2006年 08月 31日
印度初日本語統一模試 |
たぶんそうなんでしょう。
ジャワハールラル・ネルー大学(JNU)のCHANDRA BHAGA HOSTELで31日夜、「日本語能力試験2級」受験予定者のための模擬試験がひらかれたのでした。
とにかくイベント好きな日本人3人ととにかく後輩思いなインド人1人の企画で、JNU日本語科の3年生を中心にした約20人が受験。日本語教育途上国のインドにおいて同試験の統一模試開催は史上初めてとみられている。
この日の成績を参考に、翌週からは12月の同試験本番まで、受験者全員合格を目指した特別強化講習が始まるのでした。
◎参考写真:ほぼ8割が「野郎」でしめる受講希望生。華がほしいね、華が…
JNUは基本的に大学院大学なんだけど、語学系だけはBA(学部)レベルのコースを設けてて、彼らはそこの学生ってわけ。ちょうど日本語初めて丸二年ってのがだいたいのパターン。
中国人で日本語科3年目っていうと、程度の差は(非常に)あれ、
もうだいぶ喋れるてし聞けてるな
って状態なんだけど、それはありがたいほど環境に恵まれているから。
漢字にたいして超強力なアドバンテージがあるだけじゃなく、日本語の辞書や問題集が普通に書店で購入でき、DVDや音楽が海賊版屋やネット経由でただ同然で手に入る、暇そうな日本人が周りにあふれているなんて状況が、ここインドには皆無。
日本語とは基本的には教室でインド人の先生に習うもの。
そして寮や図書館ではただただ授業に対する予習と復習。
だから日本人を見ても、その反応はほかの学部の学生と基本的に同じ。見せ物を眺めるように黙ってじっと見つめ続けるパターン。日本語で交流しようとするような気配はなし。話しかけてきたとしても英語での会話だったりする(こっちが緊張するよ)。
そんなわけだからここインドでは
「2級に合格していれば日系企業への就職はかなり有利」
らしいのに、日本語能力試験自体に対する意識自体かなり低いのが現状らしい。
「それじゃあ、こちらさんたちがそちらさんたちをまとめて幸福への階段に道案内してあげましょう」
ということで12月中旬にある試験日まで約3ヶ月間におよぶ「能力試験絶対合格 集中コース」の開講を決定(酒飲み話)。
授業は週3〜4回、午後10時から。文法関係をJNU日本語科(修士レベル)の超優等生スレンドラ君が、読解と聴解をわれら日本人3人が担当して講座を開きます。
だいたい冒頭に「日本語学習途上国」って書いたけど、受験することを決めて、どうやって勉強始めようって考えたとき、問題集、参考書を手に入れるだけでひと苦労以上の汗を流さなきゃいけないのが途上国の悲哀。
インターネット上でもかなりの資料をダウンロードできるんだけど、そこまでの日本語能力は備わっていないし、時間だけがすぎていくばかり。
もちろん問題や受験情報の宝庫である中国版サイトをのぞけるような手だれがいるはずもなし。あっ、なぜか日本語科にはるばる中国からいらっしゃってる女の子が一人だけ在籍していて、彼女なら可能でしょうが…
とにかく今日は午前様(1時過ぎっ!)になってまで初めての問題に挑戦してもらったわけで、まずは採点、軽い分析をかました上で、来週からの授業が始まるわけです。
400点満点で6割の240点を超えてりゃ合格できるんだけど、果たしてこの時点で合格に手が届いた『優秀君』はいるのか?
いるにこしたことはないんだけど、問題になれるだけである程度点数がアップするのが語学試験の常。授業は試験と同じスタイルで問題を解いていくことメーンで進められることでしょう。
一般的な合格率は3割程度だと言われてる2級試験。「全員合格」っていう途方もない目標は達成されるのか。模試結果のでる来週にはすでに軌道修正が必要になるのか。
JNUのエリート生たちの真の実力をじっくり観察させてもらいましょう。
※最後に参考情報
日本で脚光を浴びているらしい新興諸国「BRICs」のうち、とうぜんながら日本語学習についてはC(中国)だけが飛び抜けちゃってる。
2005年度試験の受験者総数(1〜4級)ではダントツの12万6422人。
桁二つ飛んでインドが2番目の4152人。続いてブラジルが3155人、ロシアなどは1073人。
インドの受験者数は国(地域)別に見れば中国、韓国、台湾、香港、タイ、インドネシア、ベトナムについで8番目にランクインしておりました。
上位4強は別格としても、数年後にはその後方グループくらいまではランクアップが期待されますな。なにせパイが違いすぎますから(笑)。
by itoyamamakoto
| 2006-08-31 23:07
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