2006年 10月 29日
印度で失踪日本人学生 |
耕太さんの両親 手がかり求め懸命の訴え
【10月29日=THE SUNDAY TIMES】 New Delhi:日本人旅行者の篠崎耕太さんがインディラ・ガンディー国際空港から失踪した事件にまつわる謎はいまだに解決しそうにない。耕太さんの両親(シゲルさんとエイコさん)は10月25日に耕太さん捜索のためニューデリー入りしたが、今のところ収穫はないという。
土曜日午後に開かれた記者会見。二人は言葉を失ったままで、母親の方は感情を抑えるのも困難なほどに悲痛な様子。会見のほとんどは日本大使館職員によって進められた。会見はインドのメディアを通じて耕太さん手がかりをえたいという趣旨で開かれた。両親にとって唯一の子どもである耕太さんは今回がはじめてのインド一人旅だった。
篠崎さんは21歳の大学生、1ヶ月ほどの予定で9月3日にインドにやって来た。キャセイパシフィック航空の9月23日の便で日本に戻る予約していた。またビザの有効期限は10月2日。その日までに日本に戻らなかったため、両親はデリーの日本大使館に問い合わせしたという。
警察担当者は「日本大使館からは10月17日に通報があり、捜査を始めた。耕太さんがデリーからビハール州のガヤに向かった手がかりがあるため、現地にも捜査員を派遣した」と説明した。
☆警察はデリーの主要な観光地などを捜索
New Delhi:警察はいまだ日本人旅行者篠崎耕太さんがインディラ・ガンディー国際空港から失踪した件について、決定的な手がかりをえてはいない。関係者によると、これまでに情報としてあがったガヤ以外にも観光客が訪れそうな都市に捜査員を派遣済み。耕太さんはインド到着後、空港ターミナルで100ドル分のお金をインドルピーに両替し、その後不可解な失踪に巻き込まれたことになる。警察はホテルやゲストハウス、タクシーの記録、あらゆる政府の移動機関での乗車記録、観光地点などを対象に幅広い捜査を行っているが、新たな手がかりはつかめていない。
耕太さんはインド到着後、家族や友人宛に一度も連絡を取っておらず、不思議なことにインドの旅行計画自体についても、誰にも話していなかったという。そのため両親も友人も彼がいったいインドのどこの町や場所に行くつもりだったのか、全く手がかりがない状態だ。
日本大使館の野田一等書記官によれば「篠崎耕太さんは誰とも連絡を取っていないばかりか、旅行計画についても一言も他人に話していなかった。そのため捜査もより一段と難しくなっている。インド側の警察関係者には国内各地に捜査員を派遣するなど熱心に捜査を続けてもらっている。日本大使館としてもいろいろと手助けしていきたい」と述べた。
野田書記官によれば、毎年10万人近い日本人がインドを訪れており、そのほとんどが商業目的。篠崎さんは過去10年間にインドで行方不明になった4人目の日本人だという。過去に失踪した人物についても発見には至っていない。
【評】
今回はもうこの通り。
篠崎さんについて何か手がかり持ってる人がさらにこのブログを見る可能性なんて天文学的に低いかもしれないけれど、心当たりのある人はこちらまでぜひ連絡を。
わたしも危うくここインドにて「失踪」に片足を踏み込みそうになった経験があるため、人ごととは思えません。
あれはチベット高原をおりてきて初インドを旅していた1996年5月下旬のこと。
これからパキスタン、イランという通信事情のよろしくなさそうな国を抜ける予定だったんで、トルコのアンカラもしくはイスタンブールまでは久しく訪れることはないであろう最後の「文明都市」に思えたニューデリーから、家族あてに
「これから2ヶ月ほど、通信事情の悪い国を旅行します。連絡がとれないかもしれないけど、まあ心配なく。元気にやってますから」
というエアメールを出したのでした。
「文明都市」の中でも一番栄えているように見えた「デリーの原宿・コンノートプレイス」から出したはがきが届かないなんてことは露程にも思うことなく…
でその結果、チベット以来3ヶ月近くも音沙汰のなくなった不肖22歳息子の安否が気になった母親が、知り合いを通じて外務省に問い合わせしたということ
正真正銘の「文明都市」イスタンブールの街角公衆電話から、サバサンドをほおばりつつ気軽にかけた電話で知らされたのでした。
わたしはかなり笑い話として受け止めたんだけど、長い旅を終えて久しぶりに日本に帰った後だって、口を酸っぱくそのことを責められたわけでした。
それにしてもこれまでアジア、アフリカ、ヨーロッパとそれなりの国を旅した中で、エアメールが届かなかったのってインドとミャンマーくらい。しかもミャンマーはかなり田舎都市だったからねぇ。
もちろんそんな10年前と今では通信事情も変わってるわけで、日本との距離も食い物以外はほとんど感じることなく生活、旅することができるようになりました。
日本人旅行者の数も格段に増え、よほど意識して旅しない限りは他の外国人旅行者と接点を持たずにインドを旅することは難しいくらい。
だからこれほどまでに情報が集まらないってのは、やっぱ何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いと思う。もちろんインドはとてつもなく広いわけで、どこかからひょっこり帰ってくることだってあるんだけど…
記事の最後にあった過去10年間で行方不明者4人目という情報だけど、この数字を見ればインドだけを特別視する必要は全くないと思う。
ただ、インドに興味のある人、いくら自分が一人で生きていると思っていても、家族をはじめ友人たちも、自分がいなくなることで声にもできないほど悲しんだり、勉強や仕事も手がつかなくなったりする人がいることは忘れないようにしなければいけないわけですよ。
そしてそれは自分が思っている以上に多いもんなんです。
さらにわたしの周りにも篠崎さんの手がかりを求めてチラシを配ったりしている日本人留学生とかいて、彼らが見ず知らずの学生の捜索を一生懸命手伝っているのは、インドが好きだからこそで、さらにみんなにインドを楽しんでほしいと思ってるからこそ。
「自己責任だから」
という言葉はときに旅人の耳には心地よく響くかもしれない。
わたしだってそう思ってた時期はあったし、ひょっとすると今だって心のどこかじゃそのエッセンスは残ってんだけど、少し慎重になった方がいい、慢心はいけません。
そのことは忘れないようにしたいと思います。
あらためて、篠崎さんについて何か情報があればここまで連絡してください。
by itoyamamakoto
| 2006-10-29 04:22
| これは面白ニュース!?