2006年 04月 26日
麻辣四川8天漫漫遊4 |
九寨溝観光への挑戦状を突きつけてみようじゃないか
無知で蒙昧で中国を誤解しまくってるお上りさん日本人観光客(自称わたしの母&弟)に、スローフードならぬスロートラベルを提唱し続けている今回の漫漫遊。
でも、物事には緩急のアクセントも必要だってことで、こんどは「1泊2日九寨溝・黄龍の旅」を敢行することに。
朝に成都を飛び立ち、昼前には現地ホテルにチェックイン。昼飯後に九寨溝観光をスタート。翌日は黄龍に移動してそのまま3000m級の山登り(川上り?)。そして夕刻の飛行機で成都リターンズ。
もちろんブルジョアに往復飛行機使うつもりっすよ。往復1560元(約23000円)。
さあまた出ました。
3割、4割引は当たり前、時と場合によっちゃ同区間の硬臥(2等寝台)よりもたたき売りが横行してる中国国内航空チケット。
そんななかで中国民航強気の0割引路線。
ラサ路線、敦煌路線に続いてお世話になるのは3路線目になります。いやあ、わたしってホント民航の上客やね。
それにしてもなぜ、旅行のスピードをカメからウサギに豹変させなきゃいけないのか。
それはあの時の忌まわしき…
そう、前回の九寨溝・黄龍の旅は「大王」と呼ばれるお方と参加した中国人観光客まみれの一般ツアー。バスの旅計3泊4日。このときの思い出といえば「おみやげ屋観光づくし」。
冬虫夏草など岩薬などをさばくチベット生薬、ヤク干し肉、チンコー酒などのチベット食品類、チベットに関係あるなしに関わらない宝飾品、そしてチベットとは全く関係ない羌族のお茶などなど土産物店に縛り付けられたような旅行後半。
外からじゃ何売ってんだか分からないような平屋の建物に大量に横付けされた観光バス群。我先にと友人知人家族あてに「九寨溝行ってきました土産」を買いまくるツアー参加者たち。
中日の文化の違いを改めて感じるとともに、
「これだったら九寨溝観光なんて正味半分の日程で十分だよ」
そう思ったことをいざ実践してみようという、またしても超個人的な理由にクライアントさまを巻き込んでしまうわけですな。適当な理由をつけて。
あと、なるべく食い物の旨い成都で夜飯が食べれるような安配にしたい
という、さらにクライアントさまのお腹のことまで考えた至れり尽くせりな「1泊2日九寨溝・黄龍の旅」ではありませんか。
と、まずは空港にて午前9時半発の九寨・黄龍空港行きの飛行機待ち。
チェックインカウンターはメーンターミナル脇にある省内・重慶行き乗り場。もしこれからこの乗り場を使う可能性のある人、ターミナル内のレストランで軽食しないように。軽はずみな気持ちでは、ね。
母親&弟が頼んだ紅茶&トーストはその値段だけは超重量級。
なのに、内容は軽食を軽く下回るストロー級もしくはミニマム級。
うっすーいガラスコップに見たことない中国ブランドのティーバッグが一つ入った「お紅茶」が38元。食パン三枚を過ルーク温めたもの3枚に、がちがちのマーガリンが付いた「おトースト」が20元。
もちろんこの計58元(870円)は一人前の値段。
名古屋あたりだったらモーニング2人分くらいの超豪華ブレックファースト。なのにお二人は黙ったまま。そりゃあ、紅茶に砂糖もミルクも付かないし、頼まないとジャムもやってこない。
そんなことじゃないのよ。
中国じゃ高い商品を頼むことに意義がある、自己満足がある。ガラス窓一つ隔てた搭乗待合いエリアの老百姓(一般ピーポー)たちとの身分の違いを実感できる。それこそがぼったくり喫茶店の存在理由。
ツアー参加客のお二人、そんな優越感に浸っていただけたでしょうか?
さてと。
史上最大級に長い前置きの後は、たった35分のフライトで九寨・黄龍空港に到着。ちょうどこの空港は九寨溝と黄龍の中間、ちょいドラゴンよりの町「川主寺」の高台を切り開き、ズバリ観光目的のためにだけに最近オープンした空港。
高台って行っても標高約3500mの超高台。
そこからは空港バスが走っていて4人集まれば随時出発。九寨溝までが約1時間40分で一人44元。黄龍までは約1時間で同22元。
空港では出口付近にある代理店ブースにて3つ星級以上のホテルの予約もできて、だいたい2人で250元くらいから。私らは4つ星ホテル340元のダブルにベッドを一つ追加して1、5倍の510元(7600円)。
まあ、九寨溝には最近ユースホステルもできたから飛び込みだろうと割安な滞在も十分可能になった模様。
さあ、午後1時を過ぎました。
九寨溝観光を始めましょうか。
分かっていたことだけど、入場料やっぱ高すぎ。
入場料220元+エリア内のバス乗車券90元(学割は入場料だけ50元引き)
国内外の観光客関係なく一人310元(約4600円)も「ぼったくる」観光地なんて世界のどこに行っても聞いたことなし。その意味じゃ「世界最高の世界遺産」と言っちゃっていいんじゃないの。
もちろん、その価値があるかといわれたら
「まったくゼロ」
とは絶対言いません。
ヒマラヤに始まる世界の屋根の東の東のはし、岷山山脈にある2つの谷間を流れる清流が美しい景観を作り出した九寨溝。川の流れに沿って池やらせせらぎやら大瀑布やら世界中で絶対ここにしかない観光ポイントがY字型に散らばってる。例えば、
◎参考写真1:もっとも九寨溝的といわれる「五彩池」。標高は3000mくらい
◎参考写真2:「なぜか?」と言われてもよく分からないくらいにターコイズブルー
その道のりは入り口から最深部までは約33キロ、全長50キロくらいあるから歩き倒すわけにもいかず。普通はエリア内を一定間隔で走っているバスを乗り継ぎながら自由停車で自由参観するわけ。
ただ、綺麗に舗装されたバス道以外にも遊歩道が縦横無尽に張り巡らされている観光エリア内で全ての観光客の動きを把握するのはかなり骨の折れる仕事なわけで、ゲートが閉まるのは夕方6時のはずなのに、公園職員たちは午後3時を過ぎたくらいからとにかく観光客を入場ゲート近づけようと我々にプレッシャーをかけてくる。
「これが最終バスだ」
とか
「これから先は封山(立ち入り禁止)になった」
とか
「ここであなた達が見終わるのを待っている」
など。
更に時間(それでも4時くらい)がおしてくると、遊歩道を歩いていても自分たちの後ろにはこれ以上奥へは行かせまいとする職員の姿。
◎参考写真3:こんな美しい景色を独り占め、と思いきや背後には職員がマンツーマン…
それでもやっぱり観光客が少ないというのは何ごとにもかえ難し。午前中だったら世界遺産級にあふれかえっているはず人民たちなのに、少なくとも午後1時ごろ、入り口付近にいたのは我々3人だけ。その後も全てのエリアを通じてかなりまばら。
公園職員の方も、かつての日本代表並みのゾーンプレスでラインを「Y字型」の合流地点まで上げたならば、後はだいぶんプレッシャーをゆるめてくれるから、残りの地点をゆっくり見て回ることもできるようになる。
結論:半日で九寨溝の全てを見るには若干急ぎ足の必要あり。中国語は分からないふりをするのがベスト。チケットは2日間有効だから、ゆっくりできる人なら初日は午後から入るのもいいかも。
◎参考写真4:合流地点付近の珍珠灘瀑布。この辺はもうマークなしのフリー状態
by itoyamamakoto
| 2006-04-26 17:09
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