2007年 04月 25日
いざ庶民の結婚式拝見 |
牧場主、ほぼ3年ぶり、カッターシャツに袖を通しました。
そう、今日はフォーマルなお呼ばれ。
Jawaharlal Nehru大学(JNU)日本語科修士課程2年生、蘇連独楽君(蘇君)の姉ラージェンヌさんの結婚披露宴があると聞いたからには、同行のY二郎にシャツを借りてなんとか形を取りつくろい、いちろ、蘇君家に向かったという成り行き。
ちなみに昨晩の殿上人お宅訪問はポパイTシャツ+破れジーンズ+ビーサンという「ずんだれ具合」。次日本帰ったらシャツとチノパン一組くらいはを持ってこようかと思いました。
ところで、デリー南端に近いJNUから蘇君の実家がある同市北東端のSUNDER NAGRIまではなんと片道約38キロ。小回りが利くバイクでも1時間20分くらいはかかってしまう。
蘇君はこの道のりを3年間、おんぼろバスに揺られ乗り継ぎ、3時間近くかけて通学してたわけだから、まあ頭が下がります。
でもわたしにとってはこの地域まで足を伸ばすのは初めてのこと。
市内を南北に流れるヤムナー川を渡ると、行政区分上はもうちょい「首都」が続くんだけど、言葉や文化はもうおとなりの州、ウッタルプラデシュ文化圏というのが蘇君情報。
メトロが走り、新興住宅街っぽいのが建て始められてても、幹線道路を一歩外れればきちんと「田舎のにおい」がするし、集落内を練り歩くのも牛ではなくて水牛になってるし…
言葉(英語)がほとんど通じないし、道路表記もヒンディー語オンリーになってるのも外国にきてるみたいだし(笑)
とにかくちょっとしたショートトリップモードにギアチェンジできたわけです。
ところどころで渋滞にも巻き込まれ、蘇君の実家に到着したのは午後8時前のこと。
派手な飾り付けがきらきら輝き、白い幕で囲われた大型テントも張られてたりして、すでに周りとは完全に浮きまくった一角で、容易に発見できました。
式は新郎のダルメンドラさん(28)が、蘇君実家に暮らす新婦ラージェンヌ(25)さんを迎えに来るところから始まるらしく、日本では考えられないかもしれないけど、その新郎の予定到着時刻が午後9時。
だから今が8時すぎだろうと、ぜんぜん遅刻ではなし。
というか早くつきすぎてしまった。
当該エリアでは有史以来かと思われる外人の結婚式出席、超VIP扱いなわれわれは特別にビールなぞを振る舞われながら、どっからか「外人情報」を仕入れて無限にわいてくる子どもたちを冷やかしたり、準備の様子なんかをぼぉっと眺めていたんだけど、やっぱりまだまだ時間が余りすぎている。
それでは、と3階にある蘇君の部屋に移動。
っていうか蘇君の実家は2階建て。3階イコール屋上で、だから部屋といっても実際は物置コーナーの一角に簡単な屋根を作って雨露をしのぎ、雨の日も風の日も灯火親しんで勉学を重ね、インド最難関のJNU入学を果たしたという、伝説の場所。
が、板張りのベッドに横になりながら、上弦の月をつまみにアルコール強めのストロングビールをあおり、
「夏だったら外でもぜんぜん快適だよね」
と無責任発言を連発する日本人連中。あんまり気持ちいいもんだから、そのうち眠くなっちゃって、いつの間にかうとうと。
でもまだ大丈夫。
白馬にまたがった新郎率いる総勢約50人のニギヤカシ隊、ある意味予定通り、10時を待たずに到着いたしました(笑)。
ところで今回の新郎と新婦の関係、インドでは「当たり前」なごとくお見合い結婚。事前に一度だけ顔合わせをしていたそうで、ただし、その時も
「じゃあ、ここからは若い人同士にお任せして…」
なんていうお見合いの黄金パターン(妄想上)があるわけでもなく、それどころか当人同士は会話の一つはおろか、面と向かって向き合うこともなかったのだとか。
「息子や娘の伴侶を捜すのが親や家族の役目ですから」
と蘇君。ちなみに彼は5人兄弟の末っ子で上は2兄、2姉。全員同じ流れで結婚相手を見つけていったのだそう。
「じゃあ、蘇君はどうすんのさ」
とかつてのピンク小僧、今は日本留学を控えた「希望の星」に聞いてみたい気もしたんだけど、あえてこの場所で波風たてる必要もなし。その辺は今後マインドコントロールを続けていきましょう(笑)。
新郎は家業として布の販売をやっている人のようで、蘇君の実家も粉をひく職業。
要するに直球ど真ん中な「ザ・しょみん」の結婚披露宴といえるわけで、それをかいま見れるというのもまた一つの経験。
新婦側の親族が新郎に金(金色?)の指輪や金(金色?)の腕時計をプレゼントしたり、なんか呪文のような言葉を延々と唱え続けられたり、親族との記念撮影に応じたり、かなり忙しそうなご様子。
参列者たちは最初の方こそ、その成り行きを眺めていたものの、あとは無料で振る舞われる食事スペースのほうに大挙して押しかけ、ここぞとばかりにおごちそうに舌鼓をうっておりました。
ちなみにこのタダ&食い放題の夕食、ベジタリアン料理という欠点はどう補いようもないとして、その味付けはかなり辛み(唐辛子)を効かせていてわたし好み。
この辺も大学構内やちょっとよさげなレストランで食っている料理とのギャップは顕著。上品ぶってパンチを失った料理なんてわたしの口にはあいません。
あっ、日本食は別ですから、念のため。
そんなこんなで午後11時すぎてもまだまだ終わらぬ披露宴。
蘇君によればこのまま午前2時、3時くらいまで何かが行われ続け、さらに翌日には新郎側の実家でも同じような披露宴が開かれるらしいんだけど、とうぜんお付き合いできるはずもなし。
JNUまでの38キロを考えればそろそろ潮時。縁起がよいとされる「101ルピー」をご祝儀としておさめ、あらためてお二人の幸せを祈願させていただきました。
by itoyamamakoto
| 2007-04-25 21:34
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