2006年 10月 20日
お誕生会は基本倍返し |
「…………ピッ、ピッ、ピッ、ピィーっ!」
「午前零時ちょうどをお知らせします…………」
と時報が日付変更線をまたいだことを117で確認するひまなどまるでなし。とにかく夜の12時を回ったころ、慌ただしく階段を駆け下りるわたしの姿。
チーム・チャンドラバーガのYoちゃんの部屋の前。息を整え、
「こん、こん」(ノックの音)
「幸せ配達人が参りました。 …まいりましょうか」
水先案内人役ってのはやっててこんなに気持ちがいいもんだったんだぁ
ほんっとやっててこみ上げてくる笑いをこらえるのに必死だよ
後ろについてきてる今宵の主役はおそらく、これから何が起こるのか、胸をドキドキさせてるはず。その鼓動がこっちにまで聞こえてきそう。もちろわたしから一言も声をかけることはなし。
先ほど駆け下りた階段をゆっくりゆっくりと上り、めくるめく世界へと続く最後の扉を開け、案内役のおつとめはここまで。
主賓に目で合図して、まばゆいばかりの光の柱が宵闇に浮かび上がる、屋上パーティー会場に足を踏み入れていただきました。
「ハッピー・バースデー!!!」
◎参考写真:そんないろいろがあって始まっちゃったYoちゃんの誕生パーティー
思い起こせば約2ヶ月前。同じ時刻、同じ場所にて生涯久しぶりの誕生パーティーを開いてもらったんだけど、その時の様子はこちらをどうぞ。
一宿一飯の恩義を忘れちゃ九州男児として示しがつかんやろうもん
と気合いを入れて、ここ数日、すべてをほったらかしで「誕生日返し」を準備させていただきました。
まず何より苦心したのが会場選びよ。けっきょくはわたしん時とおんなじ寮屋上になっちゃったんだけど、その過程には二転三転の大河ドラマ級苦労の数々。
しょうじきJNUジャングル奥地にあるという伝説の洞窟で開くべく四方に手をつくしてたんだけど、そこへの道順を知るという数少ない地元人であるインド人学生が「テスト勉強」を理由に案内を拒否。
毒蛇やサソリも出るという、JNUのなかでも本当に限られた者だけが到達できる秘密のエリアだったんだけど、そこについては意地でもいつか紹介するつもりなんで乞うご期待。
で、同じ寮の屋上開催とはいえ、受けた恩には倍返しが基本だと思ってますんで、そのぶん趣向にはこらせていただきましたよ。
本日午後からはまず一人で飲み物類の調達に。夕方を待っては、ようやく活力を取り戻したギター師匠をバイクの後ろにのせ、ヒンドゥーの重要なお祭り「ディワリ」を1日前に控え、普段の3倍くらいにぎわいを増した町へと買い出し。
誕生日にはかかせないバースデーケーキは、安かろうまずかろう、じゃ「ほどほどの気持ち」しか伝わりません。おいしさだって重要な要素。
外国人がよく利用する高級スーパーにて、パイナップルやブルーベリー、ピーチなどとにかく果物盛りだくさんの「フレッシュ・フルーツ・ケーキ」を1kg(約1400円)。同じケーキのショートケーキ版を味見したから味は間違いなし。でもキログラムで売るなよ。
花束も用意。同じスーパーの花係のおばちゃんにオレンジと黄色のバラを選んでもらって16本、200ルピー。花束を背中に背負ったギター師匠、格好良すぎます。
「ディワリ」では、「明かり」が重要な要素になるらしくて、町中には臨時に軒を出した花火や灯明用のろうそくを売るような店もたくさん。
俳句で季語が重要な役割を果たすよう、今っぽさも取り入れるのもパーティーを盛り上げる大切な要素ってなわけで、パーティー会場のライティングはろうそくでロマンチックに、主賓には登場時に花火のゲートをくぐってもらうべく、ともにお買い上げしちゃいました。
もちろん物はそろえどそれを動かす人に恵まれなければ、壮大なプランも単なる机上の空論。それかんしちゃわたし、かなり有能なスタッフにも恵まれたようで…
「Yoさんのシークレット誕生パーティーはなくなりましたよ」
とYoちゃん本人に秘密計画の存在を堂々とバラしてくれた蘇連独楽君。
「わたしトイレに行きたい。牧場主さんに会いたいから」
などとYoちゃんを強引にチャンドラバーガまで連れ込み、予定時間(深夜12時)に会場に現れてくれればいいものの、20分も前から主賓とともに屋上に居座るものだから、セッティングが何ひとつもできなくて我々を焦らせてくれた、Yoちゃんの彼女AKIちゃん。
そんな危機的状況の中、
「僕がうまいこといって二人を誘い出してきますよ」
と勇ましい台詞を口にして階段を上っていったはいいものの、当のYoちゃんを前にしては何を言ったらいいのか分からずテンパってしまい、
「Yoさんと会いたいのでちょっと部屋に来てくれませんか」
などと、とんでもないゲイちっくなキャラを創造してしまったYAMAZAKI。
そんなどっからほこび、おじゃんになってもいいようなシークレット誕生パーティーだったんだけど、いちおう最後までシークレット状態を貫き通せたのは、ひとえにYoちゃんのどこまで素(気付かなかった)のかわからない協力のおかげ。
主賓を迎えた花火の光の柱には
「火があんな高くまで上がってたら危なくて通れないっすよ」
なぜか主賓自らが切り分けた新鮮果物ケーキには、
「こんなうまいケーキあり得ないっすよ。一番大きいのいただきました」
日、米、ウズベキスタンあわせて10人のメンバーを集めたことにも
「このメンツをそろえますか。想定外だなぁ」
すべて必要以上に大げさにリアクションしていただきました。
ここまで来ちゃえばあとは主賓が誰だろうと関係なし。
当然のごとく時を忘れて杯が進む秋の夜長の酒飲みども。
チャンドラバーガに初登場いただいたオールドモンクの師匠には、わたしのとっておき「トロピカル・モンク」を味わっていただき、
「おいしいですよ」
と言葉の表面だけではどう判定していいのか分かりかねるような微妙な評価をいただき、
「まだまだ研鑽が必要だな」
と自分自身への戒めの言葉といたしました。
さらにギター師匠の部屋に河岸を移してからも馬鹿話は相変わらずつきることなく、さらに音楽モードも全快。
オールドモンク師匠は今度はボリウッド映画師匠に衣替え。ピンポイントでチョイスするボリウッド音楽にわれらの体は自然に動きだしちゃう始末。
最後は「お蔵入り」になったかと思ってた「Happy Birthday Yo-Yo feat.Bob Marley」まで披露するようなことになり、とにかく午前3時を過ぎるまで、久しぶりの『宴らしい宴』を堪能させていただきました。
そう
けっきょくは自分が一番楽しんだってことなのね
by itoyamamakoto
| 2006-10-20 19:46
| いろんな交流してます