2007年 02月 21日
走り出したよBUNKASAI |
今年が「INDO-JAPAN FRIENDSHIP YEAR(日印友好年)」だってことはこの日記でも口酸っぱく書いてきてるんで、さすがにみなさんの心にもすり込まれてることでしょう。
両国政府にそれぞれの思惑があって決めたこととはいえ、それを指をくわえて見てるってのも現地で生活する者としてはきわめてもったいないわけで、
な〜んか、そのうち話がふってくるだろう
なんて構えてたら、思惑通りにことは動き出しました。
JAWAHARLAL NEHRU大学(JNU)で3月19、20日、日本文化を紹介するイベント「BUNKASAI」を開くからそのお手伝いをしてほしい
という依頼が同大日本語学科のC教授を通じてチャンドラバーガーズに届いたのはもう半月くらい前のこと。
何を企画してもOK
インド人学生を何人使ってもOK
というかなりの裁量を任されているという反面、あんたら自主性ってもんがないんかい、と突っ込みたくなるようないわゆる「丸投げ」。
で、その話を初めて聞いたときのわたしの印象は、
話を投げてくるのが遅すぎる
金の出所、予算がはっきりしない
とどのつまり準備期間が短くていくらのお金が使えるかも分からないから、場当たり的な催ししかできない。せっかくならインド最高峰の大学生にしかできないことをしたい(けしかけたい)のに…
などなど、かなり否定的。
でも、チャンドラバーガーズのほかの二人はかなり乗り気になってしまいまして、頑張っている人がいる限り応援するのがおとなの対応(実は彼らの対応の方が大人なんだけど…)。
それが2月上旬ごろの段階。
わたしの場合、日本一時帰国という緊急事態も重なったためにその後は若干の空白。再びインドの地を踏んだときにはすでにやる気な日本人たちによってイベントの柱となる大まかな企画、
1)日本語劇やアトラクション
2)日本文化を紹介する展示
3)日本食の屋台
は決まっておりまして、さらに本番まで残り一ヶ月を切った本日、企画三本柱それぞれの準備行程をさらに細かく15ほどに分類した各セクションでまとめ役になってもらう日本語科修士課程の2年生たちにあつまってもらい、第一回責任者会議が開かれたのでした。
そんな栄えある会議を主導するのはギター師匠TAKAちゃん。
日頃はバーガーズのお笑い部門担当の彼ですが、さすがはMBA。いったん人を動かすことになったら、とことんシステマチックです。
準備を効率よく進めるため、組織図やコンセプト、本番までの流れを示した企画書を参加者に配り、さらに持ち場ごとに責任と裁量を与えていることを強調。参加した学生、組織でいうと「課長クラス」の現場責任者たちに意識の徹底をはかるあたりはさすが。
どうやら前回同じように学生たちに企画について話を持ちかけたとき、のべつまくなく思いつきで意見を出し合う彼ら彼女らのインド人気質にうんざりしたらしく、話をややこしくするだけの外野からの提案やいちゃもんをなるべく排除しようというのが、今回紙を準備して説明にのぞんだ背景にあるらしく、その思惑もなんとか成功いたしました(それでも言ってきた学生には彼苦笑い、わたし爆笑)。
さらにここからは、三本柱ごとに少し細に入った話し合いのスタート。
みなさんのご想像通り、わたしに割り振られたのは、「FOOD SELLING DIVISION(日本食屋台部門)」の責任者という役職でありまして、「材料購入」「準備・販売」「屋外装飾」の3部門、ヒラ職員まで数えると総勢15人近くを従えるいわゆる「部長クラス」でありますな。
団体行動よりも個人でのんきにやってるほうが性に合っているわたしですが、ここでは日本代表。インド人に日本的な「団体行動の美」をインド人に身をもって示さなくてはいけないわけで、チャンドラバーガーズのうち唯一の社会人経験者としては、
ほんとは人にあれこれ指示して行動を割り振るより自分でさっと動くほうが楽なんだけどなぁ
そんなことは口が裂けても言えません。
そして、わたしを補佐する次長職にはスーパーマリオに出てくる「ワリオ」のような学生が割り振られました。名前は聞いたけど忘れたんで、とりあえず彼の携帯番号は「料理長」という名前で登録しました。
にしても、もしわたしが日本で断髪してなかったら、衛生第一なフード部門を長髪&ヒゲという最悪コンビが陣頭指揮しなけりゃいけなかったわけで、日本文化を正しく伝える意味においても、「さわやか真人間」に生まれ変わってほんとよかったな、と思いましたよ。
今のところ日本食屋台部門では、先のフードフェスティバルで伝説となった「YAKITORI(焼き鳥)」を出すことし決めてなくて、最低限もう一つのメニュー、ベジタリアン向けの料理を準備しないといけないのが頭を悩ますところ。
フードフェスのようなイベントであれば「売れるものに特化して作る」ということができたんだけど、今回のように「日本文化を紹介する」という大義名分があるからには、我ら肉食人種にとって不倶戴天、それでいてインドではかなりの勢力をほこるベジタリアンたちを無視するわけにもいかず…
天ぷら、焼きそば、お好み焼き…
などなど、肉類を使わないメニューを考えてはみても、とにかく引っかかるのは日本食の神髄であるダシ、なのね。
たとえ具を野菜に限定したとしても、調味料やダシにまでサカナやブタのエキスが使えないときたら、はてさて、いったいなにをくわせりゃいいんでしょう。
それに作れる物が見つかったにしてもここはインド、その材料も自由に手にはいるわけじゃないんだし。
やっぱ、けっこう難しいよなぁ〜
はてさて、現場に責任と裁量を任せることで、まずはインド人学生たちに「BUNKASAI」をやりとげる楽しさを体験してもらおう、というTAKA師匠のコンセプト。
はたしてインド人次長課長たちに各部門の構想や準備を任せることなんてできるんだろうか
いったいどんな屋台ができて、どんな料理が「日本食」として売られてしまうのか
怖いもの見たさはあるけど…
やっぱり最後はわたしが東奔西走してしまうのかなぁ。
こうご期待!
by itoyamamakoto
| 2007-02-21 19:49
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