2007年 04月 07日
ごっつええでインド人 |
※業務連絡
先の日記「1ヶ月以上も先だけど」で紹介した「一億人の大質問!?笑ってコラえて!」(日本テレビ系列、毎週水曜日よる7:00~7:58)に、わがJawaharlal Nehru大学(JNU)日本語科の学生たちが大挙して登場することになりそうだって話。
放送予定が変わったみたい。4月11日はたぶんなし。また新情報がはいったらお知らせするつもり。ボツにだけはなってないことを祈りつつ…
こっから本編
チャンドラバーガーズきってのお腹の弱い男(Taka)は、最近ブログなんかも更新しちゃったりして、公私ともに
「絶好調っ!」
かと思いきや、好事魔多し。
昨日の学部対抗サッカーの予選試合で負傷、「左足首関節損傷全治3週間」という松葉づえ生活を始めてしまいました。
すでに昨日のうちに病院で診察を受け、かなりご傷心な様子。
それでもだまって療養生活に浸ってられるほど、彼の人生もインド世界も穏やかじゃないみたいで、明日には実父がインド訪問、その案内のために約一週間の国内旅行というハードスケジュールが待ちかまえているような、とにかくタイミング絶妙な男。
ああ、なんでそんなにわたしを笑かせてくれるのですか…
そんなお父上の来印を前に、本日は松葉づえの調達にレッツゴー。
インドの病院の場合、診察はしてくれても松葉づえは自分で都合つけなきゃいけない「掟」があるようで、けが人をバイクの後ろに乗せ、わたしが彼の足となり、松葉づえ探しに東奔西走してきました。
結局たどり着いた全インド医科大学(AIIMS)のそばにある薬局街では、けが人用の便座や歩行補助器なんかが歩道にまであふれるように売り出され、一番安かった木製の松葉づえは一本100ルピー(約270円)。
しきりに
「こんなんで3週間持ちますかねぇ」
と不安そうなんだけど、とりあえずは自力で動き回れるようになったことで心なしか顔色も戻ってきたみたい。でも、そんなんゲットしたくらいでほんとに旅行なんてできんでしょうかねぇ(笑)。
まあ、わたしにできることといえば、べつに病人じゃないんだから精の出るもんでも食わせて少しでも早期回復させましょう、ってことくらい。
だったらもう、
「今晩はすき焼きだぞっ!」
と銘打ってみたわけです。
きのう偶然にも負傷直後のTakaちゃんと出会い、病院への搬送、治療に付き添ってくれたというJNU日本語科2年生のAlvinもあわせて招待。
彼は大成功(!?)のうちに幕を閉じた先のBUNKASAIの日本食屋台部門でも、だれより一番汗を流したスタッフだったわけで、わたしとしても彼の頑張りには何らかのお礼をしなきゃいけない、と思っていたところ。
デリー在住日本人にとって食のオアシス「Yamato-Ya」にて、なにはともあれ牛肉スライス500グラム(計約800円)、そしてすき焼きにはこれまた欠かせない卵については、「生で食べても絶対大丈夫」と評判のKEGGSなるブランド(6個約80円)を調達すれば、準備ほぼ終了、勝ったも同然。
エープリルフールどっきり完落をまだどこかで根に持ち、人間不信に陥りかけている某日本人Y二郎もご機嫌取りのため、あと彼の隠し持つビールほしさに呼んであげることにして、
That's Japanese 火锅!
な会がさあ、始まりましたよ。
ヒンドゥー教では神の使いとして大切にされてる牛の肉にまみれたすき焼き…
しかも純粋なインド人まで丸め込んで悪の道に誘い込んでしまう…
なんたる極悪人
じゃあ、ないよ。
だってAlvinは南部ケララ州の出身。さきの「南インド一周の旅」でも紹介したように、町中のレストランに「Beef Curry」のメニューが堂々とのせられてる土地柄。
さらに彼の一家はキリスト教徒だから、別にヒンドゥーの教えに縛られることもないわけで、
「すき焼きだけど、大丈夫だよね?」
と訪ねれば、もう二つ返事で
「まぁじっ。いいの、ボクもまじっちゃって?超ラッキー」
と諸手を挙げて喜んでたくらい。
だから、日本人3人、インド人1人の鍋やるにはもってこいの4人衆。しばしの間、ただひたすらにもくもくと、牛、しばかせていただきました。
そして食欲も一段落した頃から、場の話題を独り占めし始めるAlvin君。
だってお前さんの日本留学話、そりゃあもうおもろすぎ。とにかく、とびきり濃密な高校3年間を過ごしたみたいなのよ。
そのおもしろエピソードをかいつまんでご紹介しちゃいましょう。
まだ日本に行って間もない頃、別の留学生に「cool(格好いい)」という意味の日本語を尋ねたら「きもい」と教わったとかで、さっそく上級生(日本人)に「せんぱいっ!きもいですね」と大胆発言。有無をいわさず、リアルな回し蹴りを食らった話
や
こちらはホントにまわりから気持ち悪がられた先輩に対して、風呂場にて、別の日本人から吹き込まれたままに「シーマン先輩っ」と呼びかけ、「そのあと湯船に顔突っ込まれ、お湯をたらふく飲まされた」って話
「そりゃあ、もう、高一の時は上下関係も厳しくて大変だったよ」とおもしろおかしく語ってくれるわけ。さらに「本当に楽しかった」という寮生活は2年生になって以降もさらに盛り上がり、
寮訓 一、活気とけじめのある生活を送る
一、素直な心で自己の向上に努める
一、感謝と思いやりの心を持つ
この寮訓からもわかるとおり、本校の寮は、単なる宿舎ではなく、集団生活を通して、よりよい生活習慣や常識、人としての望ましい生き方等を学ぶ「成長の場」です。一部屋に、縦割り編成で6人前後が入り、お互いに協力・配慮しあいながら生活していますが、約40畳の広いスペースでは、窮屈に感じることもありません。また、外国人留学生も共に生活しているため、毎日が国際交流・異文化理解の連続です。
という当該高校ホームページの宣伝通りに高校生活を実践。
夜中10時半の就寝時間以降、寮の2階からパイプを伝って外に出ようとしたら、真下にある一階の窓際でタバコを吸う先生を発見。そのままタバコを吸い終わるまでの10分ほど、
「目を開けちゃダメだ、歯を見せたらダメだ(闇夜に白く光るから)」
と息を潜めて壁に張り付いたという脱寮話。
ホームステイ先でホストファミリーと携帯で長電話していたら、先生に見つかって「出て行け」とおこられ、「あっ、外でなら話していいんだ」と勘違い。しばらく話して部屋に戻ろうとしたら、ドアの鍵を内側から掛けられ閉め出されてたことに気づき、
「こんな時こその秘密の通路」
と例のパイプを伝って無事、部屋に戻って熟睡していたら、困ったのは先生の方。
「もうだいぶ反省しているだろう」
と約2時間後に入り口の扉を開ければ当然Alvinの姿はなし。外国から預かっている生徒が行方不明となったら責任問題なわけで、あせって寮の敷地中を探し回った末、自室のベッドでやすらかな寝息を立てる目標物を発見。
「きっさまわぁ〜!」
と怒鳴られたところで、寝ぼけ眼のインド人はなんのことだか意味も分からなかったのだそう。
もちろん昼間の学校生活でもハプニングはよりどりみどりだったらしく、廊下で友だちとおいかけっこ。前を逃げる友人に自分のスリッパを投げようとしたところ、いきなり前の扉が開いて生活指導の先生登場。
すでに手を離れて前方に飛んでいくスリッパ
時間はいつしかスローモーション
そして見事、神の見えざる手によって顔面にスリッパが命中してしまうお約束。さあてあせったAlvin君。その勢いで、ヘッドスライディングするように土下座。
「すいませ〜ん」
と反省の気持ちを全身で表現すれば、さすがの空手有段者も苦笑いするしかなかったとか。
そんなはちゃめちゃさ加減は彼の後輩たちにもちゃ〜んと受け継がれているらしく、今度は彼の2つ下のインド人留学生男女のエピソード。
まだ高一の青ガキどものくせに、校内でいちゃいちゃやってたところを見つかりおとがめを受けただけでも十分に留学生の身分を飛び越えたやんちゃぷり。
さらには授業中だろうと人前だろうと、たびたび大声で痴話げんかを始めちゃうっていうんだから、先生や生徒たち、真の国際交流、異文化理解とはなんたるか、身をもって感じられたことでしょう。
本当にこの学校の人たちは恵まれてますよね。
Alvinはインドに戻ってからも笑いの神にとりつかれ続けていること間違いなし。帰国後入学したケララ州にあるキリスト教系の大学でもまた、おもろい奴らを引き寄せる。
他人のものを「失敬する」ことが大好きな友人の部屋には、近くの高級住宅街から「なんとなく」いただいてきちゃった、舶来もんの花き類の鉢植えがたくさん並んでいたとか。
園芸好きでしられる寮監(神父)が彼の部屋を訪れたとき、「お好きならぜひ一鉢どうぞ」なんていわれれば、神父さんだって大喜び。
教会の一角に飾って丹念に水やりも欠かさず、大切に育てていたある日曜日、ミサに訪れた元持ち主がその鉢植えを見つけちゃったから、さあ大変。
「神父さま、この鉢植えは…」
「ああ、あなたも分かりますか。これはとっても貴重な種類なんですよ」
「あっ、いえ。この花は誰のものなんでしょうか」
「私のだけど…」
「実は…。私の家から盗まれたものなんですが…」
「えっ〜っ(神父逆噴射)」
ということで「泥棒神父」は血相変えて友人部屋を訪れたのだそうな、めでたし、めでたし。
とにかく、これほどまでに笑いに祝福を受けたAlvin君だから、日本帰国時の土産として「ダウンタウンのごっつええ感じ」のDVDを3枚も購入しちゃった、というのも何となく頷けようかというもの。
「兄貴」
「半魚人」
あたりが好きなキャラで、これまで何度となく日本語科のクラスメートに日本の笑いのオモロサを分かってもらおうとコントを見せてはみたものの、ほとんどノーリアクション。歯がゆい思いを重ねてきたのだとか。
そもそも外国語本格的に勉強した人なら分かると思うんだけど、その国の笑いを楽しめるのって、単なる語学の知識だけではなくて、文化や風俗、習慣に対しても深い理解が必要なわけで、相当な時間と能力、そしてセンスが求められる難事業なのだから仕方がないところ。
そんな笑いにうえた男。
わたしとTakaちゃんにとってはインドにきて最高の原石を発見した気分。いつの間にか「すき焼きの会」が「ごっつええ鑑賞会」に変わってしまい、
「ゴレンジャイ」
「しょうた」
という王道2シリーズを見せてその反応をチェックすれば、80%以上の確率で笑いのツボも押さえているからこれはホントの有望株。
「ごっつええでぇ、インド人」
「さぁてこれから、こやつとどう絡んでいきまひょか」
インド生活にまた新たな可能性を発見した一夜だったのでした。
先の日記「1ヶ月以上も先だけど」で紹介した「一億人の大質問!?笑ってコラえて!」(日本テレビ系列、毎週水曜日よる7:00~7:58)に、わがJawaharlal Nehru大学(JNU)日本語科の学生たちが大挙して登場することになりそうだって話。
放送予定が変わったみたい。4月11日はたぶんなし。また新情報がはいったらお知らせするつもり。ボツにだけはなってないことを祈りつつ…
こっから本編
チャンドラバーガーズきってのお腹の弱い男(Taka)は、最近ブログなんかも更新しちゃったりして、公私ともに
「絶好調っ!」
かと思いきや、好事魔多し。
昨日の学部対抗サッカーの予選試合で負傷、「左足首関節損傷全治3週間」という松葉づえ生活を始めてしまいました。
すでに昨日のうちに病院で診察を受け、かなりご傷心な様子。
それでもだまって療養生活に浸ってられるほど、彼の人生もインド世界も穏やかじゃないみたいで、明日には実父がインド訪問、その案内のために約一週間の国内旅行というハードスケジュールが待ちかまえているような、とにかくタイミング絶妙な男。
ああ、なんでそんなにわたしを笑かせてくれるのですか…
そんなお父上の来印を前に、本日は松葉づえの調達にレッツゴー。
インドの病院の場合、診察はしてくれても松葉づえは自分で都合つけなきゃいけない「掟」があるようで、けが人をバイクの後ろに乗せ、わたしが彼の足となり、松葉づえ探しに東奔西走してきました。
結局たどり着いた全インド医科大学(AIIMS)のそばにある薬局街では、けが人用の便座や歩行補助器なんかが歩道にまであふれるように売り出され、一番安かった木製の松葉づえは一本100ルピー(約270円)。
しきりに
「こんなんで3週間持ちますかねぇ」
と不安そうなんだけど、とりあえずは自力で動き回れるようになったことで心なしか顔色も戻ってきたみたい。でも、そんなんゲットしたくらいでほんとに旅行なんてできんでしょうかねぇ(笑)。
まあ、わたしにできることといえば、べつに病人じゃないんだから精の出るもんでも食わせて少しでも早期回復させましょう、ってことくらい。
だったらもう、
「今晩はすき焼きだぞっ!」
と銘打ってみたわけです。
きのう偶然にも負傷直後のTakaちゃんと出会い、病院への搬送、治療に付き添ってくれたというJNU日本語科2年生のAlvinもあわせて招待。
彼は大成功(!?)のうちに幕を閉じた先のBUNKASAIの日本食屋台部門でも、だれより一番汗を流したスタッフだったわけで、わたしとしても彼の頑張りには何らかのお礼をしなきゃいけない、と思っていたところ。
デリー在住日本人にとって食のオアシス「Yamato-Ya」にて、なにはともあれ牛肉スライス500グラム(計約800円)、そしてすき焼きにはこれまた欠かせない卵については、「生で食べても絶対大丈夫」と評判のKEGGSなるブランド(6個約80円)を調達すれば、準備ほぼ終了、勝ったも同然。
エープリルフールどっきり完落をまだどこかで根に持ち、人間不信に陥りかけている某日本人Y二郎もご機嫌取りのため、あと彼の隠し持つビールほしさに呼んであげることにして、
That's Japanese 火锅!
な会がさあ、始まりましたよ。
ヒンドゥー教では神の使いとして大切にされてる牛の肉にまみれたすき焼き…
しかも純粋なインド人まで丸め込んで悪の道に誘い込んでしまう…
なんたる極悪人
じゃあ、ないよ。
だってAlvinは南部ケララ州の出身。さきの「南インド一周の旅」でも紹介したように、町中のレストランに「Beef Curry」のメニューが堂々とのせられてる土地柄。
さらに彼の一家はキリスト教徒だから、別にヒンドゥーの教えに縛られることもないわけで、
「すき焼きだけど、大丈夫だよね?」
と訪ねれば、もう二つ返事で
「まぁじっ。いいの、ボクもまじっちゃって?超ラッキー」
と諸手を挙げて喜んでたくらい。
だから、日本人3人、インド人1人の鍋やるにはもってこいの4人衆。しばしの間、ただひたすらにもくもくと、牛、しばかせていただきました。
そして食欲も一段落した頃から、場の話題を独り占めし始めるAlvin君。
だってお前さんの日本留学話、そりゃあもうおもろすぎ。とにかく、とびきり濃密な高校3年間を過ごしたみたいなのよ。
そのおもしろエピソードをかいつまんでご紹介しちゃいましょう。
まだ日本に行って間もない頃、別の留学生に「cool(格好いい)」という意味の日本語を尋ねたら「きもい」と教わったとかで、さっそく上級生(日本人)に「せんぱいっ!きもいですね」と大胆発言。有無をいわさず、リアルな回し蹴りを食らった話
や
こちらはホントにまわりから気持ち悪がられた先輩に対して、風呂場にて、別の日本人から吹き込まれたままに「シーマン先輩っ」と呼びかけ、「そのあと湯船に顔突っ込まれ、お湯をたらふく飲まされた」って話
「そりゃあ、もう、高一の時は上下関係も厳しくて大変だったよ」とおもしろおかしく語ってくれるわけ。さらに「本当に楽しかった」という寮生活は2年生になって以降もさらに盛り上がり、
寮訓 一、活気とけじめのある生活を送る
一、素直な心で自己の向上に努める
一、感謝と思いやりの心を持つ
この寮訓からもわかるとおり、本校の寮は、単なる宿舎ではなく、集団生活を通して、よりよい生活習慣や常識、人としての望ましい生き方等を学ぶ「成長の場」です。一部屋に、縦割り編成で6人前後が入り、お互いに協力・配慮しあいながら生活していますが、約40畳の広いスペースでは、窮屈に感じることもありません。また、外国人留学生も共に生活しているため、毎日が国際交流・異文化理解の連続です。
という当該高校ホームページの宣伝通りに高校生活を実践。
夜中10時半の就寝時間以降、寮の2階からパイプを伝って外に出ようとしたら、真下にある一階の窓際でタバコを吸う先生を発見。そのままタバコを吸い終わるまでの10分ほど、
「目を開けちゃダメだ、歯を見せたらダメだ(闇夜に白く光るから)」
と息を潜めて壁に張り付いたという脱寮話。
ホームステイ先でホストファミリーと携帯で長電話していたら、先生に見つかって「出て行け」とおこられ、「あっ、外でなら話していいんだ」と勘違い。しばらく話して部屋に戻ろうとしたら、ドアの鍵を内側から掛けられ閉め出されてたことに気づき、
「こんな時こその秘密の通路」
と例のパイプを伝って無事、部屋に戻って熟睡していたら、困ったのは先生の方。
「もうだいぶ反省しているだろう」
と約2時間後に入り口の扉を開ければ当然Alvinの姿はなし。外国から預かっている生徒が行方不明となったら責任問題なわけで、あせって寮の敷地中を探し回った末、自室のベッドでやすらかな寝息を立てる目標物を発見。
「きっさまわぁ〜!」
と怒鳴られたところで、寝ぼけ眼のインド人はなんのことだか意味も分からなかったのだそう。
もちろん昼間の学校生活でもハプニングはよりどりみどりだったらしく、廊下で友だちとおいかけっこ。前を逃げる友人に自分のスリッパを投げようとしたところ、いきなり前の扉が開いて生活指導の先生登場。
すでに手を離れて前方に飛んでいくスリッパ
時間はいつしかスローモーション
そして見事、神の見えざる手によって顔面にスリッパが命中してしまうお約束。さあてあせったAlvin君。その勢いで、ヘッドスライディングするように土下座。
「すいませ〜ん」
と反省の気持ちを全身で表現すれば、さすがの空手有段者も苦笑いするしかなかったとか。
そんなはちゃめちゃさ加減は彼の後輩たちにもちゃ〜んと受け継がれているらしく、今度は彼の2つ下のインド人留学生男女のエピソード。
まだ高一の青ガキどものくせに、校内でいちゃいちゃやってたところを見つかりおとがめを受けただけでも十分に留学生の身分を飛び越えたやんちゃぷり。
さらには授業中だろうと人前だろうと、たびたび大声で痴話げんかを始めちゃうっていうんだから、先生や生徒たち、真の国際交流、異文化理解とはなんたるか、身をもって感じられたことでしょう。
本当にこの学校の人たちは恵まれてますよね。
Alvinはインドに戻ってからも笑いの神にとりつかれ続けていること間違いなし。帰国後入学したケララ州にあるキリスト教系の大学でもまた、おもろい奴らを引き寄せる。
他人のものを「失敬する」ことが大好きな友人の部屋には、近くの高級住宅街から「なんとなく」いただいてきちゃった、舶来もんの花き類の鉢植えがたくさん並んでいたとか。
園芸好きでしられる寮監(神父)が彼の部屋を訪れたとき、「お好きならぜひ一鉢どうぞ」なんていわれれば、神父さんだって大喜び。
教会の一角に飾って丹念に水やりも欠かさず、大切に育てていたある日曜日、ミサに訪れた元持ち主がその鉢植えを見つけちゃったから、さあ大変。
「神父さま、この鉢植えは…」
「ああ、あなたも分かりますか。これはとっても貴重な種類なんですよ」
「あっ、いえ。この花は誰のものなんでしょうか」
「私のだけど…」
「実は…。私の家から盗まれたものなんですが…」
「えっ〜っ(神父逆噴射)」
ということで「泥棒神父」は血相変えて友人部屋を訪れたのだそうな、めでたし、めでたし。
とにかく、これほどまでに笑いに祝福を受けたAlvin君だから、日本帰国時の土産として「ダウンタウンのごっつええ感じ」のDVDを3枚も購入しちゃった、というのも何となく頷けようかというもの。
「兄貴」
「半魚人」
あたりが好きなキャラで、これまで何度となく日本語科のクラスメートに日本の笑いのオモロサを分かってもらおうとコントを見せてはみたものの、ほとんどノーリアクション。歯がゆい思いを重ねてきたのだとか。
そもそも外国語本格的に勉強した人なら分かると思うんだけど、その国の笑いを楽しめるのって、単なる語学の知識だけではなくて、文化や風俗、習慣に対しても深い理解が必要なわけで、相当な時間と能力、そしてセンスが求められる難事業なのだから仕方がないところ。
そんな笑いにうえた男。
わたしとTakaちゃんにとってはインドにきて最高の原石を発見した気分。いつの間にか「すき焼きの会」が「ごっつええ鑑賞会」に変わってしまい、
「ゴレンジャイ」
「しょうた」
という王道2シリーズを見せてその反応をチェックすれば、80%以上の確率で笑いのツボも押さえているからこれはホントの有望株。
「ごっつええでぇ、インド人」
「さぁてこれから、こやつとどう絡んでいきまひょか」
インド生活にまた新たな可能性を発見した一夜だったのでした。
by itoyamamakoto
| 2007-04-07 17:59
| いろんな交流してます