2007年 02月 10日
東京で四川にまみれる |
インド帰りの長髪色黒三十路男がまず降り立った町、銀座。
特に本日は土曜日、目抜き通りは歩行者天国になっちゃうのですな。
そこはブランドに身を固めたお姉さんたち、ちょい悪なオヤジたちがかっ歩し、日ごろ身なりに気にしない普通人たちだってそれなりのおしゃれを意識して歩き回っているのでしょう。だから
「ひょっとして自分、浮いてないっすか」
そんくらい分かりましたよ。
ふつうに歩いてたら肩ふれあうくらいのにぎやかさなのに、通行人とは微妙な距離感、どうも避けられているような気がしてならないのね。
そしてダメを押していただいたのは、仲間と信じて疑わなかった日系四川人連中。
7ヶ月ぶりの帰国となったわたしを囲んで旧交を温めようぜ、と集まってもらったはずなのに…
まず現れたmingxizi大姐。
「ふぇ〜〜。か、髪のびましたよねぇ。そ、それじゃちょっと…」
ちょっと、なんなのさ。
銀座にいてはいけないってことっすか?
続いて登場した塾長&xiaochuanの日本語教師ドュオもまたしょっぱなから
「itoさん、そぉれやパイよぉ」
だそうです。
はるか海を越え、山越え持ち込んだPowerBookG4がアップルストア@銀座の診断によればどうやらかなりやばい状況にあるみたいだってことだけ分かり、かなり心もとなくなっているわたしに何ともストレートすぎるじゃないですか。
まったく日本は困ったもんだ。
そろそろこの肌の白い連中だけで占められた人山人海(要するに人だらけ)状態に気持ち悪くもなりはじめたんで、
「まだ、日本にきてから何も口にしてないんだから、早くうまいもん食いに行こうよ」
と申し出。返す刀で
「じゃあ、やっぱ築地でしょう」
うん、塾長。それはいいことを言った。
そう、とびきりの日本を味わうにはやっぱ海の幸。ならば築地というのは当然のことわり。そんなわたしらが、数ある店からなんとなく選んだのは、行列の絶えないお店「蔵まぐろ」。
ウニ、イクラ、マグロの中落ちのトリコロール「いろどり丼」は1500円。さらにご飯大盛りだって値段は一緒、太っ腹よ。
ここは日本だから、生ものだけど食あたりなんて気にしなくて思う存分ほお張ってもいいんだよねいいんだよね
お茶を運んでくるときの「熱いよ」が口癖の江戸っ子オヤジにそんなことを聞いたらぜったいはっ倒されるんだろうね。インディアンジョークってことで勘弁してもらいましょう。
もちろん、信頼の築地ブランドですから、超絶なお味は保証付き。ほっぺが落ちました。イクラうまくも、思ウニ、マグロやっぱ最高やね。
続きましても、
「itoさん、日本帰ったらおいしいコーヒーのみたかったんでしょ」
と大姐。うん、どこまですばらしい人たちなんだ。
再び銀座に戻ってちょっと路地に入ったコーヒーショップは、店内に飾られたちょいよさげ陶器でコーヒー飲めるってのがウリらしいんだけど、要するに超おしゃべりなおばちゃんたちで充満。
ですが、そんなのお構いなしにわれらの気分は一年前にタイムスリップ、完全漫漫来。
何の意味も感じずにただただだべり続けたあの日々ってはるか昔、貴重な思い出になってたはずが、ここまで簡単によみがえってしまうものなのね。
1時間、2時間、たぶん3時間くらい。
基本バカ話な、でもそんな会話の端々にだって、いつまでも大切にしてたい仲間たちってことがしみじみ感じられる時間でしたな。
そして夜も再び日系四川人の集い。
今度は新宿に集まった男だらけの7人衆。主にわたしの四川生活前半戦(2004年8月〜2005年1月)をどす黒く彩った面々ですな。
ここでも
「テロリストは帰ってください」
「70年代ですか」
などという温かい言葉をかけていただきました。
でもわたしは単なる上っ面の主人公でありまして、すぐにお株を奪ったのは、相変わらず飛ばしてらっしゃったK大王。
聞けば、成都留学時代に知り合い、帰国後も「犯罪」とののしられながらも仲むつまじくやってた9歳年下の韓国人彼女に、後は夫側の欄にサインをするだけ状態の婚姻届を突きつけられたのは昨年11月。
「いやぁ、最後の最後で情にほだされまして」
と器の大きさを発揮。
年長者のわたしがさびしくまだ独身で人生修行を迫られていることへの遠慮などどこ吹く風、国際結婚という一大事を成し遂げたというのに、どこか浮かない表情。
掘り下げれば、すでに届にサインして3ヶ月近く。いまだ相手の親御さん、自分の親御さんにもごあいさつをなされていない、それどころか、入籍の事実すら伝えていない(≒隠してる)というマイペースぶりというからさあ、驚き。
さすがに奥さん(!?)の母親、姉上には最近ばれちゃったらしく、厳格なるお父上との対面式はたぶんカウントダウンなんでございましょう。ちょっぴり声も震えているような、いないような。
そんなまじめな話になってもしょうがない(笑)わけだし、わたし
「まあ、めでてえと言うことで乾杯でしょ」
と強引にまとめれば安居酒屋に響き渡る大王の高笑い。
やっぱりあんたはここにいる誰よりも大王だよ。ほかのテーブルにもいなけりゃ、北京にもいないさ、インドにもいないさ。よろしくやっていけるよ、恭喜、恭喜。
終電近くまで、再び思う存分、タイムスリップさせていただきました。
by itoyamamakoto
| 2007-02-10 08:13
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