自体はかなり「あと一歩」感はぬぐえないものの、何度となくこのブログで紹介してきたみんながマスコットになったこと。思った以上に親しみ湧いてしまいました。
ところでそのキャラ発表の式典でのジャッキーチェンの役回り。
「ペイジンフアンインニィ」の曲に合わせて舞台に出して人形振らせただけ。台詞もなし。「???」と首をひねったのはわたしだけでしょうか。
「事実求是」
事実に基づいて真実を求めるならば、一体これはどういうこと(笑)。
by itoyamamakoto
| 2005-11-11 17:53
| またまた旅に出ました