2006年 01月 09日
有明の珍味をいただく |
むつごろ、めくわじゃ、はぜぐち、あげまき、わらすぼ、こうけ、くつぞこ、うみたけ、わけんしんのす、たいらぎ…
またしても始まる呪文のような言葉。
でも今回はこれ(→http://itoyama.seesaa.net/article/11108613.html)のように方言じゃありません。
いや、待てよ。
方言か?
でもこっちが本場のもんだってあるんだから、方言というのも誤解があるんじゃないか?
Ans.宝の泥海「有明海」に息づく珍味さんたち
有明海といえば佐賀、福岡、長崎、熊本4県に囲まれ、干満の差が世界でも類を見ない6メートル、底土は「がた」と呼ばれる粒子の細かい泥(ドロ)。この2つの特殊な環境が有明海にこの世のものとは思えないような、少なくとも深海にしか住んではいけないような生き物たちを育んでおります。
でもこれが、
知・る・ひ・と・ぞ・し・る・美・味
なんでございます。
見た目が「うぇ〜っ」でも、ほっぺのおちる食べ物は何も中国やその他「怪しい国」だけの専売特許ではありませえん。そしてこの海の産物こそ、環有明海的住人のわたしにとっては「ソウルフード」。→http://itoyama.seesaa.net/article/11349823.html
とくに酒飲みにとっては(笑)
そんなわけで、宝物の一大集積地、福岡県柳川市にお出かけです。
川下り、旧城下町として有名な柳川ですがマニアには「珍味の里」なわけで、魚屋の品揃えも超マニアック。垂涎の味がそろってます。
もちろん、わたし一人でこんなシブすぎることをしてるはずはなく、
はぜぐち
はぜぐち
はぜぐち
と行きの自動車、ハンドル握りながら何度も口にする父親。そのたびに相づちをうつ母親。この2人のベテランに金魚のフンをしているだけなのが実情。
さて、魚屋にて。
◎参考写真1:この平和な光景のなかに「悪魔の落とし子」たちが潜んでいます
おります。をります。
ぱっと見ただけで、
むつごろ、めかじゃ、あげまき、くつぞこ、うみたけ、わけんしんのす、たいらぎ
貝類、魚類、??類な奴ら。
でじつは父親ご推薦の「はぜぐち」。
わたしは知りませんでした。
ハゼかと思えば、でかさが違う。
体長30センチを超えているのもざら。
冬に旬を迎えるというこの魚。
とうぜんどの店にもおいてありました。
でかいのから4匹を購入。
さらにフナも25センチ級2匹購入。
この辺りでは田んぼの周りにクリーク(ほり)も多くて、古くからそこに育ったフナをたべます。これはお刺身用。日本酒にチョ〜合うとは父の弁(半嘘)。
別にゲテモン専門店ではないんで、もちろん普通の魚もあり。丸々太った新鮮いわしも4匹ほど。
しめて3300円。
高いのか安いのか。
元換算だけはしないでね。
さて帰宅。
我慢して日が暮れるのを待ちます。
ちょっぴり小麦粉をマブして、新しい油でからっと揚げる。
フライをいただきました。調味料は塩だけ。ね。
見た目ごっついはぜぐちですが、身は淡泊な白身。
それでころか一口ほおばってびっくり。かりっとした表面とは対照的。身はほくほくのほろほろ。色んなフライを食べてきましたが、ここまで身が口の中でとろける感じは初体験でした。
歯ごたえを楽しみたければ骨のフライをどうぞ。身の部分と全く違って、はからっと揚がって香ばしさ満点。
食わず嫌いに一文の得なし
かつて何度も身をもって体験したことで、わたし的にはもう当たり前の「生きる方針」なんですが、これまでの
見た目気色悪いのが実は普通にうまい
のとは次元が違います。
このはぜぐちの場合は、
見た目うまそうなものよりも何倍も超絶うまい
でしたね。
ただあまりに予想以上のうまさだったので、酒の方が準備不足。とりあえずビールと一緒だったんですが、何とあわせていただくのが最高か、それを考えたくなるくらいの極上品でした。
もう一度心の準備をして出会いにいきたい
と思える、いまんとこ帰国中最大収穫となったはぜぐちさまでした。
追伸:冒頭に登場した有明の生き物たち。興味のある人はこちらをのぞいてみては。
→http://www.tca-laruche.co.jp/yoake/yoake_sch01.htm
by itoyamamakoto
| 2006-01-09 09:45
| まちかど歩けば新発見