2005年 06月 23日
開通前から難儀やねえ |
温暖化、世界最高地の鉄道脅かす
【6月23日=CHINA DAILY】
青海、西藏(青蔵)高原の気温の上昇が、世界最高地を走る鉄道として来年にも試験運行を始めるに青蔵鉄道に脅威を与えることになりそうだ。
「過去10年間に観測されたペースで気温が上昇したとすれば、2050年には、青藏鉄道の安全運行に影響が出るだろう」。三江源地域、すなわち揚子江、黄河、瀾滄江(メコン川)の源流地域における気候の変化をテーマに北京で開かれたシンポジウムで、ある気象学者は警告した。
青蔵高原は気温の変化に対し極めて敏感な地域であるため、地球温暖化の影響を観察する顕微鏡、中国および東アジア地域に警告を促す指針になるとして、多くの気象学者に認識されている。
国立気候研究所(National Climate Center)の羅副所長は火曜日に開かれたシンポジウムで、「2050年には高原における夏、冬の気温がそれぞれ3.4度上昇するだろう」と述べた。
このような警告は、「永久凍土を溶かし線路に影響を与えうる」と羅副所長は指摘。「1986年より中国は18年間連続で暖冬が続いている」と続けた。
さらに1960年代より、青海西藏公路の両端にある凍土は5〜9キロメートルにわたって後退、全体として12,3%減少しているという。
今後50年間においても、青蔵高原の北側部分に位置する青海省の気温は2,2〜2,6度上昇、これは隣接する他のエリアに比べても高い数字となっている。
シンポジウムでは、「こうした気温の上昇に伴い、高原地帯の凍った土壌は今後30〜40年のうちに30〜40%は減少する」との観測も報告された。
羅副所長によれば、気候の変化は氷河の大幅な後退、凍土の溶解を促進を招き、さらには以前に比べ春の早い時期における雪解けを促すという。
◇厳しい注意が必要
青蔵高原、特に「三大大河の源」である三江源地域の気候の変化に対処するため、羅副所長および専門家は、このような観測と関連して引き起こる重大な影響について当局側が重大な関心を示すことを促した。
彼らはまた、科学者に対しても、この地域における生態系を守り、将来にわたって維持するための研究を進めることを求めた。
総面積36万平方キロメートルにも及び、平均高度が海抜4000メートルを超える青蔵高原は、チベタン・アンテロープ(チベット羚羊)、黒頚鶴など希少野生動物、チベタン・スノー・ロータスなど漢方薬の宝庫となっている。
世界自然保護基金によれば、高原地帯の約半分は中国最大の自然保護区に属しているが、世界的な温暖化現象と過去数十年間における人間の侵入によって、環境や生態系の悪化が続いている。
遊牧民などの入植や過度な放牧はこの草原地帯に大きなダメージを与え、深刻な土壌の浸食、肥沃な土壌の質を低下などを引き起こしている、と専門家は指摘した。
【評】
せっかく見出しにもとっている「青藏鉄道」ですが、会議の出席者による「永久凍土を溶かし線路に影響を与えうる」との発言を引用しているだけで、さらに「影響」について詳しく掘り下げた説明がないのは残念です。
ちょっと考えれば分かることではありますが、凍土が解けたらどう鉄道に影響が出るのか、説明があってもいいような気がします。
日本のどこかの大手新聞社のように政治部や社会部など部間の「縄張り意識」が強いようなところだと、たとえばこのシンポジウムを取材した科学部の記者に、チベット高原の事情やこれまでの鉄道建設の苦労などまでふまえて記事を仕立てよ、という要求はないのかも。
「チベット☆OK牧場」なので、喜び勇んで取り上げてみましたが、よくよく読んでみれば、発言の羅列が大半で、記者の目が見えてきません。当局に早急な対策の必要性を説き、専門家にさらなる研究を求めるのであれば、一般読者に情報を提供することが最重要任務である新聞で書く意味はそうないと思うのですが。
ただ今後もチベット関係の記事を積極的に載せてほしいので、この手の話を取材していたということだけでも評価して★★☆☆☆
by itoyamamakoto
| 2005-06-23 02:02
| これは面白ニュース!?