2006年 05月 20日
本物の大草原に大感動 |
ホント最後?チベ旅3
成都ー若尓蓋
バファリンの半分は優しさでできています
天才は1%の才能と99%の努力から作られる
とするなら、わたしのライフワークになっちゃった「せこくどん欲な旅」の場合、そのちょうど中間地点。ほぼ80%くらいが「移動」の要素で構成されてるのが現実。
最大で6連休もいただけた(変な日本語)社会人時代や前回の「節操なしの旅」、また今回も同じ。とにかく先(お尻)の日程が決まった旅行だと、目的地に行くためには手段を選ばす。
だから移動にはお金をかけるし、どっちにしろ現地でゆっくりとできないから移動の時間が旅の大半を占めてたってことも珍しくなかったりする。
そういうことで、きのうなぜ成都に戻ってきたのか?
早くも火鍋が恋しくなったのか。
メイニュウたちが恋しくなったのか。
残念ながら(何が?)、移動時間を何とか節約するため、というのが正解。
とにかく北上を続けなければならないわたしにとって、次の目的地は四川省最北部にある「若尓蓋(ゾルゲ)」という町。
日隆にて今後の方針決定を迫られていた昨日正午ごろを起点にすると、
当日 2日目 3日目
→ 小金 → 馬尓康 → 若尓蓋
→ 成都 → 若尓蓋
というチャート図が成り立つというわけ。
四川省の交通機関はすべて成都が起点。たとえ距離的には遠回りになろうとも、効率を考えると断然後者に魅力があるわけで、恥ずかしながらもこっそり「2日目の出戻り」をしちゃったというのが実情。
でも、やっぱり大変は大変。
まずは朝の早さ。
若尓蓋行きバスは毎日午前6時半発と同7時発の2便があって、6時にはチェックアウトして切符を買いにいったんだけど、危うく7時の便でさえ売り切れカウントダウン残り10人くらいの状況。でもわたしより後の座席番号の乗客(=後に切符を買った)は3人くらいしかいなくて、
「あら?中国人も結構計画的なのね」
なんて感心しちゃったりもする。
で、もう一つ大変だったのがその移動距離。実は若尓蓋までは570キロはあろうかという長丁場。
なんだ、高速だったら6時間も必要ないじゃん
と思った輩よ。わたしの前で反省のヒンズースクワット1000回をお願いします。
チベット文化圏での旅の移動を計画するとき、白地図で旅行を想像してはなりません。
ちゃんと高低差の色分けされた地図を見てちょうだい。全行程のうちの約500キロは「茶色、しかも濃い茶色」のエリアになってるでしょ。つまり高速なんて最初の都江堰までの50キロ弱ということ。
わたしの乗った7時発のバス。いったい何時に若尓蓋着になるのか。
まあ、こんな移動は今回に始まったわけじゃなし。
だからこそわたしの旅の80%もの存在感を示しているわけで、移動中には乗客とのやりとりや車窓からの景色なんかを楽しんだり、一人じゃなきゃできないような考え事に浸れるのも当然重要な旅の一部。
◎参考写真1:これは昼飯休憩時に米亜羅付近で見つけた伝統的チベット族住居
ところでこの米亜羅は中国人にとって「中国で最も紅葉の美しい場所の一つ」と言われているらしく、確かに渓谷沿いには約10キロくらいに渡って、葉を青々と茂らせた落葉樹っぽい木々がびっしり。成都から6時間くらいかかっちゃう場所だけど、もし秋に時間がある人だったら1泊2日かけても行ってみる価値あるかも。
そんなことより、出発して6時間経ってもここは米亜羅。残り距離はまだ300キロほどあるってことはいったい到着、いつになるの?
と若干の不安も生じかけたんだけど、これがもう、あっと驚く急転直下。
馬尓康のちょっと手前、1年くらい前にできたらしいトンネルを抜けると、それまで延々続いていた峡谷沿いくねくね道、しかも道路工事も多発地帯、がウソみたい。
何キロか下りの道を走るとあとは一気に草原地帯。
しかも標高3000mの場所にこんな広い草原があっていいのか
と突っ込みたくなるくらいに見渡す限りの大草原。最高でも100mくらいの起伏がある程度で、当然その山(丘)も草に覆われているからのんびりとヤクがお食事を楽しんでいらっしゃったりする。
チベットの他のエリアでも広大な「荒れ地」は何度となく見たことあったんだけど、こんなに美しくて広い草原はテレビで見たモンゴルの草原くらい。
「チベット☆OK牧場」もこんなに「美しく」あらねばいけないのではないか
そんな思いにすら駆られるアムドの大草原。
おかげで道も最後まで平坦。平均速度もそれこそ高速道路なみにかっ飛ばすことができて、目的の若尓蓋には午後6時過ぎに到着したのでした。
◎参考写真2:若尓蓋の丘の上から見た景色。こんな草原を駆け抜けました
明日はまた成都?
いえいえ、北上を続けますよ。
by itoyamamakoto
| 2006-05-20 21:29
| またまた旅に出ました