2007年 10月 22日
初めて!?チベット美人 |
今年のミスはデリーがお好き:
こんなにすぐに受け入れられるなんて想像もしていなかったの
ミス・チベットに輝いたテンジン・ドルマさんはマニラで開かれる「ミス・アース」コンテスト参加に意欲的。そして戻ってくる場所はデリーなのだった
【10月21日=SUNDAY EXPRESS】 New Delhi:テンジン・ドルマさん(21)はこのほどマクロードガンジ(ダラムサラ)のチベット難民たちによって開かれたささやかなコンテストでミス・チベットの栄冠に輝いた。
生まれも育ちもダラムサラというドルマさんは、飛行機の客室乗務員になることをめざし、トレーニングのため2年前にデリーにやってきた。しかし首都に数多くある養成所のひとつに入るやいなや、彼女は数多くのモデル事務所と契約を結ぶことになった。
「私のことを気にいってもらえるなんて…。だってここじゃあわたしたちは『チンキー(中国人)』とバカにされているし。こんなすぐに受け入れられることは、想像もしていなかったの」。すぐさまトレーニングをやめ、正式にモデル業を始めたという、その経緯について彼女は夢中で話すのだった。
ドルマさんは印刷媒体などでモデルの仕事などをこなしていたが、デリーで生計を立てられるほどの収入は得られず、その後は「コールセンターで働き始めたんだけど、それもうまくいかなくて」という。
そこに道を開いたのがミス・チベットのコンテストだった。「友達に勧められたのがきっかけ。でも優勝するなんて思ってなかった」という彼女。今年で6回目を迎える同コンテストは、2004年のミスが中国政府の圧力のためジンバブエで開かれたイベントへの参加を断られるなど、例年多くの物議を醸している。
これに対し、ドルマさんは11月11日にフィリピンのマニラで開かれる「ミス・アース・コンテスト」にチベット人出場者としてノミネートする準備をしているところだ。
「チベット人のひとりとして、チベットの現状を世界の舞台でアピールできるこの機会を活用したいの。これまでずっと祖国のために何かをしたいと思ってきたし、これこそまさにそのチャンスだから」。彼女の両親は当初、「チベットは国際的に認められていない」という理由から彼女の参加には反対していたが、次第に態度も変わってきているという。
ドルマさんはこれほど大規模なコンテストへの参加を控え、少々神経質になっているとか。
「ミス・チベットはとっても小さなイベント。観衆もほとんどは友達か家族だし。だけど、『ミス・アース』に参加できるような正式な訓練は受けていないから」というのが理由だ。しかしコンテスト参加の準備について話が及ぶと、彼女の表情も一変。ミス・チベットになったことで獲得した副賞10万ルピー(約30万円)で、マニラで必要になるであろう道具や衣装などを購入しているという。
彼女の受賞を誇らしげに語るドルマさんの母親は現在、デリーを訪れており、ヒンディー語での生活に少々困難を感じながらも、Safdarjung Enclaveにあるアパートの一室で非常にリラックスした日々を送っている。
ドルマさんの父親はマクロードガンジにあるホテル・チベットの支配人。ミス・チベットに選ばれたことで、ドルマさんはぜひダライ・ラマに会いたいという。「もし猊下に会えたならば、チベットで人々が直面している問題についてお話ししてみたいの。猊下がアメリカ議会の金メダルを授与されたこと、本当に嬉しいことだわ」。
【評】
チベットに美味しい料理と美しい女性はなし。
都合かれこれ11年におよぶチベ経験から身につけた「生活の知恵」だったはずなのに、ここにきてまず、料理からその「定説」は音を立てて崩れていきました。
先月デリー北部にあるチベット難民キャンプ、マジヌ・カティラで出会ったチベットうどん「トゥクパ」とチベット餃子「モモ」は、牛骨ダシもしっかり髄からしみ出した、やさしくも抜群の味。
そしてチベット美女についてもまたしかり。
先日のインディアンエクスプレス紙、日本の新聞的には「5段ぶちぬき」の超デカサイズでのってたこの写真に驚いてしまったわけですよ。
これがチベット人なのか、と。
これまでのイメージはというと、
目が離れてて、エラが張ってて、色が黒くて…
すべては数千年もの間チベットの高地に根を張って暮らしてきた民族の証しとも言える特徴。
じっさいに昨年度までのミス・チベットについては、この中のどれかの条件を必ずそなえていらっしゃいました。
それが参加基準の一つとでも言うかのように(笑)。
こちら「ミスチベットのホームページ」によれば、実際の基準は:
チベット亡命政府への遺漏なき納税
年齢18歳〜25歳
身長165センチ以上
子どもがいないこと
ってことらしい。
確かにその基準は満たしているんだろうけど、この「ミス」たちを眺めてみるにつけ、
う〜ん。「ミス」ってことばは使った者勝ちなのか…
と思ってましたよ。
ところが、ミス・チベットを取り巻く環境に変化が起こったのは昨年のこと。
初めて導入されたという水着審査が観客の度肝を抜き、その年の優勝者の写真を差し置き、ビキニ・チベ・レディーの写真が新聞にでかでかと掲載されちゃいました。
5ヶ月間におよぶチベット高原での旅を終え、(インド側の)低地におりてきたばかりのピュアな牧場主には
「都会のおなごはここまで進んどったとね」
と目のやり場に困ったもんです。
じっさいこの水着審査、地元ダラムサラでもかなりの物議を醸したようで、世の少なからぬ男とたちの期待を集めていた今年のコンテストでは、水着はめでたくボツになった模様。
でもそのぶん、優勝者テンジン・ドルマさんのように、ほんとの意味で注目を集めるようなミスが選ばれたのは喜ばしいこと。
正直言ってコンテストの様子や、優勝者の紹介写真を見ただけでは、「ふ〜ん、例年よりちょっとはいいかもね」くらいの反応だけだったんだけど、評価が一気に高まったのはやはり冒頭で紹介したインディアン・エクスプレスの写真。
美人顔じゃないけど、スマートさが際だち、モデルさんらしい雰囲気を感じられる。
ひょっとしてこんな今っぽい服を着てナチュラルメークをしたチベット人自体、これまで見たことないから、「馬子にも衣装」という新鮮な驚きだけで、3割増くらい美しく見えているだけなのかもしれず。
だけど、
Dolma stands at 172 cms. Her other vital statistics are: 79-59-89 cms. She likes music, fashion and travelling.
あら、ホントにモデルさんみたいなスタイルなんですな。
ちなみにダラムサラ出身者の受賞は6回目の大会にして初めてとか。チベット人の中じゃバリバリの「都会っ子」になるわけかな。
記事にもあるようにお、父さんはダラムサラのホテルの支配人。将を射んと欲すればまず馬を射よ。娘さんにお近づきになるため、ホテル・チベットに泊まりに行ってみようか
そんな不届きなチベットマニアが今後続出しないとは、だれが言い切れるでしょうか。
わたしだって行きたいかも。それに彼女のアパートがあるデリーのSafdarjung EnclaveってJNUのすぐ近くだし…
そんな冗談はさておき
ダライラマがブッチュから金メダリストをもらい、5年に一度の共産党大会を開催中の北京政府が怒りをあらわにしているのがチベットをめぐる表の世界情勢だとすれば、裏のチベット、すなわちミス・チベットをめぐってもまた世界に通用する革命的な一歩が踏み出されたのだと、わたしは密かに感じ入ってしまったね。
これで「ミス・アース」に参加したテンジン・ドルマさんが、特別賞でもいいから何か賞を獲得できて注目を集めたならば、さらにファン(ライバル?)が増えるのは間違いなし。
当たり前だけど、硬軟あわせてチベットのプレゼンスを高めるのが、チベット問題の平和解決につながる大きな方策のような気がするわけです。
ありきたりの写真、そして記事だけを眺めてただけじゃ決してこんなに高い関心は持たなかっただろうし、カメラマンまで動員して取材したインディアン・エクスプレス紙に感謝の★★★★☆。
by itoyamamakoto
| 2007-10-22 01:11
| これは面白ニュース!?