2007年 12月 26日
爆笑東京Y汁火鍋の会 |
Jawaharlal Nehru大学(JNU)のChandrabhaga寮にくらす日本人留学生の互助団体「チャンドラバーガーズ(CBs)」の伝統、それは、
いつ何時、どのような場所であろうが、「どっきり」はいつも忘れた頃にやってくる
ということ。
どっきりとはちいとばかり聞こえが悪いけど、つまるところは善意の「サプライズ」企画。
誕生会やエイプリルフール、さらにはメンバーのアクシデントだろうが、とにかく面白イベントならばネタとして使わずにはいられない、嗚呼、われわれのお茶目さよ。
そんな中、天然素材な純真さと人の良さから幾度となく楽しませてもらったのが、我々の1年先輩で5月にJNUを卒業したYoちゃんことY次郎(Y汁)さんでした。
たった半年の間に都合3回もひっかかってくれるなんて、これはもう善意による奉仕としか言い様ないくらいの適任者。
ところが、そんなY汁が日本帰国以降、だらけた生活を送っているらしい
社会人スタート当初から「主任」なる肩書きを手に入れ、9時5時勤務は当たり前、とにかく緊張感なくすごしているようだ
などの情報が立て続けに流れてくれば、
「これはどうにかしなければ!」
と心配になる気持ち、親心も同然でしょう。
Y汁ほどの逸材が現在のデリーにいないことも是ありで、じつは10月くらいから下準備を始めておいたのですよ。
題して
「なんとびっくり。牧場主の彼女は中国人?大作戦」
要するにこういう事。
1)狙い:
インドでの刺激的生活を懐かしむあまりに我々CBsとの再会を心待ちにし、さらにわが日記を通じて「自宅火鍋」(四川風鍋パーティ)に並々ならぬ関心をよせるY汁主任。その願い、本人のイマジネーションの枠をはるか飛び越えたスケールでかなえてやるのが現役CBsのつとめでしょうよ、と一服盛らせていただきます。
2)あらすじ:
火鍋の会には、それまで女っ気を全く示さなかった朴訥純情牧場主がなんと「彼女」を引き連れて登場、しかもそれは中国人。Y汁が中国語が分からないのをいいことに、しばらくの間は「彼女」といんちき中国語と片言の日本語で会話を演じ続ける牧場主。頃合いを見て、じつは日本人でしたと明らかにするんだけど、単なる日本人ではなく、同じCBs構成員の姉だったりするから驚きも2倍だというもの。
この十分すぎるプロットのため、
「こんどSkypeする必要ができたんで、日本からWebカメラを送ってください」
と、あえてY汁主任ご指名でお願いのメールを送ったり、向こうからの
「itoyamaさんにぴったりな女性がいるんですよ」
というメールには
「もう少し早く紹介してくれればよかったのに」
などとこれまた意味ありげな返信してみたり、と裏工作を10月には始める本気モードですた。
こうしたすべての汗が結晶となり、火鍋宴のさらなる調味料となるのが本日なのです。
インチキとはいえ少しはT姉に中国語をしゃべらす練習、中国人らしくはげしく食い散らかす練習、をするつもりだったんだけど、結局はなんとかなるでしょう精神。
まずは待ち合わせたJR田端駅前のGUSTOにて、彼女とともに現れたY汁主任に新キャラ「ジーチュエン(T姉名前の中国語読み)」を紹介。
「いやあ、久しぶりやね。じつはわたくし、この度、彼女ができまして、名前はジーチュエンさん」(牧場主)
「日本語を勉強していて、休みを利用して日本を訪れてるんですよ。ちょうど」(Taka)
と話し始めれば、我がことのように喜んでくれる主任。なんていい人なんだ。
「へぇ〜っ。あっ、ニイハオ。日・本・語・分・か・り・ま・す・か?」(Y汁)
あくまで日本語はスロースピード。職業柄か、外国人扱い慣れしてます。
「…はい、少し、たけ」(T姉)
もうこの段階で牧場主&Takaは笑いこらえるだけでかなりの難作業。
懸案だったY汁彼女も隙を見つけてY汁との隔離に成功、かくかくしかじかネタばらして味方につければ、あとは舞台を衝撃の現場となる「Y汁宅」に移すだけでしょう。
いちおう、火鍋隊ですから本日の火鍋についても説明させていただきますと、スープの素は北京の家楽福(カルフール)で購入した「重慶火鍋の素」。および花胡椒も中国からの持ち込んだ本場もん。
さらに日本の中国、池袋西口にある知音マートでは、インドにいる間、夢に出るほど食べたかった「涮羊肉(しゃぶしゃぶ用羊肉)」を大量購入したほか、魚肉団子、香菜など火鍋のマストアイテムをぞくぞくと仕入れて味の面でも、自宅火鍋最高のレベルを実現させたつもり。
だけど、やっぱり、最高の具材(生け贄)はY汁主任以外にあり得ず。
わたしらが台所で準備をしている間も自身もお気に入りの中国人歌手、孫燕姿の音楽を流してジーチュエンを楽しませようと気遣うやさしさ。よく分かるよ、あんたは最高の男さ。
すべての準備が整い、いよいよ待ってましたの火鍋の会スタート。
始めて目にする深紅の地獄油に興奮気味のY汁主任。
さすがにインチキ中国語のネタが尽きたのか、言葉少なになってきたジーチュエン。
もうこれ以上、楽しみを先延ばしすることはできませんし、早く決定的瞬間を見たくてもういてもたってもいられない。
鍋を囲んだ5人全員のコップにビールがなみなみと注がれれば、あとは
「さ、じーちゅえん、你説幾句話吧(あいさつをしな)」(牧場主)
「え〜っ、火鍋といえば9月も終り、デリーで囲んだのが楽しい思い出ですが、またこうして鍋を囲めるとは、ね。皆さんきょうは楽しみましょう!」
といきなり流ちょうな日本語のじーちゅえん。というかここからはT姉さん。
瞬きもできずに表情が完全に固まっちゃったY汁主任。
そして3秒前、
2秒、
1、
0、
「…きっ、きっさまらぁ〜!」
詳しい事情は分からないまでも、またしても「ドッキリ」の餌食になってしまったことだけははっきり認識できたみたい。固まってた顔は一気に溶解、そして沸点までのぼりつめ、紅潮。
三度目の正直どころか、四度目もおやくそく、みごと主演男優賞を獲得してしまった己への怒りなのでしょう、たぶん(笑)
あくまで善意で大芝居を打った我々は、かくかくしかじかと事情を説明したところで、大方の予想通り、「お前らそこに並べ」「正座しろ」とのべつまくなく、いっこうに聞き耳持ってもらえず。もうこうなったら恒例の土下座大会の始まり。この笑いながら土下座をする瞬間が何ともたまりませんな。
久しぶりに経験した気持ちの高ぶりがインド時代の記憶とともに甦ってきたのか、Y汁、彼氏の天晴れさに改めて惚れ直したのか、彼女。この2人だけで、中国帰りで持ち込んだ熟成紹興酒一瓶を空にしてしまったってことは、そうとう楽しんでいただいた、ということになるわけです。
ああ、ほんとうによかったよかった。
皆さん、もう2007年に思い残すことはありません、よね?
by itoyamamakoto
| 2007-12-26 00:54
| いろんな交流してます