2005年 11月 20日
豚も忘れちゃ困ります |
双流徹夜で取胆猪63頭を焼却処理
胆汁目的で養豚、関係部局が抜き打ち調査
市場への豚肉流入根絶目的
双流県黄鎮
【11月20日=成都商報】
「取胆猪」とは何か?生きた豚の胆嚢に直接管を刺して胆汁を抜き取る作業の過程で、炎症を防ぐ薬や抗生物質、各種劇物など大量の薬剤を体内に注入するため、一度この種の豚肉が市場に流通された場合、消費者の健康に重大な影響をあたることが懸念されている。
匿名の情報提供。双流県黄水陳虹橋社区3組の農民が取胆目的で数十頭養豚。
昨日未明、地元政府の関係部局の職員らが、問題の豚肉が精肉市場に出回らないよう問題を根源から絶つため、63頭の取胆猪を撲殺、さらに消却消毒をした上で地面深くに埋めて処理した。
☆情報提供:生きた豚に管を刺して胆汁抽出
双流県黄色水鎮の農工辨公室は一昨日の午後4時頃、同鎮内虹橋社区3組の農民グループが数十頭の生きた豚に管を刺し、胆汁を抜き取っている、との情報を得た。「胆汁をとった豚の体内には薬物が残るため、肉が市場に出回ったとしたら消費者の健康に被害をもたらす!」農工辨公室の責任者はことの重要性を感じ、直ちに同鎮関係部局の責任者および双流県の農工事務室に報告した。
「問題の根を根源から絶たねばならない!」前日午後5時頃、双流県農工辨公室の康主任、黄水鎮の党書記、鎮長などが相次いで虹橋社区に趣いて緊急調査を始めた。調査グループはすぐさま、同社区の李平さんと長雲書さんが63頭の豚を飼育しているという明確な証拠を得た。これらの大部分はすでに残忍に腹を切られ、体内には胆汁を抜き取るための管を挿入されていた。
程なくして、成都市農工辨公室の関係部局責任者も現場に訪れ、対策が協議された。
☆夜を徹して調査、処理。63頭焼却して埋葬
「取胆猪」が市場に流れて消費者の健康に重大な危害を加えることを考慮した関係部門の責任者らは昨晩8時頃、取胆猪の適切な処置方法を決定。まずは李平さんと長雲書さんの二人を捜し出して「取胆猪」の危険性を説明、あわせて問題の豚肉が市場に流れることを防ぐために全ての「取胆猪」を廃棄する旨を伝えた。
一昨日の晩8時30分ごろ、調査グループはまずこれら「取胆猪」を撲殺。同時に地元政府が呼び寄せた一台の掘削機で虹橋社区内の空き地に深さ3メートルの巨大な穴を掘った。農業用トラクターが6往復し、一頭100キロ近い「取胆猪」63頭を全て目的地に運んだ。
日付が変わった昨日午前2時には、63頭に油をかけて高温で焼却する行程を開始。続いて調査グループは石灰を用いて2度の消毒、その後燃えかすを地中に埋めた。午前4時頃、問題の「取胆猪」が全て適切に処理されたことを確認した上で関係者らは現場をあとにした。
▼当事者の養豚農民
「胆汁は金になると聞いた。だから心が動いた」
「自己資金を投じて取胆する前、十分な状況理解がなかった」
情報が徹底されてない
おお驚き喰らった
今回の「取胆猪」は双流県黄水鎮虹橋社区3組の李平さんと親戚の張雲書が共同出資して行ったもの。昨日正午、李平さんは自宅前にて茶の湯飲みを片手に渋々と語り出した。この35歳の男性、地元農民の間では「金儲けの名人」と呼ばれ、今回の件があるまで一度も「挫折」を味わったことがなかったという。
19年前、16歳だった李平さんは中学校卒業後、成都市に働きに出かけた。2000年前後、10数年間働いた結果として数万元を貯蓄することに成功した李さん。中規模の工事会社を開業した。2年前には15万元を投じて洋風2階建ての自宅を建築。かなり裕福な暮らしを送っていた。
今年9月初め、李平さんと親戚の張雲書さんは友人から胆汁から抽出する胆黄素1キロが一万元以上の利益を生み出すなど「取胆猪」が金になることを聞きつけた。10月2日、彼は張さんと共同で15万元を出資、数十頭の豚を購入した。最近になって、彼らはメス豚1頭だけを繁殖用に残し、63頭に管を埋め込む作業を行った。この数日、この二人の兄弟はそろばんをはじき、自家用車を買う計画を立てていた。ただしその夢は昨日未明になってついえてしまったが…。
昨日午前10時、いつもはとても早起きの張雲書さんは気力もなく部屋から出てきた。彼の頭の中は真っ白。ただただ考えるのは借金した3万元をいつになったら返せるのかだけ。李平さんもこう話す。彼にも又7万元ほどの借金がある、と。
10数万元の投資がすべて灰になってしまったことで、李平さんと張雲書さんはともに非常に後悔した様子。李平さんによれば、この事業を始める前、彼らは十分な調査を行わなかったという。もし「取胆猪」の問題や成都市が「取胆猪」を許さないことを知っていれば、こんなに盲目的に事業は始めなかったという。しかし李平さんは「生きた豚から胆汁を取ってはいけないことなど知らなかった。これは地元政府の通達が十分でなかったからではないか」とも話した。
◎参考写真:見よ。この全く悪びれない堂々とした李さん(左)ら2人を(笑)
昨日午後、双流県黄水鎮辨公室の王偉主任は取材に対し、政府と農業部門はこれまで何度も「注水豚肉」「取胆猪」をしてはいけないことを強調してきた、と説明。李平さんら二人が「事情を知らなかった」と話したことについては、「それはあり得ない」と断言。あわせて王主任は「まもなく黄水鎮では大々的に養豚についての教育、通達を行う」と述べた。
▼双流県農工辨公室
「この十数年でこれほど大規模な『取胆猪』は初めて」
「市場に流入する問題の根本解決のため、全県規模の検査を行う」
☆「取胆猪」に含まれる薬物は健康に害
今回「取胆猪」を廃棄する過程で、最後まで現場で監督した双流県農工辨公室の康主任は、「これほど大規模に『取胆猪』が行われていたのは十数年間で初めて」と話す。康主任の解説によれば、生きた豚に管を埋め込む過程では大量の消炎薬や抗生物質などを注入する必要がある。これらの薬剤は豚の血液系統や生理機能を破壊、さらには大部分の薬物は豚の体内に残留するという。「取胆猪」の豚肉が一度市場に流入すれば、消費者の健康に大きな影響を与え、豚肉価格にも深刻な影響を与える。このため、問題の豚肉を根本から絶つため、夜を徹した廃棄作業による「取胆猪」の処理を実施、さらに二人に対して正しい知識を与えることとなった。双流県農工辨公室は今後も全県の養豚農家に対して検査を行うという。
昨日午後、記者は成都市生豚屠宰監察大隊の肖正良隊長を取材。彼によれば「取胆猪」および「注水豚肉」は一貫して生豚屠宰監察部門の重点改善対象だという。成都市精豚肉市場では現在、豚肉検査のためのネットワークを確率させており、「取胆猪」が正規の精肉市場にはいることはほぼ不可能だという。
【評】
わたし的にはかなりのマイブーム。
最近の「ヒット率」がばか高い双流ネタでございます。
世の中「鶏肉、鶏肉」と騒いでおりますが、やはり中華民族としては保守本流「豚肉」で勝負しましょうや。
実はこの記事にある豚肉処理、盛大な野外BBQ(焼却過程)が行われてた同時刻、双流にも近い成都市南部の新興住宅地にて、偶然にも、わたしとジエジュンジュさんによるこんな会話が交わされていたのでした。
宵闇に煌々と輝く「狗肉(犬肉)」の看板を見つけたジエさん。
「成都ではぜったい狗肉は食べないでください。全部のら犬ですから」
「あっそれ知ってる。猫も食うんだよね。もう完敗よ、四川人に」
→http://itoyama.seesaa.net/article/9328967.html
「私は食べませんけれど…」(ジエ)
「でも最近鳥インフルがまたはやり出したよねえ。大丈夫?」
「成都は大丈夫みたい。でも豚はダメですよ」(ジエ)
「豚連鎖球菌の話でしょ。それって夏だしもう落ち着いたじゃん」
「何言ってるんですか。今もっとすごいことが起こってますよ」(ジエ)
「ほほーっ、聞かせてもらおうじゃないの」
で、そのお話とはこんな内容。
一昨日、双流県で養豚場の豚が数十匹規模で鯨飲不明の病気にかかったことが判明。例え中国といえど食肉問題に敏感な昨今、問題のもみ消しを計った地元警察は全ての豚を殺した上で地中に埋めることを指示したのだという。
ここまでが警察側の「面白話(=とんでも話)」。
さらに続きます。
今度の主人公は農民側。
警察が立ち去った現場。一人ひとりと現場に戻ってくる地元民。豚の死骸が埋まっている場所を掘り返して殺されたばかりの豚を全て掘り出してしまった、とさ。
「わかった。もったいないから食べたんでしょう!」
「間違え。自分で食べると危ないから全部肉屋に売りました」(ジエ)
「う〜ん。さすが四川。警察も警察だけど、農民はさらにうわてね」
「だから豚肉は食べないでくださいね」(ジエ)
こんなもん聞いたときは話半分、というか完全笑い話として受け取ってましたよ。いくらわたしが現実と想像の世界の狭間でさまよう人間だとしても。
でも本日新聞を見たとき、かなり驚いてしまいました。
ディテールで違う部分が多いから同じ話でないのは明らか。
でも逆に言えば、「似てはいるが明らかに違う話」ってことは、同じようなことが「当たり前」「日常茶飯事」として行われているんじゃないか…、なんていたずらな想像もできちゃうってこと。
ちなみにジエジュンジュさんはこのネタ(笑)を会社の同僚から聞いたとのこと。ならば成都の一般市民はだいたいこんな風な話は知ってるってことなのだろうか。それでも豚肉がだ〜い好きな中国人ってやっぱり強いなって思いました。
ボクももっと強く生きなくっちゃ
なんだか暖かく励まされたような気分になれたわたしでなのでした。
さて記事についてですが、ネタは文句なし面白い。かつての愛読紙「新京報(@北京)」でも紹介されてたんで、これもまた嬉しかったりして★★★★☆
by itoyamamakoto
| 2005-11-20 17:39
| これは面白ニュース!?