2005年 07月 10日
初めてのあごあしつき |
午前中、またも時間と金を無駄使いしてしまいました。
分かる人には分かりますよね。…無念。
こうなったら、
「午後は○○、思いっきり生××(ちょめちょめではありません)」
おばちゃんたちのアイドル、たんものみの登場?。いやいや、同じ日焼けでも健康的な顔グロナインが繰り広げる白球劇場。そう、夏といえば野球でしょう。
ちょうど友達のお誘いがあって、午後から日本人、中国人の計8人で、タイガース対ライオンズの決勝戦を見に行きました。
「なに決勝戦?我らがホークスはどうした!!!!」
一人くらい、こんなノリ突っ込みをしてほしいのですが、誰もしませんよね。そうです。まだ中国。ホークス戦は帰国後のお楽しみ。
ただ、最低限の真実は絡めつつ、相手を混乱させるのがわたしにとっての無上の喜びですから、嘘は言いません。見に行ったのは、北京市郊外で行われた北京猛虎隊と天津雄獅隊による職業(プロ)野球の観戦です。
この日の試合は、日本の誇り、世界に轟く総合デジタル最先端超優良企業「CANON(佳能)」の協賛、というか完全丸抱え。集合場所に到着したところ、すでに豪華バス数台が待機。もちろん、今か今かと出発を待つ、留学生ではない在北京日本人の方々も大勢。北京滞在最後の最後で、つきあい、つて、しがらみ、こね、えにしが複雑に絡み合う在外日本人社会の一端をかいま見ることができました。
で、中国のプロ野球、どういう仕組みなんだ?
そんな疑問が当然聞こえてきそうですが、名称は「CHINA BASEBALL LEAGUE(CBL)」。多分、北京や上海、広州、成都など国内6都市を本拠地とするチームによる、多分リーグ戦です。だってほんと何も知らないんですよ。一応毎日新聞は見てますが、国内プロ野球の記事は眼にしたことなし。ただただ、「今日が優勝の決まる大一番」という話を皆がしてるので、勝手に決勝戦と思っているだけだったりして…。
一人をのぞいて、中国職業野球事情に全くの素人であるわれわれは4台目のバスに乗車。おー、実際に見たことはないけど、なんかこれから東京ドームに向かう都市対抗野球の応援みたいでよろしいですな。車内では早速、主催者から当然「日本語」による本日のイベント紹介がはじまる。
「皆さん、本日はご参加頂きありがとうございます。現地に到着されたらまず、プレゼントをお受け取りください。中には、ユニフォームやタオル、試合の資料などが一式含まれています(おっ)。また全員にお弁当を用意しております(うおー)。飲み物も自由に飲めますので、ビールやジュース、その他お好きなときにどうぞ(もう最高)。さらに入場券の番号によってすてきな賞品が当たりますので、最後まで券を無くさないように観戦してください(はい墓場まで持って行きます!)」
参加者からも感嘆の声が漏れる瞬間。
これって、完全なる「あごあし付き大名ツアー」。しかも外様じゃありません、親藩クラスです。バブルはじけちゃってから社会人になったわたしですから、こんな極楽体験をしたことはありません。こんな夢のような世界、最後の最後で味わえるなんて、わたしの中国留学生活はこれだけでもう100点です。
北京市内のはずだけど、市中心部からはもう50分の郊外。途中、視界5メートル未満の集中豪雨をくぐり抜け、そのままどっかにテレポートしたかのような田舎に来てしまいました。わたしの愛すべき故郷・鳥栖市ですら勝っているくらいの田舎。「田舎の香水」が臭ってきそう、と思ったら球場に到着しました。
両翼95メートル、センター125メートルだからフィールドの規模はほぼ標準。施設自体は日本の「○○市民第二球場」くらいで、観客席は約500人分くらい。ここまで嵐の中を通ってきたんで、グラウンドコンディションが気になりましたが、こちらは一滴の雨すら降ってない模様。日差しもさほど強烈ではなく、蝉の鳴き声まで聞こえてきました。絶好の夏野球日和でしょう。
こうなっちゃうと、野球好きの本能がむくむく。野球を見ていて面白いのは、たとえどんなレベルの試合でもそれなりに楽しめるところ。ほんとうに無料で飲み放題だったビールで十分にエネルギー補給をすませ、さらにエネルギー切れがあってはいけないと、備蓄燃料の準備もばっちり。久しぶりにわか評論家に衣替えです。
さてさて中国プロ野球、どれくらいのレベルか見定めてやろうじゃないの。
◎参考写真:手に汗にぎる好ゲームが展開された北京隊と天津隊との決勝戦
先行はビジターの天津。南海ホークスのユニホームをださくした緑のユニホーム。ノーアウト1、2塁といきなり好機をつかむも、三番バッターセンターライナー。飛び出した二塁走者もホースアウトとなり、チャンスは消滅。なかなかスピーディーな試合展開ですよ。
事情通によれば、両軍にはナショナルチームメンバーも複数含まれているということ。さもありなん。日本のプロ野球選抜とも、まあ見るに堪えられる試合をした連中だったら、今日の試合も期待できそう。
特に格の違いを感じさせたのが、北京隊の捕手「王偉(背番号56)」と中堅手「孫嶺峰(同0)」の2人。王はアテネ五輪予選の日本戦、札幌ドームでホームランをかっ飛ばした長距離砲、一発は出ませんでしたがスイングのスピードが他選手と違います。孫は俊足好打の本家(?)タイガースの赤星タイプ。ベースランニングに無駄がありません。はい、自分でも分かってます。そんなマニアックな話は、誰も聞きたくも読みたくもありません。
私たち一行の5人は女性。ルール自体もよく知らない彼女らが試合に飽き始め、一人ひとりと席を離れ始めた3回裏、北京隊の攻撃、試合が動きました。軟投派の左腕投手から連打連打で一挙四点を獲得したのでした。
わたしもエネルギーを補給しすぎて、試合中に3回も歌を歌い(お手洗い)にいってしまいましたが、幸いにして得点機はすべて観客席。やはりホームチーム、ファンの声援に後押しされた北京隊は中盤以降も小刻みに得点を重ね、結局は10対5で勝利、「優勝」です。
ちなみに試合中5回以降の奇数回に計3回あった抽選、商品は硬球、リュック、デジタルカメラでした。連れの一人がリュックを的中。ぱっちり「CANON]印のカメラバッグ。それほど格好いいとは言えない(ゴマスリはもう終了)けれど、おめでとうさん。
グラウンド上ではすでに表彰式が始まり、チーム関係者も入り交じっての祝福ムード一色。その後は、野球教室。北京で生活する日本人の子供たちで組織した少年野球チームの選手たちが選手にキャッチボールを指導してもらったり、わたしたちの連れの女の子たちも、選手に球を投げてもらいながらトスバッティングに挑戦。
野球小僧たち、肝心な野球の腕はまだまだだけど、口の方はかなり達者で、お姉様たちのトスバッティングを見て、
「ダメだありゃ。バットが下から出てる。ゴルフスイングになってるよ」
などと、とごもっとも、いやいや、もわたしたちではとうてい言えないような冷静にして厳しいご指摘。ほのぼのしていてよろしいですな(どこが)。
わたしの感想ですか?
やっぱり昼ビールはすばらしい。野球を見ながらという、シチュエーションも最高だったし、どんどん汗になって酒精が蒸発(ような気がする)するから、本当に数えられないくらい、何本でもいけちゃいました。これこそ史上最高の禁断の味です。次はいつしましょうかね。
by itoyamamakoto
| 2005-07-10 23:10
| いろんな交流してます