2007年 07月 15日
大連でホットなものは |
あろうことか、中国西南のはしっこ、雲南省が本場の過橋米線(みしぇん)だったとは驚きでしたねぇ。
とにかく町の中心部だろうが住宅街だろうが、ビーチリゾートだろうが、
「5分歩けばみしぇん屋に当たる」
くらいの遭遇率でした。
この過橋米線。
熱々スープが入った椀(土鍋系)のほか、肉や野菜、鶉の卵などの具、それに米で作った麺(米線)を盛った皿がそれぞれテーブルまで運ばれ、店員がすべての具をどかっとスープに投入。客は火が通るまで1分ほど待機、ようやくいただくというもの。鳥ガラベースのスープの表面には鳥油で膜を張り、汁が冷えるのを防ぐという工夫もあって、とにかく熱々がおいしい麺料理(2006年1月21日「うまい米線やはり地元」より)。
とにかく劇辛好きな中国南西部においては異質なほどにあっさりした味付けが、お腹の弱い某塾長にも好評で、とくに彼の「退院後」などはわたしもお付き合いでかなりの頻度食べておりました。
そんなホットな料理なんだけど、本場を数千キロ離れたこの北の地においてはさらなる発展を遂げていたからさあ、大変。
地元雲南でも、はたまたおとなり四川の成都でも、決してみなかった逸品がこちらの店では当たり前のように置いてます。
ちょっと大きめのプラスチック製醤油さしの中には透明な液体。てっきり「酢」だとばかり思ってたら、これがなんと「麻油(マァヨウ)」というものらしい。
ずばり食べたらしびれる例の「悪魔の実」から作られた合法麻(薬)油。麻辣好きの好奇心を刺激しないわけはない。
この油をかければ、どんな料理だって「悪魔の味」になるわけです。
さすがは魔王の都。お妃候補も
「こっちのみしぇんじゃあ、『麻油味』は当たり前よ」
なかなかしびれることをいってくれるじゃあないの。
早速近くのスーパーで購入しました、が、
ん?
日本風味?
さんしょうゆ?
まあ、いいか。2元(34円)だし。
ところで、魔王さんも先の豆蓉さん同様、「牧場主にはエサをあげときゃOK牧場」の法則を熟知されているらしく、大連滞在中には「ブラジル焼き肉(シュラスコ系)」「純日本風タイ釜飯」に連れてってくれました。
そういや過橋米線もあわせて、ここが大連であることを考えると、きわめて「????」が点灯しますが、それは食に限ったことではなし。
本日連れて行ってもらった町の見どころも、「おーろーすーじえ(=ロシア人街)」だったりしますから。
要するにロシア系おみやげ屋街でして、マトリョーシカ人形、暗視ゴーグル、ロシアタバコ、時計、カメラあたりが人気商品ベスト5か。
もちろん大連では、日本、韓国勢も存在感を大きくアピール。
つまりかつてはロシア、大日本帝国に支配され、韓国とも目と鼻の先という歴史、地理的環境を持つ特別な町だけに、大連では様々な言語や文化が入り交じっている印象。
というか、中国に来て初めて日本(語)が優勢な都市に巡り会ったのかも。
日本食レストラン、日本の服や雑貨を売る店から、夜の闇に輝く怪しいネオンの日本語、地元女性と腕組んで歩く中年世代の日本オヤジまで(あぁ)。
北東アジアのコスモポリタン
というベタな表現がしっくり来る町。
都市の規模から行っても、福岡市とそんなに変わらない大連。距離的にも近いわけで、すでに両都市間には色んな交流があるみたいだけど、「アジアに開かれた」という共通キーワードでうまいこと競い合ってほしいもんです。
具体的なアイデアが何もないのがいいっぱなしのわたしらしいのですが…
追伸:今回改めて思った「他人におまかせ旅はもろ刃の剣」。
思いがけない接待に喜ばせてもらえる反面、ホストへの迷惑考えりゃできないこともある。大連に隣接する旅順地区には中国有数、シルクロードの文物などを揃えた「旅順博物館」があるんだけど、軍事地区のために外国人の個人入域は不可。チベット潜入の血が久しぶりに騒いだものの、その野望は今後のために残しておくことにしました。
追伸2:大連はうわさにたがわぬ「美人の都」だったし、再訪になんの抵抗もありませんから(笑)。
by itoyamamakoto
| 2007-07-15 20:19
| まちかど歩けば新発見