2007年 07月 07日
弁当もって狩りに行く |
きょうは廬溝橋事件から70年。
中国での反日気運が最高潮にまで高まった某年7月7日、廬溝橋にリニューアルオープンした中国人民抗日戦争紀念館に単身乗り込んで、見事、日本人の身分を明かさず門前払いされてすたこら引き返してくるなど、両国の未来を誰よりもあんずる男は、真の中日友好とは何かを改めて考えるべく70年の節目となる本日…
アンズ狩りに行きました(爆)。
もちろん、中日友好はからめますよ。
参加したのは、日本風のアンズのお酒が作りたいという北京の宿主夫婦に加えてグゥシー、ジアージィという宿泊客の日本人女性二人。に加えてわたし。
すでに既報だけど、宿主夫婦は日本留学経験者。単に「今が旬」というアンズを収穫に出かけるだけでは満足できず、
「日本のピクニックみたいにおべんと作っていきましょう」
と盛り上がり始めれば、我らチャンドラバーガーズをその若声で見事騙しきったグゥシー(実は退職主婦)も
「じゃあ、わたしが教えてあげるわよ」
と、今朝は早くから料理教室。
鮭のおにぎりをにぎったり、卵焼きは砂糖を混ぜて家庭風に、さらにキュウリやナスを浅漬けに。わいわいがやがやと、お弁当作りが始まったときからすでにピクニック的ハイテンションに包まれておりました。
どうやら日本の男は料理をしない、と思われているらしく、中国人夫婦にも日本人主婦にも手伝いを求められないのは、寂しいやらありがたいやら複雑な胸中ではありました。
出発したのは午前9時15分。
日本にて一財産築いた漢(おとこ)はマンションに加えて当然のマイカー持ち(名義は嫁方父)だから、車にて一路、北京市郊外にあるという果樹園密集地帯へ。
「この季節はアンズやモモがたくさんなっています」
「果樹園の中ではいくらでも食べ放題。持って帰りたい分だけ最後にお金を払います」
ということなどを説明されながら、さすがに30分も走れば車窓からの景色はズバリど田舎に突入。
目的地までは宿のある恵種北里地区(中心市街地北端)から北西に約30キロ進んだところなんだけど、それでもまだいちおうは語言大学や北京大学などがある海淀区なんだってんだからやはり中国広し、北京も広し。
週末を郊外で過ごそうともくろむ新興小金持ちたちによって引き起こされるプチ渋滞もあいまって、車を降りたのは、「小西山旅游風景区」という看板がちらほら見え始めた約1時間15分後のことでした。
采摘杏(アンズ狩り)→
という看板に誘われて入った一カ所目の果樹園。
そこは青々と葉の茂るアンズの林。数百本と植えられた木はどこもかしこも収穫済みのようで、真っ赤に熟れた実で枝も重そうな木がまばらには見つかるものの、すでに管理人すらおりません。
「泥棒がきたぞぉ!」
「全部いただいちゃうよぉ!」
のどをからしても声がむなしく響き渡るだけ。もう閉園したんなら看板も撤去しなさいよ、という突っ込みむなしく、車移動を再開するよりなし。
さらにじゃっかん高度をあげると、今度はちゃんと入り口に人のいる「采摘杏、桃子」を見つけ、某農家が所有する果樹農園にたどり着いたのでした。
ところで、同行の日本人女性たちは島根や香川出身。佐賀んもんのわたしを加えれば、
「こんな組み合わせ、日本でも初めて。海外じゃありえないでしょう!」
的な「西日本マイナー県トライアングル」を構成おりまして、だから農家訪問自体にはなんの目新しさも感じなかったんだけど、引率役の若夫婦たるや…
アンズやスモモは言うに及ばず、畑のはしに植えてあるキュウリをみつけては、
「これも『狩って』いいのか」と主人に尋ねる若主人。
ぶっといキュウリとこれ以上ない笑顔でツーショット写真におさまる若妻。
なんだなんだ、わたしたちよりぜんぜん都会人ではないか。
と逆カルチャーショック。
そういえば妻は北京、旦那だって数百万都市の長春出身。とうぜん田舎に下放されたような世代でもないから、農家を尋ねるのなんてひょっとして初めてなのかもしれないんだよね。
農業国家中国と先進日本というステレオタイプが100%通用しないことを体感する瞬間でありました。
元々今回のアンズ狩りは夫婦にとってはお酒をつけるため、わたしらにとっては雰囲気を楽しむため、そして忘れちゃいけない中日友好を深めようと言うくらいの目的だったから、実際に収穫した時間は賞味しながら正味30分程度(笑)。
集めた果物類は、アンズ(500グラム/2,5元)を4キロで20元、プラム(500グラム/3,3元)を6キロで40元。それにキュウリを5、6本で合計70元ほど。若夫婦、農家に払っておりました。
ちなみに家の近くの自由市場ではアンズは(500グラム/1,5元)で、プラムは(500グラム/2,5元)くらいなのだとか。現地で購入する方が5割増くらいに高いという日本との逆転現象でも、
「自分で収穫するから新鮮だし、安全です」
という言葉が、中国のお国事情をすべてを表しておりますな。
あっ、いちおう料金には農家の一角でテーブルやイスなんかを使わしてもらえるサービス付きだから、ひとっぱたらきの後は楽しいお弁当会へなだれ込み。
早起きして作ったおにぎり、卵焼き、浅漬けという三種の神器以外に、まるで欧米のホームパーティーのようなトリの丸焼き(約300円)があったり、北京の宝「燕京ビール」もクーラーボックスでガン冷え状態。
よろしいかな、よろしいかな。
これだけ接待してもらえるなんて、何とも贅沢な北京の休日。
当然バカ食いして、帰りの車の中、爆睡させていただきました。
収穫した果物で作る果実酒も来年オリンピック頃には芳醇な味に仕上がっているはずだし、こりゃあ是が非でもまた来なきゃいけなくなっちゃったなあ、北京の家に。
by itoyamamakoto
| 2007-07-07 16:29
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