2006年 10月 13日
Rockで響いたFolkの心 |
最近ちょっぴり倦怠期を迎えてたJNU日本人コミュニティ。
ところが本日になって、懐かしい顔やら新しい顔やらが大学の門をどしどしくぐってきちゃうもんですから、むろんくるものは拒まず。宴へと続くのは必然の理。
今宵の「肴(つまみ)」は日本人4人。
AKIは我らがチーム・チャンドラバーガの一翼Yoちゃんの彼女。日本での就職活動も無事おえたいうことで、このほど3週間くらいの予定でインドにやってくることに。彼女自身は去年1年間ここでYoちゃんと一緒に住んでわけだから、言ってみりゃわたしらよりも先輩。
TOSHIは自転車で1年7ヶ月かけてユーラシアを横断、この一ヶ月は北インドのラダック地方を回って再びデリーに帰ってきたという若者(たぶん23歳)。明日にはデリーを発って飛行機にて帰国の途に。
あとはAKIちゃんのバイト仲間で初海外、初インドというダブルインパクトな山崎(仮名:アンタッチャブル激似)。
んでもって今宵の真の主役はYoちゃんなんだけど、それについちゃ後述ということで。
とにかく日もいい感じで暮れてまいりまして、まずはみんなで「デリー最強」の王座をゆずらないアフガニチキンに舌鼓をうち、「絶対合格日本語能力試験対策特別講習ガンバっ!」の授業にも参加してもらったのは日付変更線を越える前。
その後日本語科の学生たちとの交流も一段落つきまして、っていうかすでにずっとしびれを切らしていたわたしから
「では行きますか」(牧)
「はい」(Yo)
「どうせなら外でやりましょうよ」(Taka)
「どこがいい?」(牧)
「じゃぁ、ロックに行きましょう」(Yo)
チーム・チャンドラバーガ3人衆のバイクに乗った来客3人衆。
めざす「ロック」があるのはキャンパスの大半を占めるJNUジャングルの東側。だからJNU環状線をほぼ半周。
もともと岩盤質な土壌の南デリーを象徴するような典型的な岩場で、その名の通りにぶっとい「ROCK」がごろごろ。デリーで最も標高が高いといわれてる場所でもあって、南デリー一帯を見渡すこともできる素晴らしきエリア。
インド人若者グループやカップルあたりが時間を忘れて語り合っている場所だったりもする。
2人はともに今宵のマストアイテムであるギターを忘れず、わたしも生命線である酒(ビール、ラム、焼酎)、ソフトドリンク(ペプシ、マンゴージュース)、蚊取り線香(デング熱対策)を忘れず、
「彼女にマイソングをプレゼントしたい」
「長旅を終えたTOSHIに大好きなJack Johnsonの歌を聴かせたい」
「なんかイベントあると酒がうまいよなぁ」
と、それぞれの思いを胸に。
そうです。
すでにYoちゃんは1ヶ月も前からマイソングの練習をスタート。コードの押さえ方を知ってるレベルだったものを、ギター師匠のTakaちゃんに曲をつけてもらい、詩は自作。フォークDuo「○ず」みたいにコーラスありの弾き語りを練習してきたのでした。
「遠距離恋愛を続ける彼女を驚かせよう。気持ちを伝えよう。心を捧げよう」
そんなYo&Takaに世代間ギャップを感じずにはいられない世界(卑見)。
「四捨五入したら同じ30歳だというのになんだい。こいつらのフレッシュさは」
と鼻くそほじりながらその練習を聞いておりました。
世界をまたにかける男TOSHIの壮大な旅話や日本での子どもたちとの交流の話、酒少量で自分の両手をまたにかける無意識セクシーポーズYAMAZAKIの薄っぺらい笑いなどなど、をじゅうぶん楽しんでおりましたが、いっこうに主役が動こうとしない。
かなり緊張しているらしく、ギターケースにすらなかなか手を付けようとしない今夜の主人公。気を紛らすためなのか、そんなに強くないのにお酒ばかりがどんどん進んでおりまして、さすがにわたしの中でイエローランプが点滅。
「じゃあTakaちゃん。そろそろTOSHIにJack Johnson捧げちゃいましょうか」
と、まずはギター師匠をつっついて、ようやく音楽の夜更けがスタートすることに。
さすがはアメーバ中にもギターを離さないだけありまして、落ち着いた演奏っぷりで合計3曲を流れるように披露(きょうは主役じゃないんでほめ殺し気味)。
ようやく場も暖められ、ご自身、出番がやって来たこともしっかり認識されてるようで、
「Takaちゃんがギターを弾けるということで、メロディーをつけてもらい、AKIに向けての歌詞を自分でつけまして…」
「この日のために練習してきました。一生懸命うたいます」
「曲のタイトルは『君のいない1日』。自分の心の中にあるものをそのまま書いてみました。では聞いてください」
なんかほんとにフォークドュオの前説みたいやん。
今日も起きたらすでに汗だくで〜
日差しだけが強いこの国で〜
君のいない1日が始まる〜♪
何度も鼻くそほじりながら聴いてきた名曲だけど、屋外で聞くとこれまた名曲ぶりに磨きがかかっちゃうから、シチュエーションってのはほんと魔物やね。
あきらめないよ〜、君が好きだから〜♪
すかさずAKIちゃんにレンズをパーン。
おっ、いい光景。
目尻をちょっと拭いてないかい?
結婚式で新婦が両親宛の手紙を読むとこみたい。
そしてちょっぴりしまりの悪さが後に引きながらも、愛の歌は堂々のフィニッシュ。
「うぉ〜」
「パチパチ」
Yoちゃんの方もやり終えた感にどっぷり浸っているようでほおはかなり緩みっ放し。
それからあとは消化試合モードも若干はいりつつ、Bob様の王道「Redemption Song」をギター師匠に弾き語ってもらい、下弦の月を眺めながら、ゆったりまったり。
どこかから流れてくるヒンドゥー語のお祈りの声に耳を傾けたり、近くの空港に離着陸する飛行機の機体を眺めたり、デリーのここでしか味わえない優雅なひととき、時間はゆっくり過ぎていきましたとさ。
◎参考写真:そして寝て起きて、学校行って、昼寝して、夜はやっぱりやってくる
夜11時過ぎのフライトで日本に戻るTOSHIちゃんがインド式ミルクティー「チャイ」を作ってくれたんで、最後はそれ囲みながらのご歓談。
帰ったら帰ったでいろんなことが待ち受けているのが人気者の定め。
「子どもたちが僕のためにツリーハウスと竪穴式住居を作って待ってくれてるみたいなんですよ」
「いきなり持ち家2軒とは景気がいいね」
「中部国際空港まで3日間、180キロくらい自転車こいで迎えにきてくれるらしいし」
「空港で何かしでかさないでよ」
「地元テレビ局の女子アナも取材に来てくれるし…」
「おい坊主。キャラ変わっとるぞっ!」
最後まで楽しい話はつきませんが、いかんせんお時間の方が。
JNU正面ゲートからお見送りなんだけど、まずはオートリキシャ(三輪タクシー)に自転車や圧力釜、その他いろんなもんを積み込むお手伝い。運転手まで含めて最後の記念写真撮影するなんてのは彼の仁力のなせる技で、そのまま自分も前方座席に乗り込んで、デリー空港に行っちゃいました。
まあ、この手の人とはまた再会できるもんです。そんなんはもう人生の勘というかにおいで分かります。
そういえば、昨晩に引き続いて機嫌のよろしいYoちゃん。
彼らも今晩からブッダガヤ方面への小旅行。
「うちの相方、もっとマコッちゃんと話したがってましたよ」
「まだ時間あるし、旅行から帰ってきてからでいいじゃん」
(お前さんのいる前でお前さんの話は聞けんじゃろう。とくにネタになる話はよう)
夜はだいぶ更けちゃったけど、そっちの取材はまだ地ならし段階。これからあなたにまつわるあ〜んな話や、こ〜んな話を発掘させてもらいますからどうぞご注意を(悪魔的微笑)。
みなさまそれぞれに一路平安!
by itoyamamakoto
| 2006-10-13 20:05
| いろんな交流してます