2006年 07月 25日
越南美女とはすれ違い |
と、意味ありげなタイトルでしょ?
でもわたしをよくご存知の方ならもう一顧だにしないはず。相変わらずなんにも大したことじゃございません。
昨晩ついに「日本四大都市圏de飲み会in10days」という、チベット仏教の四大宗派本山総参拝にも匹敵するような偉業を成し遂げちゃったわたし。
あとは後進を育てるだけ、もう思い残すことはない
と思ったかどうかは本人のみぞ知るところ。
とりあえずは名古屋から新幹線に飛び乗って、無意識のうちにとんこつラーメンの匂いのする方へと一歩を刻んだのでした。
で、やっぱ新幹線って速いよね。
昼すぎにはホント目の前に純正とんこつ(@住吉亭)があるんだから驚き。
相変わらずこちらさんときたら、超さっぱりスープと仏壇の前に持っていきたくなるくらいの大盛りご飯はともに健在。
ただいくらラーメンで幸せになれたとはいえ、せっかく途中下車したんだし、また快速電車に乗って30分、このまま実家に帰っちゃうのももったいないよなぁ
てな具合にメンを最後のひとすすりした時に頭に浮かんだのが、福岡アジア美術館でちょうどやってた「ベトナム近代絵画展 花と銃—インドシナ・モダンの半世紀」。
そのイベントポスターに掲載されてた展示の目玉といえる作品こそ、越南(ベトナム)美女だったわけ。
せっかくだから彼女に会いに行くか
と腹ごなしに中洲のアジ美までお散歩30分。
もちろんポスター見て気に入っただけだったら、わざわざ高い入場料を払ってまで、要洗濯な下着類を背中にしょってまで、見に行ったりはしません。
そんなんじゃない、わたしと彼女はもっともっと深い縁なんだから…
≫≪≫≪≫≪≫≪≫ と、ここでいきなりセピア色懐古モード ≪≫≪≫≪≫≪≫≪
目が覚めた時、既に2時も近い。おかげであの何とも言えない疲れはおおよそなくなっており、無事外出することとなった。食事をすませ、それから駅の向こう側にある美術博物館を目指す。
近くに軍事博物館というのもあったのだが、時間的に二つとも見て回る余裕はなく、そうなると趣味の観点からも美術館の方になる。
道に迷いながらもたどり着いたそれは、外見は政府の建物と思われても仕方ないくらいに堅い造りだったものの、実際に入り口で金をとられたし、中に入ってみるとやっぱりと言うか美術品が沢山飾られていた。
油絵や水彩などの作品もあることはあるのだが、それらは主に補助的なもののようで、ここでのメインの展示は銅版画やシルクに描かれた作品群。
ベトナム美術界の現状と歴史を知ることができて非常に興味深かったのだが、一方で重要な作品の方は気に入った作品も2・3点しか出会えず(メインに展示されていたものの多くはプロパガンダ的意味合いの大きいものだったので興味の対象とはなりにくかった)、帰りのスーベニアショップにもそれなりの絵葉書は売ってなかった(というか全く絵葉書はなかった!!)こともあり、無駄ではなかったけれど充実した時間を過ごしたとも言いにくいと思う。
まあこれから訪れるであろう町においても、可能なかぎり動物園と美術館巡りは続けていきたいと思う。
(1996年11月23日の日記から)
面白さのかけらもない文章だという指摘は甘んじてゴミ箱の中に放置しとくとして、このときの気に入った作品2、3点のうちの一点ってのが美術館入り口すぐのところにあった作品。
しかも
ベトナム女性にあるまじき、いやベトナム女性の度(範疇)を超えたレベルで白く透き通った肌が印象的な、たぶん18歳くらいの女の子。
青系統を基調にしたその絵はシャガールのような透明感がありつつ、ほんっとにかすかな微笑みはミステリアスなほど東洋チック。あまりに周りの作品と毛色が違いすぎて最初は
へぇ、こんな絵もあるんだね
くらいの印象だったんだけど、その後、じわりじわりと頭から離れない存在になっちゃって、その旅の後半となる約一カ月後、ミャンマーのどっかで出会った日本人から旅の写真を見せてもらってたとき、偶然その作品と再会。
「ほう、ヲタクも彼女を気に入りましたか」
「とうぜんですよ。ヲタクも撮りました?」
「いえ、拙者は…」
などという会話を交わしたとか、交わしていないとか(ナイナイ)。
とにかくそれ以降、わたしにとっての最高の越南美女は相変わらず美術博物館入り口でわたしを迎えてくれた「彼女」であることには変わりなく、ただその後の人生においてあまりに多くの美女にお会いできたせいか(笑)、老齢化にともなう単なる脳細胞の崩壊が原因なのか、最近は思い出すこともなかったというのも事実。
とにかく、更にもう一汗かいてたどり着いた美術館。
はい、展示は一昨日で終わってました。東京でダメ人間たちに囲まれてたときが千秋楽だったのね。そんくらいちゃんとチェックしとかんか、このアホがっ
せめて絵はがきくらい売ってるかも
…いや売ってません。辛うじて閲覧コーナーで図録を眺めることができただけ。
その図録、解説文と作品をいったり来たりしながらよおく眺めてみると、ベトナムに伝わる伝統的な「漆絵」という画法や女性の描き方(タッチ)自体は間違いなく最高の越南美女と同じなんだけど、ずばばり同一人物、あの時の彼女というわけじゃなかったみたい。
つまりは同じ作者による別の作品って可能性高し。
でも、やっぱベトナム人の度を超えたようなベトナム人。
今回福岡に来ていたのがその彼女じゃなくって「リエン嬢」という妹かお姉さんらしきことを知り、安心したようなそれでもやっぱ残念なような…
姉妹に会えればどうにかして本人に連絡とってくれるかもしれないし…
美人の姉妹はやっぱ美人だし…
アホはアホなりに複雑な気持ちやね。
◎参考写真:上列が越南(中央:リエン嬢)で下列が台湾。全部アジ美のHPより
ちなみにそのまま帰るのも敗残兵なので、現在公開中の「日本時代の台湾絵画〜見出された郷土」展というのを見ました。浴衣とヤギの絵がきれいでよかったです。
おわり
by itoyamamakoto
| 2006-07-25 12:08
| まちかど歩けば新発見