2007年 03月 19日
まさかまさかでDJが |
「makotoさん、実は…」
日本語学科のDJこと、インド人版Dr.ワリオこと、要するに今度のBUNKASAIでわたしと日本食部門の共同責任者を務めることになった帝辣激君(帝君)が、そういって電話かけてきたのはつい3日前のこと。
あん時は当初予定していた学校中庭の使用申請が認められず、仕方なく裏庭に会場を設置するしかなくなったというありがたいお知らせでしたな。
そして本日もまた…
「makotoさん、実は…」
で今度は何かっていうと、いよいよ始まってしまったJawaharlal Nehru大学(JNU)日本語科学生による日本文化紹介イベント「BUNKASAI」日本食屋台の現場販売責任者となったアルウィンからの恨み節。
「DJさんが消えました」
日本の高校に一年間留学経験のあるアルウィン。
まだ学部2年生ながら、修士、博士課程のどの学生よりもこなれた日本語を使いこなせる彼だけに、うちからわき上がる怒りも相当だったのか。実際には上記のような穏やかな口調であるはずもなく、もめ事大好きなこの日記であってもかなりオブラートに包まなきゃいけないほど過激なお言葉でご不満をたれてくる。
そういや、実際にDJの姿を見たのは建物内メーンステージで開会式が始まる直前くらいまで。
その時間帯、我々日本食部門は裏庭会場にて来るべきイベントスタート(11時)にむけて炭をおこしたり、天ぷらの衣を準備したり、油をわかしたり、最終準備に追われてるはずなんだけど、
そんなタイムリミットを設定して慌ただしく行動していたのはわたしを含めてほんの数人だけ。
そんながんばりやさんたちに何の声をかけることもなく、平然と建物内に消えていくDJとその取り巻き数人の姿を見送りながら、
「ったく、最高責任者が自分の持ち場を離れるとはなんたること。でも、会場の人入りを気にする先生たちから『開会式には参加しないさい』っていわれてるんだったら断れないし…」
と善意の解釈をしたのが、かれこれもう5時間ほど前の話。
この間、アルウィンと2人三脚、売り上げは全くかんばしくないながらも、降ってはわいてくる諸処雑多なよしなしごとをこなしていたから、DJさんについては忘却の彼方。
いったいどこで何やってんだい、DJさん?
わたしには
「イベントの日に授業がある?それはさぼってくださいよ」
なんて言ってたじゃん。自分はそのイベントさぼってないかい?
これまで何度も繰り返してるようにこのBUNKASAIは「日本語を学ぶ学生による日本文化紹介イベント」だから、総合アドバイザーたる肩書きをもらったわたしの立場、考えは、
分からないことがあれば一緒に考えるし、アイデアを提供します。でも主体は学生たち。なるべく自分で頭をひねってもらい、成否は抜きに自分たちのイベントとしてゴールテープを切ってほしい
とDJにもさんざん言ってきたのに、その彼に現場放棄されちゃうとコンセプトがたかたじゃないっすか。
そもそも
売り上げ、今、どんな調子?
なにかトラブルは起こってない?
なんて気になるもんでしょ。イベントの滑り出し、成り行きを大所高所から観察して、うまくいってないところがあれば修正を指示していくってのが、現場最高責任者のつとめだと思うじゃない。
いや、そうじゃないのがDJらしい。
ほかの学生に聞いても誰一人その所在を知るものなし。携帯に電話をしても「現在、電波の届かないところか電源を…」で、完全に連絡が取れない。
もう完全に失踪ですよ(笑)。
と思って本気で心配し始めたころ、イベント総合プロデューサー(上司)たるTAKAさんに電話をかけてもらうと、ようやく電波が通じたみたい(笑)で「今、買い物をしています」とのお答え。
彼が手配していた夜間照明のセッティングとかも、当然彼のいないときに取り付け業者がやってくるわけだから、わたしとアルウィンの指示でなんとかそれっぽいライティングに仕立てて、夜の部が始まっちゃったわけ。
夕方7時、ようやくわれわれの前に姿を現してくれたDJ。
何か買い物をしてきたという跡形は特に見られず。そして屋台の仕事に戻ることもなく、一緒に連れてきた日本人のおっちゃん3人の専属通訳であるかのように、ひたすら彼らの話し相手を務めているだけ。
「ごめんなさい」
が聞けるとは思ってません。
「おつかれさまです」
くらいは聞きたかったかな。
でも、いきなり
「天ぷら15ルピー(約40円)は高いですね」
は聞きたくなかったかな(笑)。
だって具材4つで15ルピーは相当前から決めてたわけだよね。当然あなたも交えて…
「はい」「そうですね」「それでいいと思います」
これまでの打ち合わせで彼の口から飛び出していたせりふの数々が、彼の本意でも何でもなく、そのかわり彼なりに秘めたプランを持ってりゃいいんだけど、何のアイデアもない単なる調子あわせだけ言葉だったとしたら、
こりゃあちょっと油断しすぎたのかも。こんままで大丈夫?
と黄色信号がともり始めた初日の夜。
でも徹底的に怒るような気持ちになれないのは心のどこかで「まあよかった、よかった帰ってきて」と思う気持ちがあるからでしょうか。
教訓:どうせさぼるなら相手に怒りを通り越して心配させるくらいにさぼり尽くせ
by itoyamamakoto
| 2007-03-19 14:43
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