2007年 03月 09日
硬派なネタのはずが… |
はい、はい、頭を切り替えましょう。
本日はデリー市内で開かれた日印シンポジウム 「アジア地域統合の中の日印戦略的パートナーシップ」をのぞいてきました。そう、授業(計3時間半)をさくっとさぼって。
もうこの日記の読者さんたちにはおなじみになった2007年日本インド友好年(INDO-JAPAN FRIENDSHIP YEAR)の関連行事で、日本の外務省とインド工業連盟(CII)の共催。
テーマの通り、かなりお堅い話たち
「アジア地域統合の全般的展望、理念・原則・基本戦略」
「東アジア/アジア太平洋における機能協力の進展と日印の役割」
「南アジアにおける地域統合の進展と展望、日印の貢献」
が、午前9時半から午後4時半までがん首並べておりまして、登壇するのも一部財界、外交関係者以外は日印両国の名の通った(らしい)アカデミック(研究者)さんたちだから、大学の授業抜け出した意味があまりないとも言えますが…
とにかくそういったお話が嫌いなわけではなく、さらに友好年前半の官製イベントとしてはたぶん最大規模だろうから、日ごろ全く縁のない在デリー日本大使館のアレンジ能力拝見の意味もこれあり。
ちなみに年末には日本の首相の訪印が予定されてて、だから友好年後半にはもっと大きなイベントがあるのかもしれず。ついでにそのときの首相も誰かはしれず(笑)
会場は市内有数の五つ星ホテル「マウリヤ・シェラトン」にある大ホールで、300人以上の観客で満員状態。
ほとんどは背広にネクタイのオジさん(日:印≒3:7)たちだけど、時に若いのがいるなぁ、なんて思ったらほとんどがどっかで見た顔というか、Jawaharlal Nehru大学(JNU)勢。日本語学科の学生か、国際政治学部東アジア専攻の学生、もしくは日本人留学生だったりする。
「ふむふむ、さすがはエリートさんたち。印日関係の将来にひとかたならぬ関心を寄せているようで、これで両国の未来も安泰か」
などと感心するよりも、
「こいつらみんな高級ホテルの昼飯目当てにきてんじゃねぇの?」
と思ってしまうのは、思ってしまう本人の心にやましいとこがあるから。インドに来て知ったんだけど、こういうシンポの場合、昼飯は立食形式で参加者は食べ放題。
日印交流にふさわしく、あわよくば日本食も…
なんてことまで期待してたんだけど、大使館側もそこまで気が回らなかったのか、それとも予算上の問題なのか。実際の食事はインチキ中華とまあまあな洋食イタリアン系どまり。
もちろんインド料理もあったらしいんだけど、わたしの視界には一切入らず。その代わりJNUを代表するくらいの勢いで、インド料理以外をしばき倒してやりました。
シンポ本体の話をしないまま食い物に飛びついてしまっては、それこそいつもの日記と変わらなくなってしまうんで、かる〜く(笑)本筋にもふれさせてもらうなら、
やはりナマで話を聞くのは色んな収穫があるんだってことを改めて実感。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の元弁務官として名をはせた緒方貞子さん(現国際協力機構理事長)の英語は、話の内容はさておき、本当になめらかな発音だったし、対する某国のA外務副大臣の場合、日朝交渉の成り行きに気が気じゃないにしても、原稿棒読みのあの英語はひどすぎ。
もちろん英語ぺらぺらであっても、日本側登壇者たちの話は総じて面白くない。
アジアにおける多国間協力について、安全保障の分野から、経済協力の分野からの分析をご披露するわけだけど、それ自体は会の趣旨とも合ってるわけで、じゃあ何が悪いのかといえば、そもそもインドの専門家がいないのだから、しょうがない。
「インドには初めてきた」
と堂々と宣言するような人たちがアジアにおける日印関係のことを論じても机上の空論というか、説得力に欠ける点は否めないわけでして…
まもなくKO大学に日本初の南アジア学科(専攻?研究所?)ができるって話を最近聞いたんだけど、本当の専門家が育つのはまだ当分先のことなんでしょうな。それこそ、日本の国内総生産(GDP)がインドに抜かれるらしい2030年くらいなのかも(笑)
ついでにいうと、インド側の登壇者たちの話の方がまだ面白かったとはいえ、新聞のコラムやJNUでも度々開かれてる外交フォーラムとかで見聞きしたような内容と大差なし。
もちろん一般来場者の場合、そうした話を聞く機会も今回が初めてだったんだろうから意味があったといえなくもなし。逆に考えれば、冒頭で「これじゃ授業さぼった意味がない」って冗談で書いたんだけど、JNUってけっこう恵まれた環境なんだってこともまた言えるのかもしれない。
とはいえ、前述の通り、昼飯タイムで腹一杯になったのと時を同じくして、わたしの知的好奇心も膨満感に苛まれはじめ、何の未練もなく会場を後にしてしまったのでした。
後記:
会場のシェラトンホテルはインドにありながら外界とは隔離された現代版マハラジャ宮殿。一泊300ドルは当たり前。つまりはお金の価値も一気に桁二つくらいインフレするから、日本人なわれわれも興味津々。ちょっぴり内部を散策した後、TakaちゃんとBarで小休止することに。
「こんな所のコーヒーって一杯いくらするんかねぇ」
「まあ、いってみましょうよ」
でも、ただ入るだけじゃ面白くないから手に汗握るじゃんけん合戦。あいこ2回をへて、日ごろの行いの差でわたしが勝利(おごられ役)。
インドといえば紅茶のイメージだけど、それなりの規模の町ならコーヒーもそれなりに普及しており、街のスタンド、特に南インドでは安いのが5ルピーくらいから。そしてインド版スターバックス「バリスタ」では50ルピー前後。
とくれば、はたして5つ星ホテルのコーヒーは一杯いくらなのか…
…175ルピー(税抜き、約480円)でございました。
これがタダで飲めるんだから、うれしくないはずがなし。
さっ、さらに、コーヒー&紅茶はメニューの末席をけがす最安商品で、かなり豊富なカクテル群などは驚くべきことに一杯800ルピー(約2200円)前後なんだって。
このインドという国、コーヒーすら飲めない人、街角では飲める人、スタバ系カプチーノに手が届く人、コーヒー自体の価値の数倍のお金を払える人という、現代版4種類の身分制度があるってこと、しみじみ感じさせていただきました。
ところで会計時、
「すいません、itoyamaさん。手持ち足りないんで、お金かして」だって。
これじゃ、まったくおごってもらった気になれないんですけど(笑)
本日はデリー市内で開かれた日印シンポジウム 「アジア地域統合の中の日印戦略的パートナーシップ」をのぞいてきました。そう、授業(計3時間半)をさくっとさぼって。
もうこの日記の読者さんたちにはおなじみになった2007年日本インド友好年(INDO-JAPAN FRIENDSHIP YEAR)の関連行事で、日本の外務省とインド工業連盟(CII)の共催。
テーマの通り、かなりお堅い話たち
「アジア地域統合の全般的展望、理念・原則・基本戦略」
「東アジア/アジア太平洋における機能協力の進展と日印の役割」
「南アジアにおける地域統合の進展と展望、日印の貢献」
が、午前9時半から午後4時半までがん首並べておりまして、登壇するのも一部財界、外交関係者以外は日印両国の名の通った(らしい)アカデミック(研究者)さんたちだから、大学の授業抜け出した意味があまりないとも言えますが…
とにかくそういったお話が嫌いなわけではなく、さらに友好年前半の官製イベントとしてはたぶん最大規模だろうから、日ごろ全く縁のない在デリー日本大使館のアレンジ能力拝見の意味もこれあり。
ちなみに年末には日本の首相の訪印が予定されてて、だから友好年後半にはもっと大きなイベントがあるのかもしれず。ついでにそのときの首相も誰かはしれず(笑)
会場は市内有数の五つ星ホテル「マウリヤ・シェラトン」にある大ホールで、300人以上の観客で満員状態。
ほとんどは背広にネクタイのオジさん(日:印≒3:7)たちだけど、時に若いのがいるなぁ、なんて思ったらほとんどがどっかで見た顔というか、Jawaharlal Nehru大学(JNU)勢。日本語学科の学生か、国際政治学部東アジア専攻の学生、もしくは日本人留学生だったりする。
「ふむふむ、さすがはエリートさんたち。印日関係の将来にひとかたならぬ関心を寄せているようで、これで両国の未来も安泰か」
などと感心するよりも、
「こいつらみんな高級ホテルの昼飯目当てにきてんじゃねぇの?」
と思ってしまうのは、思ってしまう本人の心にやましいとこがあるから。インドに来て知ったんだけど、こういうシンポの場合、昼飯は立食形式で参加者は食べ放題。
日印交流にふさわしく、あわよくば日本食も…
なんてことまで期待してたんだけど、大使館側もそこまで気が回らなかったのか、それとも予算上の問題なのか。実際の食事はインチキ中華とまあまあな洋食イタリアン系どまり。
もちろんインド料理もあったらしいんだけど、わたしの視界には一切入らず。その代わりJNUを代表するくらいの勢いで、インド料理以外をしばき倒してやりました。
シンポ本体の話をしないまま食い物に飛びついてしまっては、それこそいつもの日記と変わらなくなってしまうんで、かる〜く(笑)本筋にもふれさせてもらうなら、
やはりナマで話を聞くのは色んな収穫があるんだってことを改めて実感。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の元弁務官として名をはせた緒方貞子さん(現国際協力機構理事長)の英語は、話の内容はさておき、本当になめらかな発音だったし、対する某国のA外務副大臣の場合、日朝交渉の成り行きに気が気じゃないにしても、原稿棒読みのあの英語はひどすぎ。
もちろん英語ぺらぺらであっても、日本側登壇者たちの話は総じて面白くない。
アジアにおける多国間協力について、安全保障の分野から、経済協力の分野からの分析をご披露するわけだけど、それ自体は会の趣旨とも合ってるわけで、じゃあ何が悪いのかといえば、そもそもインドの専門家がいないのだから、しょうがない。
「インドには初めてきた」
と堂々と宣言するような人たちがアジアにおける日印関係のことを論じても机上の空論というか、説得力に欠ける点は否めないわけでして…
まもなくKO大学に日本初の南アジア学科(専攻?研究所?)ができるって話を最近聞いたんだけど、本当の専門家が育つのはまだ当分先のことなんでしょうな。それこそ、日本の国内総生産(GDP)がインドに抜かれるらしい2030年くらいなのかも(笑)
ついでにいうと、インド側の登壇者たちの話の方がまだ面白かったとはいえ、新聞のコラムやJNUでも度々開かれてる外交フォーラムとかで見聞きしたような内容と大差なし。
もちろん一般来場者の場合、そうした話を聞く機会も今回が初めてだったんだろうから意味があったといえなくもなし。逆に考えれば、冒頭で「これじゃ授業さぼった意味がない」って冗談で書いたんだけど、JNUってけっこう恵まれた環境なんだってこともまた言えるのかもしれない。
とはいえ、前述の通り、昼飯タイムで腹一杯になったのと時を同じくして、わたしの知的好奇心も膨満感に苛まれはじめ、何の未練もなく会場を後にしてしまったのでした。
後記:
会場のシェラトンホテルはインドにありながら外界とは隔離された現代版マハラジャ宮殿。一泊300ドルは当たり前。つまりはお金の価値も一気に桁二つくらいインフレするから、日本人なわれわれも興味津々。ちょっぴり内部を散策した後、TakaちゃんとBarで小休止することに。
「こんな所のコーヒーって一杯いくらするんかねぇ」
「まあ、いってみましょうよ」
でも、ただ入るだけじゃ面白くないから手に汗握るじゃんけん合戦。あいこ2回をへて、日ごろの行いの差でわたしが勝利(おごられ役)。
インドといえば紅茶のイメージだけど、それなりの規模の町ならコーヒーもそれなりに普及しており、街のスタンド、特に南インドでは安いのが5ルピーくらいから。そしてインド版スターバックス「バリスタ」では50ルピー前後。
とくれば、はたして5つ星ホテルのコーヒーは一杯いくらなのか…
…175ルピー(税抜き、約480円)でございました。
これがタダで飲めるんだから、うれしくないはずがなし。
さっ、さらに、コーヒー&紅茶はメニューの末席をけがす最安商品で、かなり豊富なカクテル群などは驚くべきことに一杯800ルピー(約2200円)前後なんだって。
このインドという国、コーヒーすら飲めない人、街角では飲める人、スタバ系カプチーノに手が届く人、コーヒー自体の価値の数倍のお金を払える人という、現代版4種類の身分制度があるってこと、しみじみ感じさせていただきました。
ところで会計時、
「すいません、itoyamaさん。手持ち足りないんで、お金かして」だって。
これじゃ、まったくおごってもらった気になれないんですけど(笑)
by itoyamamakoto
| 2007-03-09 02:09
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