2006年 09月 23日
初めてモンスーン体験 |
クールなクールな金曜日
【9月23日=THE TIMES OF INDIA】
金曜の夕方、暑くそして蒸し蒸ししたデリーの町はほんの一時間のうちに水浸しと交通渋滞に様変わり。
けたたましくクラクションをならす車、怒り声を上げる運転手たちの姿が町のあちらこちらで見られた。
この土砂降りのため、気温は一気に摂氏23、5度まで急降下、子どもたちは恵みの雨の中を元気にはしゃぎまくっていた。
【評】
「いたい、いたい」「いたたたっー」「あた〜、おた〜」
と叫びながらデリー郊外をバイクで疾走するわたし。
打ちつける雨は大粒でこの葉隠れができそうなほどに風も強烈で容赦なし。
まさに暑季を終えてモンスーン期に入ったデリーにふさわしい強烈な通り雨なんだけど、ほんっと一時間前には空に一点の曇りもなし。
雨の「あ」の字の気配すら感じさせず、だから当然のごとく何の対策もとらずに外出してしまったインド生活初心者にとっては心身ともにダメージはでかい。
ハンドルを握りながらも、寮の屋上に干していた洗濯物の状況ばかりが気になって仕方なかったその頃、同じ雨の中、これほどまでに無邪気に他愛もなく喜んでいたガキがいようとは…
インド人のモンスーン到来に対する感情ってのは、映画「LAGAAN」(2001年)を見てもらえばよくわかると思うんだけど、「やっと酷暑の時期を乗り切った。作物も息をまた吹き返す」という思い。要するに「これでまた一年生き延びられる」ってくらいにDNAに刻み込まれた本能的な感情。
日本でもレンタルビデオ店などで借りられる数少ないインド映画のひとつであるこの「ラガーン」。
最近では「ラガーン〜クリケット風雲録」なんて副題がつけられてるらしい。カルトの域を少しだけ越えるブームを巻き起こした「踊るマハラジャ」以降、ちょっと笑わせ要素込みの副題をつけられるのが輸入マサラムービーの宿命のなのでしょうか。
まあ、そんな風にモンスーンには本能的に喜ばずにはいられないインド人。
そういえばわたしの後部座席にもおりました。
降り始めこそ、
「ああ、気持ちいいですね。この雨」
という例の(笑)蘇君に対して
「さすがインド人。雨を心待ちにする気持ちは数千年の昔から変わらないんですな」
なんて同調してたものの、
巨大な街路樹が道幅4mくらいの道路いっぱいに倒れてバイクの行く手を遮っていたり、雨水がジーンズの生地を越えてわたしのパンツの中にまでしみ込んでくるような非常事態になると、引き続き
「うほぉ〜、ひょぉ〜、#($%&("?>!)*+」
と叫び続けてる彼に対して、
「お前はサルか?いい加減に状況を理解しなさい。最近ピンクに染まりすぎてません?この色ガキ君よ。雨に打たれて少しは冷まされんかいっ」
と言ってしまいました。心の中で。
約20分に及んだ修行を終えてようやく寮に到達。
当然洗濯物は全滅。窓を開けっ放しにしていた部屋の中も半滅。
そして蘇君はといえばさらに雨を楽しむべく、どこで学んだのか山下清系ランニング、短パン姿となって屋上にいってしまいました、とさ(笑)。
さてさて記事のことに話を戻しましょう。
これはわたしの読み込みが足りないのかもしれないけれど、インドの新聞にはほのぼのとした話題がありません。
首相がどうしたとか、テロがどうなったとか、裁判所がどんな判決を出したとか、商店経営者や学生がストをしたとか…。
とにかく硬派な話ばかり。要するにどうも肩が凝ってしょうがない。ほんとは探せばいくらでもあるんだろうけれど、中国ほどばかげた話(人vsパンダ)が少ない。自分の勝手におもしろがって解釈してきましたが、
もう少しほのぼのする話とか、ホロっとくる話があってもいいんじゃないの、
と思うのが人の情ってもの。そんな中で目を引いたのが一面に載ったこの写真記事だったというわけ。偶然なのか狙って撮ったのか、とにかくインド人の根っこの部分を見事にとらえたこの写真。わたしの体にもいっぱい張り付いてた木の葉に思いを馳せながら、★★★★☆。
by itoyamamakoto
| 2006-09-23 15:44
| これは面白ニュース!?