2007年 03月 23日
結局のところ…飲み会 |
「itoyamaさん、やっぱ……、むりかも」
どうも留学中に親しくなる日本人のうちでも特に「胃腸に弱い」方とご縁があるらしく、成都では塾長が、そしてここデリーではTakaちゃんの胃腸が定期的に反乱をおこします。
今年に入ってからはしばらくなりを潜めていたのに、BUNKASAIのフィナーレにあわせて不穏な動きを始めたTakaちゃんの胃腸。よりによってこの大切な時期になって痛みがピークに達しちゃったようで、さっきの「むりかも」発言。
何が「よりによって」かって?
本日夜、Jawaharlal Nehru大学(JNU)日本語科博士課程以上の学生を中心にチャンドラバーガにお招きしての「お疲れさま会」が開かれる予定だったのね。
日本語科では本年度からインド初となる博士課程の学生の受け入れを始め、今のところ学生は5人。なぜがみんな女の子で、よりによって「めいにゅう」ぞろい(情報筋)。
今回の参加者はそのうちの4人に加えて修士課程男子学生、同課程OBの計6人。皆さん日本留学1年以上の経験があるという言葉も文化もかなり日本を知ったメンツばかり。だから日本人サイドも気兼ねなく、そして楽しく華のある飲み会ができると期待していたんだけど…
胃腸の反乱に苦渋の決断をくだしたTaka氏。
急きょ開始予定時刻の1時間ほど前になって「ごめんなさい」の電話を入れておりました。
「いちおうお見舞いに来るんだって。二人。あ〜ぁ、飲み会、超楽しみにしてたのに」
とまだまだ心残り感あふれるせりふ連発、胃腸に巣食うモンスターへの恨み節が絶えません。
「体調万全なときに思いっきりはじけた方がいいって」
と慰めというかあきらめさせようと言葉を選ぶわたし。
とりあえずお見舞いに来てもらった学生にあらためてお腹の事情を話し、その後はイベントの会計処理の話や別の機会にまた席を設けましょうなどという話をぼつぼつと。
そん中でわたしの興味をひいたのは、日本食屋台部門の出費と売れ行き低調ぶりがイベント全体の収支に赤信号をともしているという、忘却の彼方に追いやってしまいたいような事実にではなく、今目の前にいる修士と博士の学生二人がインドのテレビで放映されている「クレヨンしんちゃん」の翻訳のバイトをやっているということ。
クレヨンしんちゃんについては、その「子どもらしからぬ言動」が青少年の健全育成によろしくない、という議論がインドでも巻き起こってる最中で、その件についてはインド師匠アルカカットさんのブログ「Shin Chan、最も人気かつ最も不人気のアニメに」に詳しくあります。ご参照を。
ふたりは問題が浮上する前から翻訳のバイトをしていたとかで、日本語の台本を元に映像を見ながらせりふを英訳するというのが仕事内容。
さらに別のスタッフが英語からヒンディー語に翻訳して、お茶の間に届けていたしいんだけど、社会問題になってからは「日本語→英語」の段階、つまりこの場にいる学生たちの裁量で「教育上よろしくない」と思われるすべての「下ネタ」や「親を侮辱するようなせりふ」をカット、適当な台詞に置き換えることまで要求されるようになったのだとか。
毒を抜かれた「のはらしんのすけ」には何の魅力も感じないじゃん
と思いつつも、そんなストーリーの手直しまで彼ら彼女らが行っていることには正直びっくりマーク。
ただし、「清濁併せのむ」ことはインド人の得意技なわけだから、彼らもいってたんだけど、
「今は漫画やアニメを子どもの頃から見て育った世代がようやく20歳前後になったばかり。今後もう少し時間がたってその世代が子を持つようになったら、漫画やアニメにも理解を示す大人たちも増えるし、変な自主規制をすることもなく、内容も成熟していくだろう」
ってはなしを聞いたときには思わず納得しちゃったよね。
この分野では世界ナンバーワンゆるぎない日本のソフトパワーの伝達者としてであれば、草の根、マスのレベルに目を向けた日本とインドの新しい関係の構築、醸成に貢献できるわけで、インドに進出した日系企業で働くよりこととは次元の違ったやりがいを感じられるはず。
学生たちにはそんな役割の第一線にい続けてもらいたいもんです。
そんな日印交流のお話。
色んな面白い側面があるんだよねぇ、なんて感心するわたし。話も盛り上がればTakaちゃんの調子もあがってきちゃったようで、腹の虫もどこかで休眠状態。
そしてキャンセル情報はちゃんと伝わってたはずなのに、こちらもいつの間にか、ひとり、ふたりと現れる飲み会参加者たち。夜の12時をすぎた頃には、あらら、フルメンバーが集合しておりました。
今回のメンツ、ベジタリアンはおりますが、基本皆さんお酒はOK牧場。とくに梅酒が大好きなあたりは日本の女子たちと何ら変わりません。
しんちゃんの「ぞうさん」「大人の時間」ネタで爆笑するめいにゅうたち。
よろしいです。
「インドってもう『むちゃくちゃ』だよね」
自虐ネタも交え、笑いを分かってらっしゃいます。
それでいて
「でも日本に行ってみて、外国に出てみて、インドのことが好きになった」
押さえるとこは押さえてます。
盛り上がり続けるみなさん、わたしの初体験はもう一つ。
インドで酒の席には欠かせないという「わたしは〜をしたことがありません」ゲームの始まり始まり。
ルールは簡単で、メンバーが一人ずつ「わたしは〜をしたことがありません」と打ち明けて、自分もそれに該当するんだったらセーフ。反対にその「〜」を経験済みならば罰ゲームとしてそれぞれお酒を一口ずつというもの。それを全メンバーで順番に回していくというわけ。
たとえば、
「わたしはインドで映画を見たことがありません」→見たことある人は全員お酒
「わたしは肉を食べたことがありません」→ならばベジタリアン以外はみんな酒
こういった内容はソフト路線。もちろん皆さん酒が入って盛り上がってきたならば、
「インド人女性に興味を持ったことがありません」
「わたしは外国人とつきあったことがありません」
「異性と一晩過ごしたことがありません」
などという質問もありなわけです。
ただしイエスかノーで答えるだけだから、その後の細かいつっこみは御法度。
場の雰囲気を壊さなければ、作戦次第でけっこう色んな聞き方があるんだなぁと取材方法の勉強にもなりました。ちなみにあの場においてどんな質問が飛び交ったのか、についてはすべてご想像にお任せすることにいたします(笑)。
とにかくゲームは延々と4時をすぎた頃まで。
はたしてこのゲームが日本でうけるかどうか、関心のある方は是非やってみてください。いずれにせよ、これはもうまごうことなき完全無欠の飲み会でしょう。終盤戦、さすがに朝型のわたくしにはつろうございました。
おやすみなさい
by itoyamamakoto
| 2007-03-23 18:45
| いろんな交流してます