2006年 03月 27日
下界は相変わらずやね |
ダンスで勝てば成都美女と結婚
参加者まばら チラッと見てハイさよなら
【3月27日=西藏商報】
「ダンスで勝てば成都美女と結婚できる」。この「男の夢を実現させる試合」は25日、正式に参加者の受付を始めた。この論争必至のイベントは全国5大地区で予選が行われた後、一対一の対決によって優勝者を決定する。ただ、現場の状況から判断するに、物珍しそうに眺める人たちばかりで、実際の申込者は少なくなりそうだ。
午前9時すぎ、熊猫城迎楽広場前に一枚の大きなポスターが張り出された。「ダンスで嫁とり」。そこにはほおづえをついてなまめかしい眼差しでこちらを見つめる女性、今回の主役嬌嬌さんの写真。傍らには「ダンスで勝てばわたし、お嫁さんになってあげる」「世界初のイベント」「男の夢を実現」などと色鮮やかな文字が踊り、商品として一等には奨金10万元とダイヤモンドリング、さらに2等には5万元、3等には1万元が贈られるとのこと。申込期間は25日から27日まで。
巨大ポスターはひっきりなしに通行人たちの注目を集め、ある学生とその同級生たちは、しばらくの間その内容に目を凝らし、そして笑い始めたのだった。李さんという19歳の少年で、日ごろは街角でダンスをするのが趣味。「確かに“対決”は今のはやりだけど、ダンスもそれにつかわれるべきじゃない」とばっさり。「俺の求めるセンスじゃない」という理由から、申し込むつもりはないという。現場には少なからぬ人たちが集まったものの、一様にひとしきり笑った後、去っていくのだった。
昼も近づいた頃、嬌嬌さんがガードマン2人を引き連れて、春煕路からタクシーに乗って熊猫城に到着。彼女は見た目もポスター城の姿もほぼ同じ、集まったメディアの前に立ち、絶え間ない微笑みを振りまくのだった。しばらくしてお立ち台に上がると、短くこう一言。「わたしのパートナーはダンスの達人でなくっちゃ。踊る姿はとにかくまぶしくって最高にクールで…」
◎参考写真1:成都商報にはこんな風に写真もばっちり
記事はこちら→http://www.cdsb.com/news/page/detail.jsp?NewsId=18861
【評】
下界は平和じゃのぅ。
久しぶりに「成都」の二文字を見たかと思ったらやっぱり「めいにゅう(美女)」ネタ。
まあ、とてつもない事件でも発生しない限り、成都から全中国に発信されるニュースは「美女」か「美食」しかないわけ。あらためて感じましたな。
こっちはお寺で等身大のヤブユム(父母仏)をみて「どきどき」するようなつつましい生活を送っているくらいだから、今、そんなに刺激的な嬌嬌さんのいる下界に降りてきちゃったら即鼻血、卒倒するかもしれませんな。
ちなみにダンスで思い出したんだけど、チベット族の間では「鍋荘」という民間舞踊が幅を利かせとります。分かりやすく説明するなら、草原にみんなで集まって、輪になっておどる踊り。そう、まるで日本の盆踊り。
◎参考写真:なぜかクリスマスに向け「鍋荘」を練習する日中藏連合体@某GHin成都
成都といえば、そんな「鍋荘」で育ったチベタンたちの一大集積地でもありますから、ぜひ雰囲気を読めない勇敢なカンパ(東チベット人)あたりにのこのこ出場してもらいたいもの。たとえば
HIP HOP vs 鍋荘
社交ダンス vs 鍋荘
なんて超異種格闘技戦、HGと和泉元彌の戦いみたいで面白そうじゃない?
ニュースの作り方としては、「コンテストの申し込みが始まりました」と書き始めるよりも、この記事のように「あれれ、どうしちゃった?企画倒れかも…」みたいなことをにおわす書き方の方がまっとうだと思う。
国内5カ所で予選を開いて、優勝賞金は10万元(約150万円)プラスダイヤの指輪なんて、元々興行として成り立つとは思えないんだけど、そこまでつっこんで取材して書き込んでしまうと、身分不相応な長ったらしい文章になるだろうから、まあ妥当なまとめ方でしょう。ただ、実際にいつどこで実際の試合(予選or決勝)があるのかくらいは触れてほしかったと。★★★☆☆
by itoyamamakoto
| 2006-03-27 11:29
| これは面白ニュース!?