2005年 07月 19日
“日本人力”低下の危機 |
個人行動が好きなように見せかけて、実は寂しがり屋かもしれないわたし。
連日のように、北部九州をあっちふらふらこっちふらふらしております。
で、本日は愛車「しろかろ」と3時間のドライブを楽しみ、来ちゃいました「長崎」です。梅雨明けしたからには今日も雨ではありません(駄)。そんな長崎に、熊本時代からの友だち「ベンジー」さんを尋ねてみたのでした。
彼も「旅人」ですから、
「カルグリクからアリまでのヒッチ、5晩はトラック荷台でお休み。連れの韓国人の女の子、高山病で顔が2倍(当社比)にふくらんでてあせったよ」
「四川の山奥で安宿に泊まったとき同部屋のチベット人に金をせびられてさぁ。10元の部屋に泊まってる俺から金をせびるなんてなんて奴だ、と思ったね」
などなど、再会と同時にマニアックな話花盛り。ひかないでくださいね。わたしたちは「普通の会話」もできるつもりですから。
お互いに舌の根がだいぶ乾いてしまい、ついでに体中から汗を流しましょうか、という流れになり、近くに風呂を浴びに行くことになったのでした。
長崎らしく、坂を下ること徒歩約10分、たどり着きました。
「ホッとランド時津」
「おー、これはひょっとして『スーパー銭湯』ってやつじゃない」
入場料は550円で、チケットを券売機で購入。
銭湯よりも高いけど、スーパー高い訳じゃないからまあOK。
入り口付近のホワイトボードによれば、「本日の湯」は「ゆず湯」と「ワイン湯」。気分は高まります。
実は「スーパー銭湯」初体験のわたし。何もかもが新鮮。赤ずきんちゃんに正体をばらす直前のオオカミ状態でもう心はドキドキ。
施設内はパステルカラーを多用した極めて明るい造り。ぞうりを預けて入ったホールの中心には幼児用のお遊びスペース、さらにお酒も飲めるレストラン、畳の上に横になれる休憩室、喫煙室なんかもあり、とにかくゆったりした感じになっている。
さらに目をひいたのが、くつろいでいる人たちの面々。おじいちゃんたち、おじちゃんたち、若いお兄ちゃん(わたし含!)たち。そして親子連れ。要するに社会を構成する全世代の人たちがいます。きてます。世代間の断絶が叫ばれる中、これって現代社会では結構珍しいことなんじゃないでしょうか。単にこの辺(長崎市の北に隣接する町)が田舎だからという説もありますが…。
何はともあれ、銭湯ではひとっ風呂浴びないことには始まりません。
そう、一年ぶりの湯船。
わたしは人より若干チベット好きですが、チベット人みたいにあまりお風呂が嫌いというわけではありません。シャワーは毎日浴びてます。そこは誤解なさらずに(笑)。
互いに旅人であると同時にワインレッドの心を持つ(≒単なる酒好き)二人ですから、ワイン風呂に直行です。
やっぱ「ワイン湯」は赤ワインじゃないとダメなんすかねぇ。「白」だったら、ワインを混ぜたふりをしていくらでもいんちきできそうだもんなあ。でもこのワイン風呂って「ワインゼリーの香り」しかしない。実際に赤ワインもどれくらい使ってんのかね?お湯で薄めているにしたって、給水口からは絶えず赤いお湯が流れ出てきているし、かなりのワインが必要になるんじゃないの?着色料で薄めたりってのもありそうだよね。
などなど、ベンジーと高尚な会話を楽しむわたし。
で、二人の結論。
ワイン風呂はやっぱ女性湯に使うべきでしょう!
男がワインに浸かって何になるのよ。
あーあ、女湯にある「ゆず湯」に浸りたかったー。
もちろん「ゆず」が目的ですよ。
こんな悪口が銭湯側に聞かれたらしく、向こうさんの反撃を受けるはめになっちゃいました。
そう、続いて入った泡立つお風呂「ジャグジーバス」
それは一度足を踏み入れたらもう最後、ベトナムのジャングルに仕掛けられたブービートラップのようにしかけられたあちこちの噴射口から勢いよくお湯が噴き出してるため、ちょっとでも油断していると、何とも無防備なところに攻撃を受けてしまい、思わず声を出してしまいそうになる「ジェットバス地獄」なのでした。
さらに待ちかまえるはサウナの森。
「塩サウナ」
「冷凍サウナ」
「ハーブサウナ」
「備長炭サウナ」
ハーブサウナはユーカリの香り。冷凍サウナはまんま冷凍工場見学の香り。はっきり言って辛抱強くない方なんで、室内の説明書き読み終わっただけで出てきちゃいました。さらにスチーム、塩とのれんをくぐらないといけないのですが、このときにはすでに「ウルトラマンのカラータイマー」が鳴る音が聞こえてきたのでした。
そうです。まだ体すら洗っていないのに、もう完バテ。のぼせてしまいました。おかしいです。以前だったら、結構熱いお湯でも大丈夫、長風呂にもかなり自信があった方なのに、完全に「湯あたりした外人さん」になってしまいました。
もしかして「ワインの湯」は原液に近かったから酔っぱらったのかも
と言い訳を考えてしまいたくなるのも無理はない。何せまだ真っ裸になってから20分ほどしか経っていない。
こりゃいかんな、と思った次第。
お風呂は日本文化の最たるもの。「裸の付き合い」が十分にできなくなった日本人が、中国人に、チベット人に、インド人に日本を語ること、紹介することなどできようか。「日本人力」の回復という重い課題が見つかり、風呂上がりのコーヒー牛乳がちょっぴり苦く感じたわたしでした(真嘘)。
by itoyamamakoto
| 2005-07-19 22:54
| いろんな交流してます