2007年 01月 14日
終わったならばまとめ |
旅の空にいづる最後の朝日を見ようと、6時前にはぱっちり目覚めたんだけど、あいにくの曇り空。ベンガル湾に浮かぶ太陽は拝むに至らず。
ただ、東の空を眺めながら
「それにしても明日にはデリーで教室の机に座ってんだよなぁ」
とはにわかに信じられない思いに浸るだけ。
でもプリーからバスに揺られて2時間。オリッサ州の州都ブバネシュワールから飛行機に乗れば、デリーは嫌が応にも2時間後。
そして3時間後にはきっちりと、懐かしきわれがCHANDRA BHAGAに帰ってきてしまったのでした。
主なきまま一ヶ月半近く時は止まり、凍えるように冷えきった空気。旅行中と待ったどの寝床よりも質素な、板がはってあるだけのベッド。まったくもって牢獄チックな部屋でも「戻ってきたんだ」とちょっと温かい気持ちになれるのは、ここには出迎えてくれる友たちがいるからでしょう。
早速、仲間たちに新年の挨拶。旅の話に花を咲かせ、アフガニチキンで胃を満たし、そうそうチャンドラバーガーズに一輪の花が加わりそうな展開も。これもまた続報に期待してくだされ。
ともあれ、「南インド一周の旅」は終末を迎えた模様です。40日間、さしずめ色んなことがあったのでしょう。終わったからにはいつの間にかの恒例行事「まとめ」にて〆させていただきます。
《うまいもんランキング》
1、グリルド・ポーク・チョップ(ゴア)
2、チベット仲間との再会の晩餐(コルカタ)
3、シェフのおすすめ海鮮づくし(アンダマン)
程よく疲れた体に染みわたるきんと冷えたフルーティー白ワイン。香ばしく濃厚なブタニクの味わい、その味を何倍にも高める赤ワインの絶妙アシスト。全てが最高だったゴアの州都、パナジの老舗レストラン「Hotel Venite」。肉食動物でよかった、お酒好きでよかった。それが素直な感想。あと、三十路ってから訪れたからまたよかったのかも。
思い出の味はマジックパウダーなのだから、トム、イシュ夫妻との晩餐は「独り食部門」とはまた違った味わいがあるわけです。けっこう外人見知りするわたしなものですから、ここまで気兼ねなく話せる友人が、しかも同い年にいるってのは本当にありがたいもんだ。たぶん次の再会が数年後だろうと、数十年後だろうと、同じようなペースで話せるとおもう。合い言葉はもちろん「Pizza & Beer. Yes, we can make it!」。
絶海の孤島にて出会ったひとりのカリスマシェフ。見た目は単なる超典型的なインド人小顔タイプなんだけど、会ったしょっぱなからのセリフが秀逸。「島イチのうまいもんを食わせますよ」。あの言葉には、震えたね。そして実際、それから4日間、彼が腕を振るった「たぶん地中海風味付け」な魚料理を楽しみに、日が暮れるのを待つわたしがいるのでした。
《よかったとこBEST10》
カッチの村めぐり(12/09)
10000段のギルナールの丘参拝(12/13)
ムンバイの「英国皇太子博物館」(12/15)
アジャンタ石窟(12/17)
エローラ石窟(12/18)
カタカリダンス(12/27)
バックウオータークルーズ(12/28)
ミナークシ寺院(12/29)
カーニャクマリの日の出(01/01)
天国ビーチ(01/06)
当然ながらこれは順不同。
それぞれの場所が以下にすばらしかったかは、それぞれの日の日記で「ほめ殺し」しておりますのでぜひ参考にしてください。あんまり実用的な情報提供になっていないことは自覚しております。もし、「行きたい」と思う方がいれば、いつでも気兼ねなくメールをいただきたいもんです。
《よかった人3傑》
トム・イシュ夫妻
カッチの子どもたち
小顔なシェフ
こちら「うまかったもん」とほぼかぶった取り合わせになってしまいました。以下にわたしの人生が「食住一体型」なのか、分かっていただけようかというもの。
その中庭って入ったグジャラート州はカッチの子どもたち。「ペンをくれ」「写真撮ったら金よこせ」などという観光環境汚染にまみれていない彼ら彼女らがいつまでそのままでいてくれるのか。そんな願望は通りすぎる旅人のきれいごとにすぎないとは知りつつ、純朴さが失われないことを祈るだけですね。
《その逆な人、もの3悪》
ゴアの物取り
シーズン料金
ササーン・ギルの公園ガイド
あまり人とのふれあいのなかった旅だったと自分でも反省してます。あらためて気付いたことは、勝手知ったる所や国を訪ねているかぎりだと、もう「マイワールド」を保ち続けながら旅行できてしまうということ。これが言葉も通じない初めての国だったら、とにかく色んな人に助けを求めたり、世話になったりしなきゃ駒を進めることもできない。
そんな倦怠期との境界線上をさまよい始めたわたしの前に今回、新たな敵として台頭してきたのはインド的外国人料金、シーズン料金のたぐい。
ゴア、カーニャクマリ、アンダマン…
平気でローシーズン価格の最後の一桁にもう一つゼロをつけたような金額を言ってみたりする、の精神。それは「ダメもと」何だろうけど、3、4倍以上は当たり前の世界。会計、帳簿の改ざんは当たり前、政府の目の届かないところで何倍もの金が背後で動いているといわれるインドビジネス界だからこそ、こういう「目の飛び出るようなこと」もできちゃうわけだよね。
それにしても外国人料金の方は政府の方針に「????」を感じざるを得ないよね。お前は20年前の社会主義国家か、と。政府の観光キャンペーン「Incredible(すごい、信じられない) India」はまさにその通りでございますな、と。
わたくし、この外国人料金に対して数ある挑戦の結果、5度免れることに成功いたしました。3度は正攻法。「インドの大学(JNU)の学生なんだからまけてよ」。2度は嘘をついたのでここで懺悔いたします。ヒンディーがあまり分からなくても大丈夫な方法。見た目チンキーを悪用して「わだず、東北人だがら」でOK。はい、今も良心がとがめております。
とにかく、けた違いな料金設定にたいしては何らかの措置を打つべき。観光業ってのは条件さえ整備すれば、自然とお金は入ってくるものってことに気付いてほしいものです。
◆そして最後のおまけの出納帳
【第1部・グジャラート】
12/06(Delhi→) Rs.1675
12/07(→Ahmedabad→) Rs.1011
12/08(→Bhuj) Rs.482
12/09(Kutch⇄Bhuj→) Rs.1483
12/10(→Dwarka) Rs.318
12/11(Dwarka→Junagadh) Rs.450
12/12(Junagadh⇄Sasan Gir) Rs.2498
12/13(Junagadh→) Rs.147
【第2部・マハラシュートラ】
12/14(→Mumbai) Rs.19852
12/15(Mumbai→) Rs.718
12/16(→Ahrangabad) Rs.513
12/17(Ahrangabad⇄Ajanta Cave) Rs.582
12/18(Ahrangabad⇄Elora Cave) Rs.558
12/19(Ahrangabad) Rs.1073
12/20(Ahrangabad→) Rs.426
【第3部・クリスマスはゴア】
12/21(→Kolhapur→Goa) Rs.2425
12/22(Goa) Rs.1092
12/23(Goa) Rs.601
12/24(Goa) Rs.580
【第3部・年末年始@インド極南】
12/25(→Cochin) Rs.396、5
12/26(Cochin) Rs.813
12/27(Cochin) Rs.415、5
12/28(Cochin→Backwaters) Rs.681、5
12/29(Quilon→Madurai) Rs.841
12/30(Madurai) Rs.660、5
12/31(Madurai→Kanyakumari) Rs.833
01/01(Kanyakumari→Trivandrum→) Rs.86
01/02(→Chennai) Rs.3096
【第4部・天国への階段】
01/03(Chennai→Port Blair) Rs.668
01/04(Port Blair→North Havelock) Rs.837
01/05(North Havelock) Rs.635
01/06(North Havelock) Rs.866
01/07(North Havelock) Rs.707
01/08(North Havelock→Port Blair) Rs.1149
01/09(Port Blair) Rs.464
【第5部・エピローグ】
01/10(Port Blair→Kolkata) Rs.1142
01/11(Kolkata→) Rs.754
01/12(→Puri) Rs.397
01/13(Puri) Rs.718
01/14(Puri→Bhubaneswar→Delhi) Rs.180
合計 Rs.52824(≒142000円)
だれだい?
インドは物価が安いなんていってるのは?
一日平均3500円以上も出費しとるじゃないか。東南アジアを旅したくらいじゃこんなには使わんぞ。そりゃあ、飛行機も使ったさ。でもそれは三便で計Rs.18685。差し引いたとしても一日あたり2300円。
すでに槍玉に挙げた「シーズン料金」なるもの以外、もう一つ大きなインフレの要因を挙げるとすれば、わたしの「ぜいたく病」が原因なのでしょう。
一杯3ルピーのチャイすすってりゃいいものを、一本100ルピー近いビールを何本飲んだことか。20、30ルピーのカレーをクチャクチャやってりゃいいものを200、300も出したごちそうをどれほど胃袋に放り込んだだろうか。
いいんです。余は満足なのだから。日本に帰ったことを考えながらのぜいたくだったものですから。これだけ存分にうまいもん味わえれば、再び4ヶ月に及ぶカレー漬けの日々に向けた心の準備もできたのだから。
参考までに前回の「これで最後?チベ旅」の平均出費が一日2500円。これも完全陸路の旅だったから、インドだろうが中国だろうが、「ケチケチ旅行」ほどじゃない「節約旅行」をしようと思ったらもうこれくらいの出費は計算しとかなきゃいけないということでしょうか。
さあ、とりあえず旅行は名実共に「お腹いっぱい」。
待ってろよ、新学期。待ってろよ、その向こうの日本。夏休みまでは残り4ヶ月…
それとそうそう、みなさま。
南インドの香りをストレートに届けるべくなるべくリアルタイム掲載を心がけたんですが、いかがだったでしょう。ネット環境が悪いとこだと長期間更新ができなかったりして、逆に気をもんでくださった人もいたのかもしれません。とにかく、あったかい目で見守り続けていただき、感謝、感謝でございます。
重ねて、わたしからエアメールが届いた方、ぜひ連絡を。ちなみに投函後10日、いまだ報告ゼロ件。はやくその実力を見せておくれ、Indian Postよ。
by itoyamamakoto
| 2007-01-14 15:02
| またまた旅に出ました