2005年 09月 25日
やけど辛い鍋たまらん |
日本のみなさんも
中国のみなさんも
世界中の皆さんも
元気に辛い物食べてますかっ。
私は最近勉強にかまけてちょっと控え気味です。
心地よい汗をかいてません。よろしくありませんね。
そんな折りもおり、日中交流会で知り合った中国人女性「ジエジュンジュ」さんからお食事お誘いのメールが入りました。
結構日本語がうまい人なんで、「もう『ひらべ』は食べましたか」という具合に一般四川人的「な」が発音できないような事はありませんでしたが、それでも四川における日中交流の「お約束」ですから、火鍋経験の有無は自己紹介の次くらいの話題として登場したのでした。
もちろん
「辛いの大丈夫」
「毎日火鍋もOK」
「四川人にも負けません」
などなど、かなり相手のプライドをくすぐり、好奇心をあおるような文句を並べておいたので、「それじゃ日本人のお手前拝見ね」とばかりにとっておきの「辛い物」をごちそうしてくれるというのです。
すでにアドレナリンが出始めました。辛いもん専用のやつ。脳神経から足の爪の先まで真っ赤に染まりそうです。
で、集合場所に指定されたのは某四川大学北門。
おいおい。
私の元ホームグラウンドではありませんか
この付近にわたしとおめがねにかなう店なんてあったっけ?
などと思っていたら、四川人らしくなく待ち合わせの3分前には彼女も登場。
じもピーである彼女が「四川人にとっても本当に辛い鍋を食べます。本当大丈夫ですか」と賞賛を惜しまない究極の食べ物に向かい、歩き出したのでした。
楽しみで楽しみで、あえてどんな鍋か具体的には聞かなかったわたし。
こんな事(http://itoyama.seesaa.net/article/6852218.html)を口走ったこともありましたが、やっぱり鍋の本道はこれです。
北門(磨子橋)の交差点から新南門バスターミナル方面に北上。最初の大きな交差点を左折して直進約200メートル。「般若花巴蜀」という名のお店でした。
うおぅっと。
「般若」さん登場ですか。
桃太郎侍が残り10分くらいのとき、例の決まり文句をしゃべるためにわざわざかぶって出てくるあのお面です。般若と火鍋。「激烈」「恐怖」「威嚇」「抹殺」などなど、おどろおどろしい言葉が続々浮かんできます。
でもね
ひと〜つ、人の世の生き血のような
ふた〜つ、ふらちな麻辣三昧
みいっつ、醜い四川の鬼を
退じてくれよう桃太郎!
そんな気持ちですよ。
実際にこの店の有名料理は「鶏雑鍋」という料理で、見た目はこんな感じ。
◎参考写真:びびるな!これが現実なんだ。香菜の緑がきれいじゃないか
もともとは中国南部の少数民族「土家族」の料理らしいです。
「鶏雑」というのは鶏の臓物のごった煮料理の総称で、メーンの具は砂ズリや腸。歯ごたえがよろしいですな。野菜はジャガイモ、にんじん、セロリなど。スープに豊かな味わいを加えるのはニンニクや生姜、花椒、唐辛子という四川料理の四天王たち。もちろんあまり歓迎はしませんが、味精(旨味調味料)や決して低コレステロールなんて聞こえのせりふは聞いたこともない油さんたちもしっかり存在感をアピールしてます。
さらに面白いことに大根をつかった「泡菜(四川風漬け物)」も大量に放り込んであります。ちょっとすっぱめの、まさに四川風キムチという表現がみったりのおつけ物なんですが、これをキムチチゲと同じように大量に鍋の中に投入してるんで、また味のレベルが上がるわけです。
でも本家土家族の鍋は辛くなく、これほど赤色になったのは四川に入ってから「アホな」四川人が手を加えた、というのが彼女の解説。「アホ」は私の付け足しですが…。
こんな感じなんで、木べらで鍋底をすくえば、一般的な四川火鍋以上に色んな物が掘り返されます。ほんとにぞくぞくもの。
で、肝心の味はどうなのさ
ですよね。
辛いことは辛いけど、お釈迦様の手の中をうろうろする孫悟空のようなもの。かんぜんに制空権は押さえました。
対面には汗を拭きふき、顔を赤らめながら、何度となく呼吸をして口の中を冷やしたりする「ジエジュンジュ」さんの姿。
砂ズリやジャガイモ、時にはさらに駄目押しのため、唐辛子もそのままぱくりと口に放り込み、驚いた様子の彼女を見ればビールもまた進みます。
いやあ、おごってもらった上にこんな満足感にまで浸らせてもらって申し訳ございません。
自分の「耐辛レベル」の成長を実感した一日。火鍋への欲求を高める意味では、「火鍋断ち」をしていた北京での半年間も決して無駄ではありませんでした。さあて四川のみなさん。次はどんなものを食わせてくれるか?合法的なものだったら何でもOKね。
by itoyamamakoto
| 2005-09-25 21:01
| 食い物、飲み物腹一杯