2006年 02月 11日
「Old Monk」に完敗! |
#節操なしの旅日記22
- Dharamsala
もういいだろう。インド。
こんなに節制したのはいつ振りだろうか。
多分、いや間違いなく、ここ5年間ではありえないくらい「酒絶ち」を実行中。
インド入国以降だからすでにもう丸丸3日!!!
体調の方は相変わらず狂おしいくらいに万全ながらも、このままでは心が乾いてしまいそう。
理由はいろいろあるけど、ひっくるめていうなら環境の問題。
インド自体が酒に対してちょっと控えめなところがあるから、一般的な食堂ではメニューにない事が多し。さらに酒屋でも、購入した酒を外から分からないようにするためだろうけど新聞紙でくるみ、黒いビニール袋に入れて渡したりするから、こっちだって「いけない物」を買っているような後ろめたい気分になってしまう(笑)。
つづいてインド旅行者にも問題が。
とにかく酒好きは少数派。部屋でパイプを回している光景はある意味「風物詩」だったりするわけだけど、沖縄のどこかの島のように強い酒の入った杯を回すシーンはほとんど見たことなし。単にハッパより「高い」というのが一番の理由のような気もするけどね。
ってなわけで、
「現地の文化を尊重する」というのが旅における最低限の礼儀だと思ってるからこそ、インド人世界&インド旅人世界にいる間酒を遠ざけていたということ。
それでも昔は何てことなかったこの「一時断酒」なんだけど、これほどストレスがたまるとはほんと「想定外」。もう純正イスラム地域には旅行できないんじゃないか、と危機感覚えるくらいやばいかも…。
まあ、いいのさ。
いまはダラムサラ。
酒もあびれば肉も食らう敬虔な仏教徒(!?)、チベット人の世界に突入したわけだから、そんな自主規制も解除間近なわけ。
朝の6時前にバスを放り出され、
「ゲストハウス?」
「ベリーチープ&クリーン」
がお題目の怪しげ120%なインド人客引きたちに包囲されながらも、夜明けまで約一時間はその場にて辛抱。
あたりの様子が分かるようになって町歩きを始めたわけだけど、標高1800m前後のこのダラムサラ。どうやら日中30度からまた冬服の世界に戻ってきたようで、ガイドに掲載の宿は軒並み、
「3月から営業再開します。ごめんね」
の一点ばり。
ますます酒を飲まなきゃやってられない状況になりそうでわくわく感もそろそろ度を越えてしまいそう。
とにかく無事寝床を確保、小休止のつもりが長い長いお休みの後、町を知るためのお散歩を始めたんだけど、ガイドブックに「酒屋」と書いてあった場所が薬局になっていたからさあ大変。
いつの間にか沐浴場兼スイミングプールにたどり着いたり、小川をさかのぼった滝に出ちゃったり、と山の斜面にへばりついたダラムサラと周辺集落を行ったり来り。
◎参考写真:人の苦労も知らず川で洗濯。環境汚染を進める小坊主たち
で、とにかく人のいそうなところをくまなく歩き倒した挙句、最後の最後で目的地を発見。
何の事はない、町の中心にも程近く、今日歩いた道を逆ルートで始めたらものの5分で発見できたといういつものような「オチ」付きなんだけど、とにかく発見できたからには通りすぎるわけもなし。
おいしい肉系のつまみが望めないインドだからこそ、わたしの心と身体が欲するのは「ラム酒」。超辛党のプライドなどここでは何の役にも絶たず。それよりフルーツとともにいただく甘いラムが何とも絶妙なハーモニーを奏でちゃうからたまらない。
「ラムはあるかい?」
「ダンナ。3種類ありますが、どれにいたします?」
と小屋をちょっとばかりでかくしたような店の主(30代)。
「聞くだけ野暮だろう。Old Monk以上にうまい酒があるというのかい?」
「へへっ、当然そろえておりやすぜ」
ということで250Rs。そしてやはり新聞紙に包まれた「オールド・モンク」をめでたくゲット。家路への足取りも10分前比約1.5倍のスピード。
ベッドが部屋の半分を占めるような、一応は南向きの超シンプルなシングルルームにひきこもると、
◎参考写真2:新聞紙を丁寧にはがしてモンクのご尊顔と7年ぶり対面
ダラムサラまでやって来た挙句、法王ではなくモンクへの拝謁をここまで喜んでいる不届き者は多分わたしくらい。
マサラ味に世知辛いインド世界に残された唯一の桃源郷、現代のガンダーラ。人生におけるすべての甘美なる味覚や感情を濃縮したようなとろける舌ざわり。そして胸を焦がす恋心にも似てほのかに焼けるその喉ごしは、7年の時を経ても変わるところなし。
モンクの魔力に我を忘れ、ちびりちびりのつもりがオーバーヒート。夕方5時には静かに息をひきとったわたし。そのまま14時間睡眠の世界へと堕ちてしまいました、とさ。
めでたし。めでたし
か?
宿代(Green Hotel) 70Rs
Old Monk 250Rs
by itoyamamakoto
| 2006-02-11 13:31
| またまた旅に出ました